| 2004年7月に限定発売されたフジクローム・フォルティア。雑誌でも取り上げられ、主だったネット上の掲示板でも話題にされましたから、ここに来られている銀塩ユーザーであれば知らぬ人はいないでしょう。フィルムの詳細はフジのサイトを参照して下さい。ここでは撮影結果を幾つかご覧いただきましょう。
1 ヒマワリ 撮影状況は2004年7月31日の早朝、場所は広島県三次市君田町のヒマワリ畑、天候は曇りで時折雨が降りました。この日は東から西に向かった台風10号が夜広島に上陸したその当日の朝でした。この状況でのフォルティアの発色は、ポジをみた瞬間に絶句するほど個性的なものでした。画面全体がシアンに傾き、赤味を帯びた黄色である筈のヒマワリの花は、鮮やかなレモンイエローに化け、葉や茎もシアン系フィルターとPLフィルターを効かせたかのような青みを帯びた深い色合いになっていました。この色合いのコンビネーションを果たして「ヒマワリ」と呼んで良いのかどうか...人間の期待色から少しかけ離れている気がします。同時に撮影したエクタクロームE100VSと比べるとその違いが一目瞭然ですね。実際のヒマワリの花の色はE100VSの写真に極めて近いものです。写真は上段がフォルティアです。
2 日の出 日の出のように「赤」「マゼンタ」が混在する状況ではフォルティアはまた別の性格を見せるようです。撮影状況は2004年8月9日早朝の広島県山県郡芸北町の掛頭山山頂。天気は晴天ですが朝焼けはあまり焼けませんでした。しかしフォルティアは平凡な朝焼けを印象的に仕上げています。画面全体が今度はマゼンタに傾き、同時に撮影したベルビア100Fがオレンジに再現している部分を深いサーモンピンクに変えています。恵まれた朝焼けには滅多に出会える物ではないので、日の出/日没撮影にフォルティアは良い武器になるかも知れません。但し、その発色はまるでレッドエンハンサーを使った様で少しアクが強い気もします。
フォルティアの使いこなしですが、徹底的なマイナス補正が肝です。ハイライトが簡単に飛んで質感を失いますから、控え目な露出で細部のトーンを維持しないと写真になりません。フィルムのパッケージには「硬調タイプにつき、絵柄によりましては-1/3絞り程度アンダー側への露出補正をお勧めします」とありますが、私の経験では-1/3と言わず、-0.7〜-1ぐらいまで補正した方が良い場合もあります。(注:ここで言う露出補正とは、適性露出に対するもので、露出計の指示値ではありません。例えば他のフィルムで+1補正で適性になる状況であれば、フォルティアの露出は補正なし〜+0.7補正程度に抑えるという事です。) フォルティアを使ってみての感想ですが、手強いの一言ですね。色々と研究して使う状況と撮影意図を吟味しないと、とんでもない色合いの写真が出来てしまいます。日の出、日没には良いかも知れませんが、風景には少しアクが強すぎる気がします。緑の発色が不自然ですから、緑多き風景写真だと辛いでしょう。またフジの説明に拠れば天候(=色温度)の違いによる発色の変化も大きいようですから、雨天でも健康的な発色を恵んでくれたベルビア50の様な使い方は難しいでしょう。マクロ撮影はまだ試していませんが、赤系の花には良さそうなものの、それ以外の色の花だとどんな色に再現されるのか..他のサイトでも作例が公開されて行くでしょうから、それらも良くチェックしようと思っています。
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