画像をクリックすると拡大されます
2018年の初訪問以来、島根県邑智郡川本町谷戸(たんど)の自生地に毎年通って撮っているイズモコバイモです。雑然とした場所に咲く小さな花を如何に綺麗に、整理された背景で撮るか、、で毎年試行錯誤。今年は私の定番「マクロアポランター」に加えて、大口径単焦点レンズにクローズアップレンズを付けて撮影しました。それも三種類!。マクロアポランターでも到達出来ない幻想的な世界をご堪能下さい。撮影日は2025年3月25日です。
Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL
最初は私の定番レンズ、マクロアポランター125mm F2.5SLの作品です。二重露出も多用して幻想的な写真を目指しています。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/200s, ISO 200, C-PL
先ずは、孤独に咲いていた一輪を、木漏れ日の丸ボケを背後に置いて優しいイメージで。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/250s, ISO 200, C-PL, 二重露出
仲良く咲いていた二輪を、二重露出で華やかな空間に配置してみました。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/60s, ISO 200, C-PL, 二重露出
手前の花を追いかけるような一輪。メルヘンチックなソフトな空間に咲かせてみました。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/320s, ISO 200, C-PL, 二重露出
この花は、左側の小さな葉っぱと対話しているようでした。
Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + Kenko AC Close-up No.3
往年のポートレートレンズの定番、プラナー85mm F1.4にケンコーのACクローズアップレンズ No.3(焦点距離330mm)を装着。この組み合わせのレンズスペックは 68mm F1.1になり、撮影倍率は0.25-0.38倍。通常のレンズでは到達できない浅い被写界深度の写真になります。なお、プラナー開放ではピントの芯が出にくいので、全てF2で撮影。これでも合成F値はF1.5なので、マクロレンズとはひと味違います。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + AC Close-up No.3, F/2.0, 1/640s, ISO 200, C-PL
暗い背景でシンプルに。ソフトに滲んだ感じの描写がクローズアップレンズならでは。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + AC Close-up No.3, F/2.0, 1/500s, ISO 200
仲の良い二輪、ボケと滲みに囲まれた不思議な世界。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + AC Close-up No.3, F/2.0, 1/800s, ISO 200
一輪を定番のアングルから。ソフトな滲みがあるので、通常露出でも二重露出した写真の様です。
Tamron SP180mm F/2.5 LD + SIGMA AML72-01
SIGMA AML72-01はシグマ製のアクロマート・クローズアップレンズで、焦点距離は約660mm、ディオプターにすると1.5。これはお勧めのクローズアップレンズで、大人しいスペックで2枚玉なので、マスターレンズの描写を殆ど崩さずに最短撮影距離を縮めることが出来ます。往年の手作り名レンズ・タムロンSP180mm F2.5LDとの組み合わせのレンズスペックは141mm F2.0、撮影倍率0.25-0.44倍となります。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD + SIGMA AML72-01, F/2.5, 1/500s, ISO 200, 二重露出
通常のマクロレンズの様に二重露出で、徹底的にソフトにメルヘンチックに。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD + SIGMA AML72-01, F/2.5, 1/250s, ISO 200, 二重露出
下の草と対話しているかのような一輪。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD + SIGMA AML72-01, F/2.5, 1/400s, ISO 200, 二重露出
浅い被写界深度、大きなボケで、おとぎ話の世界。
Tamron SP180mm F/2.5 LD + NiSi Close Up Lens NC Kit 77mm
NiSi Close Up Lens NC Kit 77mm は、焦点距離300mmで、異常分散ガラスを用いた2枚玉のクローズアップレンズ。メーカーではアポクロマートを謳っているクローズアップレンズの最高峰です。口径は77mmですが、72mm, 67mmのステップアップリングと豪華なケースが付属して販売されています。タムロンSP180mm F2.5LDとの組み合わせのレンズスペックは110mm F1.5、撮影倍率0.60-0.78倍という極めて狭い範囲の撮影しか出来ません。その撮影難易度は桁違いで、被写界深度はゼロコンマ数ミリのレベル。イズモコバイモの様な小さな花でさえ、ピントは花びらの手前か、エッヂか、奥か、、を考えなければならないほど被写界深度が浅いです。それだけに、得られる画像も他のレンズには無い幻想的なものになります。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD + NiSi Close Up Lens NC Kit 77mm, F/3.2, 1/640s, ISO 200
雑然とした所に咲く花も、このレンズの手に掛かれば、宇宙空間に浮かぶ幻想的な物体に化けてしまいます。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD + NiSi Close Up Lens NC Kit 77mm, F/3.2, 1/400s, ISO 200
イズモコバイモの後ろ姿。浅い被写界深度ながらアングルを工夫して、ピントの遭う範囲を広くしたので比較的落ち着いた写真になっています。それでも蕩けるようなボケ空間で、幻想的な写真になっていると思います。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD + NiSi Close Up Lens NC Kit 77mm, F/3.2, 1/200s, ISO 200
花一輪を幻想的に。下にわずかに覗く赤い色が夜のイメージ。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD + NiSi Close Up Lens NC Kit 77mm, F/2.5, 1/500s, ISO 200
仲の良い二輪も、幻想空間に佇む。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD + NiSi Close Up Lens NC Kit 77mm, F/2.5, 1/1000s, ISO 200
暗闇に光って浮かぶ姿に色気を感じますね。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD + NiSi Close Up Lens NC Kit 77mm, F/3.2, 1/400s, ISO 200, 二重露出
最後は、この難しいレンズで二重露出。限りなく心象的で幻想的な世界。
2025年5月15日
|