| レンズの表示焦点距離は無限遠撮影時の物です。所で皆さんが持たれている様々なレンズで近接撮影している時に焦点距離がどうなっているか御存知ですか?全群繰り出しレンズの場合には無限遠時と同じ焦点距離のままですが、それ以外のレンズ....インナーフォーカス、リアフォーカス、前群繰り出し、近距離補正方式など....では全てズーミングが行われて、実際の焦点距離は短くなっています。例えばタムロンAF28-200mm
F3.8-5.6XRですが、最短撮影距離はズーム全域で49cmで、最大撮影倍率は0.25倍になっています。200mm撮影で49cm時に0.25倍のマクロ撮影が出来る!という売り込みですね。しかしこの時の実効焦点距離は少なくとも78mm以下です。200mmと言っておきながら、実はその三分の一程度の焦点距離しかありません。
真の200mmレンズの理論最短撮影距離は80cm(等倍時)で、これ以上近寄ることが出来ません(等倍を超えるとまた撮影距離は伸びます)。ニッコールやミノルタの200mm等倍マクロレンズの最短撮影距離は50cmで、理論最短撮影距離80cmよりも短いです。従ってこれも当然ズーミングが行われて、等倍時の実効焦点距離は200mmよりも短くなっています。 これから近距離撮影時の実効焦点距離の求め方の詳細をご説明しますが、実効焦点距離が短くなる事の実害は何もありません。むしろコンパクトなレンズで拡大撮影出来るというメリットの方が大きいのです。例えば焦点距離の変化しない全群繰り出し方式の200mmレンズで等倍撮影しようとすると、無限遠時からレンズ全体を20cmも繰り出す必要があります。その時のレンズ全長は恐らく35cmぐらいになるでしょう。そんなマクロレンズは使い物になりませんよね。だから気にすることはありません。まあ、雑学として知っておいてください。 レンズが理想的に薄い単玉であった場合の、実効焦点距離fと、レンズ中心部から被写体までの距離a、レンズのバックフォーカス(中心部からフィルムまでの距離)b、撮影距離L、撮影倍率Mの関係は、下の絵の上段の様な関係になります。 レンズと被写体の関係
所で実際のレンズは複数の構造を持つので、理論値(薄い単玉)の様には単純ではなく、レンズの中心位置にあたる主点が二つあります(上記の表の下段)。その二つの主点間距離がhです。もしこのhが分かるならば、撮影距離からこのhの値を引いた数字を実効撮影距離と置き換えれば、正しい実効焦点距離が求められます。しかしこの主点間距離hの値は私たちユーザーには分かりませんので、このつぶやきでは一旦hを無視しましょう(つまり上記の表の上段の状態を考えましょう)。 すると、この連立方程式は実効焦点距離fを求める様に、撮影距離Lとその時の撮影倍率Mだけの式に直すことが出来ます。この撮影距離と撮影倍率から実効焦点距離を求める表を作ってこのページの一番下に掲載しました。縦軸が撮影距離(単位はcm)、横軸が撮影倍率です。その二つの数字の交点がその時の実効焦点距離で、単位はmmです。 ここでは無視することにした主点間距離hは必ずしも正の値とは限りませんが(稀に負の値=前方主点と後方主点の位置が入れ替わる)、レトロフォーカス、テレフォーカス共に殆どのケースで正の値になります。参考までに私の手持ちの文献に乗っているhの値は、某200mmテレフォトタイプのレンズで約50mm、某28mmレトロフォーカスタイプのレンズで約20mmです。このhが正の値である場合は実効焦点距離は下記の表から求められる数字よりも小さくなりますので、下記の表から求められるのは実効焦点距離の上限値(真の焦点距離はこの値よりも更に小さい)と理解してください。
下の表から幾つかのレンズの実効焦点距離の上限値を見てみましょう。
実効焦点距離表
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