植物園にある温室は花撮影の宝庫です。様々な美しい花が有るだけではなく、温室は普通の室内とは違って天井から外の光が降り注ぎます。ですから光を活かした撮影が可能です。加えて温室は周りをガラスの壁で仕切られているために風が無く、花が揺れませんのでマクロ撮影でのピント合せが楽です。必要に応じて長時間露出も可能になります。屋外の花マクロ撮影で長時間露出というのはまず不可能ですが、温室ではそれが可能になります。更に、雨天のときでも温室なら雨にぬれることなく撮影が可能です。
...というのが温室の一般常識。ところがこんな常識を持って温室撮影に臨むと期待を裏切られる温室もあります。
まずは広島市植物園の大温室。11月のHOP撮影会があいにくの雨となり、急遽場所を植物園に変更しました。そして入った大温室、てっきり雨をしのげると思ったら、天井からポタポタ水滴が落ちてきます。良く見ると床には碁盤の目の形に濡れた場所がありました。そう、天井のガラスの縁から雨漏りしていたのです。その碁盤の目の間隔は約1m。私たちはカメラを濡らさないようにハンカチ、タオルなどで保護しながら撮影を続けました。床の碁盤の目の位置を見ながら水滴の落ちてこない所にカメラを設置すると、ファインダーを覗くカメラマンは必然的に碁盤の目の上に身体を置くことになり、頭の上、背中の中などに水滴攻撃を受けて冷たい思いをしました。雨の日にはタオルと雨ガッパが必要かも....
次にしまなみ海道、因島にある因島フラワーセンターの温室。ここで撮影をしようとカメラを構えてみると、ファインダーの中で花や葉が揺れています。「あれ、花のどこかに身体が触れたか」と思い、揺れの収まるのを待ってみたのですが、揺れが止まりません。不思議に思って状況を観察すると、風が吹いているのです。温室の中に....そして辺りを見回すと、扇風機が! なんとこの温室の天井や壁には扇風機が設置されていました。
因島フラワーセンターの温室は、花マクロ撮影には不向きです。 |