古いカメラ、新しいカメラ
KENのつぶやき vol. 4 (2000.1.5)
先日、ジャンク大帝の掲示板の常連さんから知識を仕入れて、オリンパスPEN FVのファインダー部分の分解清掃をしました。ファインダー内にカビがあったので、それを清掃したのです。それでいくつか驚いた事があります。別に金属ボディに驚いたわけではありません。最初に驚いたのは部品を留めるビス。プラスあり、マイナスあり、サイズもまちまちで、手持ちの精密ドライバー総出演で分解作業することになりました。EOSなら00番のプラスドライバー一本あれば全て事足ります。次に驚いたのがボディの構造です。まるで精密な組み木細工の様なのです。EOSはボディシェルに様々な部品が部品単位で組み付けられていますが、PEN FVは機能単位でブロックを形成していて、ネジ数本でそのブロックが分離するのです。とりわけ感激したのがセルフタイマーブロック。ギアとゼンマイで組み上げられた小さなカラクリ箱の様なブロックが、1.2mm径ぐらいの小さなビス一本外すだけで外れてしまう。組み付けるときも同じで、別に手で位置決めしなくてもダイカストのボディシェルにブロックがピッタリとはまり、頼りないビス一本絞めると、しっかりと固定されてしまいます。その様(サマ)はまるで芸術品のようで、逆に言えば非効率な手作業でないと組み付け不可能。一方EOSはドライバー一本ですべての分解が可能で、大量生産型。PEN Fシリーズは1963年発売ですから、基本設計から既に37年以上も経っています。EOSとの30年以上の時間の隔たりを感じた一日でした。
こんな古き良き時代のカメラの分解修理を趣味としたら、どっぷり填まってしまう気がします。ジャンク大帝掲示板の常連さんの中には1000台以上のジャンクカメラを直しておられる方がいると聞いていますが、その気持ちが分る気がしてきました。
PEN FVのファインダーは無事に綺麗になり、快適なファインダーで撮影できるようになりました。
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