| 2001年10月7日の早朝、車に乗り込んだ時に思い立ち、私の三次盆地の霧の海撮影が始まりました。そして10月7日から12月8日までの合計10回の週末の内、9回三次に出掛けて霧の海を撮影しました。まだ撮影に飽きたわけではありませんでしたが、12月15日の週末には三次地方の降雪の便りが届き、二輪駆動+ノーマルタイヤの私のクルマでは山頂までのドライブは無理なので今シーズンの霧の海の撮影を断念しました。そこで今回のつぶやきで、初体験となった2001年の三次の霧の海の撮影を総括してみようと思います。
1. 撮影場所
2)高谷山
3)岡田山
4)その他の場所
2. 撮影タイミング 霧は夜半から出ていますので、可能なら月夜の霧の海は撮影しておきたい被写体です。撮影は概ね薄明の手前になりますので、月のタイミングを上手く計算しないと光に恵まれません。日の出前に月が空に有るのは、満月から新月に移り行く半月間です。満月だと低い位置からの順光になり、平板な景色になりがちです。私は概ね半月の時に出かけ、日の出前にほぼ天頂からやや東側、霧に対して真上からやや逆光ぎみになるときを狙っています。光量的にも半月の時が最も恵まれている気がします。三日月ぐらいだと完全に逆光になりますので、面白そうですが、光量が著しく不足する気がします。....ちなみに半月でも露出計はまともに作動しません。EOSの露出計に頼れないので、一度セコニックの単体露出計を持って行き、月明かりの霧をスポット測光しようと思ったのですが、測光範囲外でエラーになりました。露出決定にはヤマカンが必要です。
次なる撮影タイミングは、日の出前の真っ赤な朝焼けでしょう。しかし今シーズンは一度もその様な景色には恵まれませんでした。来シーズンこそ... 次は日の出の瞬間です。しかしこれは日の出写真そのものになりがちです。太陽が低いと霧の海自体は太陽光にあまり照らされることが無く、平板な白い雲として写りがちです。また、秋から冬にかけては地平線付近にかすみがある事が多く、日の出がかすみの上からとなって、赤く焼けません。だから日の出写真を撮る場合には、かすみが洗い流された雨上がりの朝が宜しいようです。
何度か霧の海を撮影して、最高のタイミングだと認識したのは、太陽高度が少し高くなって、霧の海がオレンジの逆光に輝いた瞬間です。この時、霧は光と影による幻想的な姿を見せます。そのタイミングは10分間ぐらいなので、この時が来たら手早く構図を決めて連写することになります。アンダー目に露出すれば陰影が強調され、また肉眼で見ている以上に赤く再現されるので、強烈な写真になります。
この様な撮影タイミングが毎日のように有るわけでは有りません。足繁く通って、条件に恵まれると、真っ暗な夜明け前から、日の出後1時間ぐらいに渡って何時間も撮影に専念出来ますが、そうでない日は全くの手持ち無沙汰になることもあります。
3. レンズ 撮影に適したレンズの焦点距離は、撮影場所に大きく左右されます。前述したように岡田山なら100mm以上の望遠が必要です。画質の良い100-400mmぐらいの望遠ズームが有ると便利だと思います。高谷山なら標準〜望遠が使えますので、70-200mmズームとか、28-70mmズーム、あるいはそれに準ずる単焦点レンズも役に立ちます。長焦点レンズの不得手な中判カメラの活躍の場も多いでしょう。「最初の撮影場所」は霧の条件に恵まれると「足元から霧の海がある」ので、超広角レンズを用いた迫力ある写真が撮れそうです。しかしその様な条件に恵まれることは稀でしょう。 月夜の撮影をする場合、出来るだけ明るいレンズでないとピント合せに困ります。むしろMFカメラ&レンズの方が無限遠が簡単に出せて良いかも知れません。露出時間を短くして相反則不規の影響を減らすためにも、1〜2段絞ってF2.8〜4ぐらいになる大口径レンズが良いでしょう。無限遠のピント合せに困ったときには、月に向かってカメラを向けてピントを合せ、そのままのピント位置で撮影します。 日の出後の霧の海撮影は、強烈な逆光になりますので、逆光性能に強いレンズが必要になります。ニッコールの高級レンズなんて良いでしょうね。私のレンズはシグマ主体なのでとても苦労しています。
4. フィルム たまたま期限が1年ぐらい残っている中古のコダックE100VS(お客が一度買って、不要になってカメラ店に引き取らせたもの)を15本ほど入手したため、今シーズンの霧撮影ではE100VSを用いました。暗い内からの撮影となるので、長時間露出に弱く感度の低いベルビアは使いませんでした。E100VSの面白い癖は、月明かり、あるいは曇りの日の光が青く発色される事です。これに太陽光のオレンジが混じると、印象的な色合いの写真になります。別の月明かりの日にトレビ100Cで撮影した写真は特に青くなることも無く、見た目通りのニュートラルな写真に仕上がりました。狙いによってフィルムを使い分けると面白いかも知れません。
5. 今シーズンを振り返って、霧の海の撮影とは... 霧は白色です。霧自体には様々な形がありますが、白いために平板な光の中では平板な物体にしか見えません。しかし光を選ぶと、白いが故にその光の色に染まり、また霧本来が持っている形を深い陰影と共に見せてくれます。だから霧撮影のキモは光を選ぶことだと思いました。月明かり、薄明、日の出前の朝焼け、日の出、そして日の出後の斜光線。それぞれにおいて光はその色と表情を様々に変えて、千変万化の霧の姿を見せてくれます。そんな光との追いかけっこをした今シーズンでした。 来シーズンは、引き続き日の出前後の光を追いかけると共に、霧の中の情景にも挑戦しようと思っています。霧に煙る森の中に太陽光が射すと、妖しい光芒となって現れるので、その様な光景にも出会ってみたいものです。
以上のことを参考に、霧のギャラリーをご覧になってみてください。
|
|||||||||||||||