キヤノン・アングルファインダーBとC
KENのつぶやき vol. 199  (2003. 8. 31)

キヤノン・アングルファインダーCを購入しましたので、アングルファインダーBとの比較をしてみようかと思います。

まずは主要諸元を比較しましょう。
 

アングルファインダーC アングルファインダーB
視野 正立正像、1.25倍/2.5倍(中央部のみ拡大) 正立正像、0.8倍
視度調節 あり あり
アイカップ あり 無し
回転 360度。45度単位のクリックストップ 360度。フリーストップ
ケース 付属 無し
大きさ(実測) (幅x奥行きx高さ)37x58x97mm (幅x奥行きx高さ)33x50x84mm
重さ 110g 115g
適用機種 FD角窓機、EOS全機種 FD丸窓機、FD角窓機、EOS全機種
視線入力機用アダプター 付属 別売(Angle Finder Adapter EdII, 2000円)
価格 24000円 8500円

 

これがシステムの全貌です。手前にあるアイピースアダプターは左側がEOSの標準窓(視線入力AFの無い機種)用で、FDの角窓機種にも使えます。右側が視線入力AF機用の大きなアダプターです。アングルファインダーCには両者のアダプターが付属していますが、Bの方の視線入力AF機用のアダプターは別売です。私の持っているアダプターは旧タイプのEdで、金属製で、パトローネケースに入れられて販売されていました。現在入手できるアダプターEdIIは黒いプラスチック製で、ビニール袋に入って販売されています。
アングルファインダーBはアダプター無しでFー1などの丸窓機種に装着可能です。
アングルファインダーCは丸窓機種には装着出来ません。しかしCにはケースが付属し、アイピースアダプターも収納できます。
 
 


 

カメラに装着した状態と、その拡大写真です。両者は全く同じ撮影倍率で撮影しているので、大きさの比較が正確に出来ると思います。

アングルファインダーBはFD時代から生き長らえてきた製品なので、総金属製のずっしりした作りで、プリズムケースの部分には結晶塗装まで施されています。その代わりに視度調節以外は特に機能のないシンプルな作りになっています。アイピースの周りに360度回転でき、どの位置でも任意に止めることが出来ます。但し長年使っていると回転のフリクションが無くなり、少しでも傾けると重みでくるりと回って真下を向いてしまうようになります。こうなった場合は、アイピース取り付け部のシルバーのリングを取り外し(アイピース開口部に三つの小さなネジがあり、これを外します)、さらにその内側にある黒い筒の周囲にある極小のマイナスネジを緩めると、この筒が外れて回転機構が露出しますので、スプリングの利き具合を調節することで直すことが出来ます。詳細はりんたさんのHPの実験試作室に掲載されています。

アングルファインダーCは新世代の製品だけあって(?)ほとんどの部品がプラスチックで出来ていて、Bと比べてしまうと大きさの割りに軽い(軽薄な)作りになっています。その代わりに視度調節、アイカップ、倍率変更とフルスペックで、ケースも付属しています。アイピースの周りに360度回転出来ますが、Bとは異なり45度ごとにクリックストップが付いています。それ以外の角度だと節度が不足して、くるりと回ってしまう傾向があります。こちらを長年使った場合の回転(クリックストップ)の節度の劣化については未知数です。
Cを使っていると、アイピースアダプターの取りつけ節度が弱くなってきます。アングルファインダー本体はアイピースアダプターの上方向から差し込む形になっており、節度が無くなると、ボディからアングルファインダーを外すときにアイピースアダプターがボディ側に残ってしまう事があります。こうなった場合はアダプターのスプリング部を少し曲げることで節度を取り戻すことが出来ます。

アイピースアダプターという点では、Bのアダプターも長年の使用で取り付け節度が弱くなり、ボディへの取り付けが緩くなってきます。標準添付の標準窓用アダプターは金属製なので、スプリングを少し曲げて節度を取り戻すことが可能ですが、視線入力機用の現在入手可能なアダプターEdIIはプラスチック製でそれが出来ません。また材質の問題で長年の使用で折れる可能性もあると思います。既に製造中止品ですから、アダプターが入手できるうちに予備を買っておいた方が良いでしょう。

