画像をクリックすると拡大されます
3月中旬に満開を迎えるイズモコバイモのシーズンも間近なので、今年撮影に行かれる方の参考になればと、2019年に撮影した写真を何枚か掲載しました。
とは言え、これらの写真は普通の撮り方ではなく、全て二重露出をしています。KENが多用する二重露出は、普通の写真をアンダー目に撮影した後、ピントリングを近接側に回してボケを作り、淡く重ねるという物。それによってソフトでファンタジックな映像を後処理無しで得ることが出来ます。後処理の出来ないポジフィルム時代に開発した方法で、二重露出のポジ作品が何度かフォトコンで入賞しました。この二重露出はデジタルの場合「加算」になります。
最初の3枚は、撮影している情景と同じ場所のボケを淡く重ねた物です。
EOS 6D, SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM, f/2.8, 1/640s, ISO 100、二重露出
これは二回目の露出を極めて淡くしているので、二重露出らしさを感じさせない、けれど何となく柔らかい写真になっています。
EOS 6D, SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM, f/2.8, 1/320s, ISO 100, 二重露出
花三輪が同じピント面に咲いていたので、可愛らしく捉えてみました。
EOS 6D, SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM, f/2.8, 1/160s, ISO 100, 二重露出
二回目の露出が少し多めになると、この様に空気の中に溶け込んだような絵が出来上がります。
ここからの5枚は、先ず最初に暗い背景の写真をアンダー目に撮影してから、二回目に色を重ねた写真。デジタル写真はポジフィルムと一緒で、未露光の真っ黒(#000000)な状態から光をあてて、真っ白(#FFFFFF)に至る迄の途中の色合いで映像を作ります。だから黒い部分を更に露光すると、二回目の色がそのまま乗ることになります。一方で白い部分に新たな色は乗りません。この手法で、現実には無いグリーンの空間に咲くイズモコバイモを表現しました。
EOS 6D, SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM, f/2.8, 1/40s, ISO 100, 二重露出
EOS 6D, SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM, f/2.8, 1/100s, ISO 100, 二重露出
上の2枚の写真に重ねたグリーンは何か?と種明かしをすると、イズモコバイモの説明をされていたボランティアの人が着用していた、蛍光グリーンのジャケットです。一枚目の左側が少し赤くなっているのは、縦位置でボケを重ねた時に、下半身のズボンの色が写り込んだ物です。
EOS 6D, SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM, f/2.8, 1/2000s, ISO 100, 二重露出
EOS 6D, SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM, f/2.8, 1/800s, ISO 100, 二重露出
EOS 6D, SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM, f/2.8, 1/1250s, ISO 100, 二重露出
最後の3枚に重ねたグリーンは、自生地に立てられていた「イズモコバイモ自生地」の緑色の幟です。ボランティアの方が違うところに移動されたので、代わりのグリーンを探して重ねました。少し落ち着いたグリーンの幟なので、落ち着いた色合いに仕上がりました。
イズモコバイモは雑然とした場所に咲く花なので、背景整理、画面整理が極めて難しく、普通に撮影しても見栄えのしない写真になりがちです。花が持っている可愛らしさを表現したくて、KENの持っている知識をフル動員。皆さんも色々と挑戦してみて下さい。
2021年2月17日
|