| つぶやきによる「KENの大判菌拡散計画」の締め括りとして(笑)、私が愛用ししているトヨフィールド45Aについて書くことにします。4x5フィールドカメラ選びにおいて、このトヨフィールド45Aと、現行型の45AIIは買って後悔することの無いカメラだと思います。 | ||
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私のカメラは現行モデル「45AII」の一つ前の1974年から1992年まで作られた「45A」で、4x5国際規格に準拠したカメラバックを持つ後期型です。
現行モデル「45AII」は各操作ダイヤルがゴム巻きになり操作性を改善しています。またカメラバックは縦横切替がワンタッチのレボルビングバックになっています。一方の私の「45A」はダイヤル周囲がプラスチックのノブで、カメラバックは縦横差替え式の極く普通のものです。その代わりに45AIIの2.8kgに対して2.4kgと400gも軽く、私はむしろ旧型であることが気に入っています。 コンパクトな標準レンズを付けると堂々として見えますが、全体の嵩はブースターと大口径標準ズームを付けた35mm一眼レフと比較してちょっと大きい程度であることはつぶやき193でお見せしたとおりです。総ダイキャスト製のしっかりとしたボディを持ち、各所の剛性感、操作感は非常に優れています。 |
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各操作系をご説明しましょう。沢山あって複雑そうですが、基本は簡単です。
底面になっているところが「ベッド」と呼ばれ、ピント面からレンズボード面までの寸法が2種類刻まれています。白字は通常の状態。オレンジの字はリアエクステンションを伸ばした時の寸法です。レンズの焦点距離よりも少し短めの所までフロントスタンダードを引き出して固定します。 その固定はフロントスタンダード中央下にあるレバーで、左右どちらかにスライドすると固定されます。このレバーを中央(アンロック)にした状態であれば、フロントスタンダードの前後調節に加えて、フロントシフト、スイングも出来、そこからレバーを左右どちらかにスライドすれば固定されます。 ベッドの側面にはピント調節ダイヤルとそのロック(右側のみ)があります。ピント調節は極めてスムーズです。 フロントスタンダードの付け根にあるのがフロントチルトロックで(判りにくいのでピンクに着色)、これを緩めると前方90゜、後方15゜の範囲でレンズが倒れます。なお90゜を越えて後方に傾ける場合は、フロントチルト90゜ロックの左右のレバーを内側に倒します。 フロントスタンダードの真ん中あたりにはライズ/フォール固定ダイヤルがあり、レンズの高さを変更出来ます。 ベッドとカメラバックの付け根にあるのが、リアスタンダード固定ダイヤルで、収納時の折り畳みに加えて、リアのチルトロックを兼ねています。フロント同様に90゜を越えて後傾チルトさせる場合は、リアスタンダード90゜ロック(判りにくいのでピンクに着色)を引き上げてからカメラバックを倒します。 |
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底面側です。中央左右にはリアエクステンションパイプ固定ダイヤルがあり、これを緩めると、リアスタンダードの位置を後方に71mm延長出来ます。150mmを越えるレンズを使う場合に用います。
またリアスタンダードを後方に引き出すと、リアスイング固定レバーが2本見えます。このレバーを緩めれば、リアスタンダードを左右8゜の範囲で左右に首振る事が出来ます。リアスイングを使う場合は、リアのエクステンションを多少引き出す必要が有ります。 |
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カメラバック部の構造です。4x5国際規格(グラフロック)に適合したバックを持つ私の45Aは三つの部品を組み合わせています。
左下が4x5国際規格取り付け部を持つグラフロック枠です。カメラボディの上下に付いた薄いプレートを上下にスライドすることで着脱します。画面の縦横切替は、この枠を差し替える事で対応します。写真に写っているグラフロック枠の上面がピント面を司る大切な部分で、厚いロールフィルムホルダーなどはピントグラス枠を外して、グラフロック枠上下に付いている薄いプレートを上下にスライドすることで固定します。 右下がピントグラス枠で、グラフロック枠にダブルヒンジのリンクを介して取り付けられます。カットフィルムホルダーなどはグラフロック枠とピントグラス枠で挟み込む形で装着します。ピントグラスには1cm間隔の方眼に加えて、6x7、6x9の枠も刻まれています。 右上はピントフードで、左端にヒンジ軸が付いています。この軸をピントグラス枠左端上下にある穴に入れて装着します。 |
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カメラバック側の使用状態です。
左上はピントフードを起こした状態で、逆光であればこの状態でも構図確認可能です。通常はこの状態で冠布を被って構図造りをします。 右上はルーペを使って精密なピント合わせをする時の姿です。ピントフードを開いて行います。 左下はカットフィルムホルダーを装着する時の姿。ピントグラス枠を引き起こして、挟み込む形で挿入します。 右下はトヨのロールフィルムホルダーを装着する時の姿で、カットフィルムホルダー同様にピントグラスを外すことなく装着出来ます。 右手でデジカメを持って撮影しているので、フィルムホルダーを持つ手が逆手になっていますが、通常はもちろん右手でフィルムホルダーを持ち、左手でピントグラス枠を起こしながら装着します。 |
