オートソック(布製タイヤチェーン)
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2007年11月23日のきまぐれダイアリーでオートソックという布製タイヤチェーンを買ったという話題を書きましたが、1月3日の芸北(広島県山県郡北広島町八幡付近)の撮影でこれを試しましたので感想などを書いてみました。当初はダイアリーとして掲載するつもりでしたが、文章量が多くなったので独立したつぶやきにしました。それ故、11月23日のダイアリーと重複しますが、購入の経緯から話を始めます。きまぐれダイアリーの読者は二つ目の章から読んで貰えば宜しいかと。
スタッドレス派には要らないけど、応急目的、雪道走行頻度の低い人には朗報? つぶやき206「美しい冬景色は儚い!?」や、つぶやき169「道路の格の違いを感じた、真冬の撮影行」で書いているように、KENのクルマはFFのセダンで雪道や悪路の走破性は良くありませんが、マンション住まいの関係で外したタイヤの置き場所が無く、冬場でもスタッドレスタイヤを履けずにいます。それで真冬の撮影の際にはノーマルタイヤ、ノーチェーンで雪の積もった山間部まで走っていったりしています。万が一のチェーン(金属製)は持っていますが、装着が面倒だし一度使うとダメになるので、走れなくなるまでノーチェーンで走ってきた結果、未だにチェーンのお世話になった事がありません。しかしこれは無謀な事で、その内にどこかでスピンするのでは無いかと思うし、一方でもう少し進めれば良い景色に恵まれる道でも、明らかに深い積雪の為にあきらめた事もあります。 もう少し安心して真冬の撮影に出掛ける手段は無いかなぁ、、と悩んでいたら、夏ごろに面白いものをネット上で見つけました。月日が流れて11月中旬、「今年は秋が来るのか?」と思っていた矢先に気温が一気に下がり、県北からは初雪の便りが来たのでその面白い物を発注し、11月23日にそれが届きました。それはオートソックというノルウェーの会社が販売してる、リトアニア製の布製タイヤチェーンです。 夏にこの商品を見つけた時に、ネット上で使用記等を色々と調べたら、チェーンとしてかなり良さそうな印象でした。主な物を記憶に従って列記すると、、、
![]() これがその外観。右の写真はA4の紙を置いて撮影したものですが、一辺がほぼA4の長辺の長さ(約30cm)の正方形のビニールケースに入っています。厚みは5〜6cm程で重さは1kgありません。私はマツダのクルマに乗っているのでマツダのお店で購入しましたが、殆どの自動車メーカーで純正指定されています。但しトヨタのみは名称が異り「スノーキャップ」と呼ばれています。またインターネットショップなどでも購入可能です。価格は概ね1万円台前半です。
興味の有る方はオートソックで検索してみると沢山引っ掛かりますので、調べてみて下さい。幾つかのリンクも載せておきます。(リンクの順序は私が読んで分かりやすいと思った順番です。)
また、右の写真はパッケージの裏面で、クリックすると大きな写真になり、注意事項などを読む事が出来ます。 マツダのページ 日産のページ(pdf) トヨタのページ オートソックのページ めちゃ簡単な装着、変わらない快適性、確かな雪上/氷上性能 オートソックを試す機会は2008年1月3日にやってきました。2008年初の撮影で雪景色を狙うべく、足繁く通っている芸北八幡高原を選びました。真冬の八幡高原に行くのはこれが初めてでは無く、過去はノーマルタイヤのままで走り切っていましたが、この日は途中国道186号芸北松原交差点を過ぎたところから、全面真白な圧雪凍結路(圧雪路が一度溶けてまた凍結した道)になってしまい、流石にノーマルタイヤで先に進む事に恐怖を覚えました。直ぐにオートソックを装着しようと思ったのですが、凍結路上でストップしては他車に迷惑なので、チェーンを装着できるスペースのある場所までは何とか走り切り、三段峡入り口交差点のところでクルマを停めて、オートソックの装着に取り掛かりました。 夜明け前の真っ暗な場所でしたが、ヘッドライトを点けた状態の、周りの情景が照らされた反射光による薄暗い状況で、装着作業は迷う事なく短時間で完了しました。パッケージを開封すると、シャワーキャップのオバケの様なオートソック本体が二つと、肘までカバーする細長くて薄いビニール製の手袋が入っています。重作業であれば簡単に破けそうな手袋ですが、オートソック装着は簡単だったので、特に破ける事も無く役目を果たしました(但し、ダウンジャケットを着た太い腕では手首までしかカバー出来ませんでしたが)。 新品のオートソックの装着は正にシャワーキャップを被せる容易さでした。まずタイヤの上2/3の領域にオートソックを被せて、そのままクルマを少し前進させてタイヤを半回転させ、上側に来た未装着部分に残りのオートソックを被せればお仕舞いです。装着だけの所用時間は両輪で2〜3分程度でしょうか。説明書には走っている間に自動的にセンタリングされるとありましたので、中心が少々ずれていても構わず走り出しました。 走り出した最初の道は全面圧雪凍結路の登り坂でしたが、クルマは呆気なく、何事も無く走り出しました。オートソック装着前後で乗り心地も音も変わりません。ただトラクションだけが増した感じです。その後は安心感と共に真白な世界の奥深くへ入って行き、写真撮影を楽しみましたが、その過程で色々とテストもしてみました。 まずは鏡面の様にツルツルに凍った登り坂の凍結路です。ここにクルマを停めて降りたら、私の方はその場でコケそうになりましたが(^^;、ノーマルタイヤでは絶対に発進不可能なこの状況からでも、クルマは全くスリップすることなく発進しました(ATはスノーモードでの発進)。 