さて、実際の使用フィーリングですが、やっぱりCの方が優れています。何より標準で1.25倍という視野倍率は、素のファインダーよりも良好な視野が手に入るので、マクロ撮影時のピント調節がかなり楽になります。また三脚使用時であれば視野を2.5倍に拡大して精密なピント合わせも可能です。2.5倍時は画面中央部のみが見えるのですが、以前酷評したマグニファイヤーとは異なり、このアングルファインダーCは比較的視野範囲が広く、主役を画面中央から多少オフセットして配置しても、2.5倍の視野内でピント調節可能です。この倍率でピント合せをしているとマクロ撮影時の被写界深度の浅さ、ピント合わせのデリケートさが手にとるように判り、普段の肉眼+標準ファインダーでのピント合せにかなり誤差があるだろうなぁと思ってしまいます。実際、完ぺきなピント合せをしたと思っても、現像が上がってピンボケという写真は少なからずあります(^^;。その失敗もこのアングルファインダーの2.5倍拡大機能を使える状況であれば減らすことが可能でしょう。但しこの倍率変更機能、アイピース部のレンズをターレット式に切り替えるのですが、ピント位置(視度)も微妙にずれますので、倍率変更する度に視度調節も多少する必要があります。この点も最近の製品に相応しく設計が軽薄ですね(笑)。
アイカップがありますが、眼鏡を掛けた人でも無理なく使える設計にしてある為か、裸眼だとアイカップと目の間の隙間が大きく、遮光効果は殆どありません。眼鏡の有無で伸縮式できる様に作ってあれば良いのですがね。
二つ目のアイピースアダプターも収納できるケースは、カメラバッグへの収納も気を使わずに済み便利です。

Bの方は視野倍率0.8倍なのでピント合わせには神経を使います。またアイピースアダプターは結構鋭利な金属ですから、適当なケースを手配しないとカメラバッグの中で他の機材を傷つけてしまいそうです。しかし、この機材でもあると無いとでは大違い。私はアングルファインダーBで何百枚もの写真を撮影してきました。低いアングルからの撮影を無理なく可能にしてくれるアングルファインダーは、ネイチャーマクロで良い作品を撮影しようとすれば、リモートケーブルと同じぐらいに重要であり、使用頻度の高い機材です。

さて、アングルファインダーBとC、どちらを買うべきでしょうか?これは視線入力AF機を使っているか、使っていないかで異なると思います。視線入力AF機を使われていない場合は、どちらもお勧めしません。代わりにミノルタ製のアングルファインダーをお勧めします。EOSやFD機の角窓機にも装着可能なミノルタのアングルファインダーは、C同様に倍率切替(1倍と2倍)、アイカップ、視度調節、ケースが付属してCの半額の定価12000円です。稀に中古も見かけますが、中古であればBの現時点実勢価格と同等の価格で入手できるでしょう。私自身はミノルタのアングルファインダーを持ってはおらず、実際にEOSに装着したことがありませんが、HPに来られている複数の方から装着可能である事を教えて頂きました。またアメリカのPhotonet.comの掲示板にも「アングルファインダーCを買うまでは、ミノルタのアングルファインダーをFD機に使っていた」という書き込みがありました。(リンク先の最後の書き込みを読んでください)なおこの書き込みによれば、ペンタックスの角窓もミノルタ/キヤノンとほとんど同じだとありますので、ペンタックスユーザーはミノルタのアングルファインダーが取りつけられるかチェックしてみては如何でしょう。純正は馬鹿高く定価39000円もしますから、もしミノルタが装着できれば福音ですね!!

読者の方から情報を頂きました。ミノルタのアングルファインダーのペンタックスへの取り付けには改造が必要なようです。改造によりミノルタやEOSとの共用は出来なくなりますが、12000円(定価)という安価な価格で良質なペンタックス専用アングルファインダーを手に入れることは出来ます。以下、掲示板に頂いた情報です。

ペンタックスのカメラにミノルタのアングルファインダーは付きませんでした。
しかしちょっと加工をすれば取り付けることは出来ます。
(ツメの厚さを薄くして、幅をカッターで削って広げればOKです)
この加工をするとミノルタやキヤノンのカメラに付けると簡単に外れてしまいますので
共用は止めたほうがいいです。

私のように視線入力AF機(5、55、7、3)を使っている場合は、選択肢がBかCの二つしかありません。とは言っても、既にBの方は製造中止で、店頭在庫も無くなっていますので中古でしか入手できません。定価は8500円なので、新品実売で6000円台、中古で4000円台でしたが、製造中止になって後継機Cの価格が24000円に跳ね上がった結果、Bの中古価格が一時高騰してしまいました。秋葉原のカメラショップやオークションなどで新品定価以上の価格で売られていたこともあります。(カメラのど●ーむが角窓用アダプター欠品でCの定価よりも高い26000円の値付けをしているのは論外だと思います。このつぶやきを上梓時点ではまだネット上にあります。)最近になって多少落ち着いてきたので、4000円台のものも見かけます。この程度の価格であれば買って損はないでしょう。
Cの方は良好な使い勝手を持っていますが、新品の実売価格は2万円弱ととても高価です。中古もオークションを除けば全くと言ってよいほどに出現しません。私はほぼ毎日ネットをチェックして3年目に初めての中古物件をオークション以外で発見しました。ちょっと高価でしたが(手数料、税込みで14,000円ほど)その物件を購入しました。しかしその後も中古は見かけていません。
BにせよCにせよ、これが無ければ撮影できない(非常にしにくい)被写体が沢山あります。予算と相談して購入されれば良いかと思います。
 

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