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トヨ45Aは90mmから300mmまでは通常の平レンズボードで使用可能です。65mmレンズの場合は凹みボードを用い、かつベッドダウンが必要との事です。
大判カメラはレンズ鏡筒がカメラ側に内蔵されているカタチですので、長焦点レンズでも(テレタイプを除き)呆れるほどコンパクトな代わりに、カメラ側の長さはレンズの焦点距離に合わせて大幅に伸縮します。リアのエクステンションを伸ばし、ピント調節プレートを一杯に引き出すとフランジバック320mmまで伸びて、ご覧のような容姿になります。 |
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アオリ機構は、フロントにチルト(前後傾け)、シフト(左右平行移動)、スイング(左右首振り)ライズ/フォール(上下平行移動)、リアにはチルト、スイングがついています。全部を動かすとこんな形にもなります。これはフロントに後傾チルト、フォール、右シフト、左スイング、リアに後傾チルト、左スイングを一杯までかけた姿です。アオリ機構の動作説明をするための写真で、この状態そのものに撮影上の意味はありません。 | |
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では、気になる人も多いと思いますので、トヨフィールド45Aのセットアップ手順を御披露しましょう。 |
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| (左)まずお弁当箱状態のカメラを三脚に固定し、アクセサリーシューの前方に有るボタンを押して、
(中)カメラバックを垂直まで引き起こし、リアスタンダード固定ダイヤルを締めます。 (右)レンズボード取り付け部を前方に引き出すと、噛み合いが外れて..... |
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| (左)フロントスタンダードが起き上がりますので、
(中)垂直に立てたら、フロントチルトロックレバーを締め、フロントライズ/フォール固定ダイヤルも締めます(蛇腹を最も縮めた時には、蛇腹自身の力でレンズボード取り付け部はライズもフォールもしていない丁度センターに来ますので、この位置で締めると位置合わせが要りません)。 (右)フロントスタンダードを使うレンズの焦点距離よりも10〜20mm短い位置まで引き出し、中央下にあるフロントスタンダード固定レバーで固定します。 |
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| (左)レンズを取り出し、レンズボードをフロントスタンダード下端の爪に差し込み..
(中)上端にあるプレートを斜め下にスライドさせてレンズを固定します。 (右)ケーブルレリーズをレンズに付けて、セットアップ完了です。三脚に固定してからここまで、約30秒程度です。簡単でしょう! |
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以上でトヨフィールド45Aの各部の作りや操作方法がお判りになったと思います。全金属ダイキャストボディのこのカメラには、蛇腹を例外として、大きな衝撃を加え無い限り壊れる場所が殆どありません。また電子技術の進化やメーカーの新製品を売らんが為の陳腐化政策とも無縁ですから、いつまで経っても古臭くなりません(このカメラが発売されてから既に30年が経過しようとしています!!)。それでいて得られる写真の品質は(カメラマン自身の腕を別とすれば)常に時代の最高峰にあります。
重量級金属ボディがもたらす絶対的な剛性感、スムーズでガタの全くない可動部、手袋をしていても操作可能な大きなダイヤルやレバーなどは、フィールドの中でカメラを操作していて大きな信頼感を寄せることが出来ます。アメリカのphoto.netの大判写真の掲示板を長年読んでいても、トヨフィールド45A/45AX/45AIIの事を悪く言う人は一人もいません。それだけに細部まで完成された歴史的逸品と言えるでしょう。
もう一度この姿をご覧下さい。気品と風格に溢れた「プロのための無駄のない機械」というたたずまい。私はここに写っているものの全て(三脚は除きます)を59800円+税金で入手しています。もちろん中古ですし、KEN並みの価格で中古を買うことは長年の研鑽が必要ですが(笑)、中古さえ見つかれば普通に買っても8万円台でしょう。新型の45AIIでもレンズを含めて中古で10万円程度だと思います。
更に時代が過ぎて30年後....35mmAF一眼レフとAFレンズは九分九厘動かなくなっているでしょうけど、このトヨフィールドは蛇腹さえメインテナンスすれば(そして大判フィルムが生き長らえていれば)、恐らく現役バリバリの筈です。 買って損は無いと思うし、買えばあなたの写真生活に新しい扉を開くでしょう。お一つ如何ですか? 4x5フィールドカメラ...
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