また細い山道を入って行った際に、除雪が途切れた場所でUターンを余儀なくされました。その場所にはSUVがUターンした際に出来たと思われる積雪20〜25cmぐらいの小さなスペースがあって、そこに最低地上高130mmの私の車を恐る恐る突っ込みましたが、多少スリップしただけで無事脱出も出来ました。 それ以外の道でも、雪道ならではの発進、加速をする限り、トラクション(駆動力)には何ら不安を覚えることなく走る事が出来ました。特に乗り心地が全く変わらないのが素晴らしく、金属チェーンを履いたクルマが20〜30km/hという極低速で走っている中をこちらは40〜50km/hで不安&不快感なく走る事が出来、あまりやってはいけない事ですが広い場所では追い越しも可能でした、、(^^;。
![]() まごう事無きタダの布ですが、見掛けによらない性能を出します。 欠点や注意点も多少あります 一見良い事ずくめのオートソックですが、勿論欠点や注意すべき点も見受けられました。 まずタイヤから取り外すのはさほど簡単ではありませんでした。装着がとても容易だっただけに、取り外す際には「えっ!?」と思う事受け合いです(笑)。雪道を走ったオートソックは濡れていますが、布なので恐らく濡れると縮むのではないかと思います。タイヤにしっかり嵌まっていて、シャワーキャップを外す感覚でいるとびくともしません。正しい外し方は、裏側の部分を多少引き起こした状態でオレンジのナイロン紐を思いきり引っ張り、これを何度か繰り返しながら上側から外して行きます。女性だと両手で全身の力を込めないと辛いかも知れませんし、手が少し痛いでしょう。万一外れた瞬間に身体が後によろけても良い空間を確保して作業する事をお勧めします。またこの作業をすると、付属の簡単なビニール手袋は破けますので、手の怪我を防ぐ為にも軍手も準備した方が良いかも知れません。 このオートソックは寿命が来るまで何度でも再利用可能ですが、一度濡れて縮まったオートソックの装着は新品時ほどには簡単ではないかも知れません(未確認)。 注意書きにある、舗装路を走るな、というのも気を使います。舗装路面では布を著しく傷つけて寿命が短くなるのがその理由とされていますが、いつまた凍結路、圧雪路が現れるか分りませんので、どうしても有る程度は舗装路を走らざるを得ません。取り外しが簡単ならそれでも頻繁に付け外しを繰り返す事をお勧めするのですが.. 私は路面が露出した道では轍を避けて、轍以外のところに残る雪の上を走るようにはしましたが、しないよりマシという程度でしょうか。ただ乾いた舗装路だと本当に寿命を縮めそうなので、長く使いたいのであれば面倒がらずに外した方が良いかも知れません。 また注意書きには如何なる場合でも50km/h以下で走行しろと書いてあります。この速度制限は雪道の上ならあまり問題になりませんが、路面の良い場所、特に雪の無くなった舗装路では辛いです。状況としては雪道が終わってオートソックを外す場所を探すような状況で、路面状況の改善と共に周りのクルマの速度が自ずと上がってきます。こちらもノーマルタイヤと全く変わらない乗り心地なので、つい速度を上げがちになりますので、50km/hを守るのに気を使いました。 最後の注意点はオートソックに限らず全タイヤチェーン共通の事ですが、ブレーキングです。オートソックを装着して全面凍結路を走り出して、登り坂が長い下り坂に変わった時に、前後にクルマがいない事を確認してからブレーキ性能とクルマの挙動を確認する為に通常程度のブレーキングをしました(初物は安全な場所で挙動を確認しておくのも、安全の為の大切な習慣です)。すると、、ABSが作動する間もなく後輪が大きく横滑りして、クルマはほぼ横向きになってしまいました。 FF車の場合は駆動輪である前輪にチェーンを付ける事になりますが、これでブレーキングすると前輪はきちんとグリップしても、後輪は全くグリップしません。むしろ前輪がグリップする分、後輪は却って横滑りしやすくなります。この時は前後にクルマが無くて慌てて止まる必要も無かったので、大きなカウンターステアとアクセルワークで楽しみながら立て直しましたが、緩やかなスキーのジャンプ台の様な長い下り坂で、クルマをほぼ真横にしながら滑り落ちて行くサマは、クルマや障害物があって止まらなければならない状況だったら相当な恐怖だったと思います。タイヤチェーンを駆動輪だけに装着するという習慣は昔から疑問に思っていましたが、この経験からすると予算が許せば四輪に装着した方が安心出来ると思います。スタッドレスタイヤを駆動輪だけに装着する人もいませんしね。オートソックは布製ですから原理的にグリップの方向性が無く、横滑りに対しても有効な筈です(はしごチェーンだと効果薄いですけど)。 そうは言いつつ、現実には(FF車の場合)前二輪だけの装着でしょうから、特に下り坂では車間距離を十二分に取って走りましょう。
![]() 芸北撮影行で合計40〜50kmぐらいの雪道と、雪交じりの濡れた舗装路を走ったオートソックは、表面がかなり毛羽立っているものの黒い下地は見えておらずまだ使えそうでした。トヨタのホームページには雪上150kmぐらいの寿命とありますので、もう一回ぐらいは使えそうです。布製故に使った後はビショビショに濡れていますので、そのままか、あるいは軽く洗ってから乾かして再利用するのが良いでしょう。 またタイヤから外して濡れたオートソックをクルマの荷室に置く際に他を濡らさない様にスーパー等のレジ袋があると便利です。オートソックを買ったら、レジ袋を2袋と軍手を一組。これを忘れずに! |