こう言っても誰も信用しないかも知れませんが、私にカメラの収集癖はありません。ほとんどの場合、EOS一台だけで撮影は事足ります。ですから今後EOSを買い足すつもりも殆どありません。
私が最初に買ったEOSは中古のKissでした。多機能で廉価なので、最初に買うAFカメラとしては理想的だと思ったのです。当初の目論見通り、わたしはKissを使うことで自分の必要な機能というものが分ってきました。絞り優先AE、露出補正のしやすさ、ちゃんと1コマ目から撮影すること(Kissはプリワインドと言って、最初にフィルムを全部巻き上げ、最後のコマから撮影します)、シャッター作動時のファインダー消失時間の短さ、出来れば大きくて明るいファインダー、縦位置シャッターなどです。勿論出来るだけ安く...
そして次に買ったのが新品のEOS55でした。縦位置シャッター用にバッテリーパックも装着しました。Kissの経験から、自分の欲しいものが分っていましたので、EOS55は実に満足すべきカメラです。不満は殆どありません。敢えて言うなら安っぽい作りと100%ではないファンダー視野率が不満ですが(ポジの隅に余計なものが写っていることが多い)、これはフラッグシップEOS1Nを買わないと解決しないので、まあ仕方ないかと...と言うわけで、これ迄殆ど何の不満もなく、EOS55で36枚撮りで200本近いフィルムを撮影しています。
一方で、最初の娘のカメラはEOS630です。EOS600シリーズの最高性能機で、結構機能も多く、娘自身が非常に気に入っているカメラです。特にモードラの速さは感激ものです。保証付きで中古購入した直後にシャッター不良と液晶不良が発覚し、新品部品交換となったために、動作も極めて快調です。敢えて不満を挙るなら、露出補正のやりにくさと、ケーブルレリーズを付けたときにグリップから直角にコードが伸びてしまうために、グリップが握れなくなることです。後者はEOS1、1N、5にも共通する欠点です。
いまにして思えば、新品にせよ、中古にせよまともな値段で買ったEOSはこの3台だけです。
そして、運命の転機は3000円のEOS650を見つけたときに訪れました。サブボディが欲しいと思っていた私はシャッター不良のこのカメラをダメモトで購入して、シャッター清掃したところ、650は見事に使えるカメラとなりました。これでジャンクEOSに味をしめた私は、ジャンクEOSがあるとまた買ってみたくなりました。その後何台かのジャンクEOSを見つけて購入したのですが、その中にわずか300円で購入したEOS100がありました。これはスイッチが壊れていて全く動かないものでしたが、キヤノンから部品を取り寄せて直しました。そして使ってみると、EOS55に匹敵する高性能なカメラである事がわかり嬉しくなりました。EOS55から視線入力、三点AF測距点、ストロボの全速同調を除いたものがEOS100と言えます。視線入力がない分、中央の測距点によるAFはEOS55よりも速い気がします。EOS55同様に背面電子サブダイヤルによる一瞬で出来る露出補正は、使いなれたら放せないものです。かくしてEOS100は娘のメインカメラとなり、EOS630に対する小さな不満も解消されることになりました。
最後のとどめはEOS3ジャンクとの出合いです。メーカー修理不能と断り書きがある落下故障品を5000円で購入し、自分で分解修理してみたところ、全て正常に動作するようになりました。その状態でメーカー修理に出し破損部品を交換してもらったら、完ぺきなEOS3として戻ってきました。かくして私のメインカメラはEOS3になり、EOS55の小さな不満〜安っぽい作り、視野率の低さ〜が殆ど解消されました。唯一の不満は縦位置シャッター欲しさにパワーブースターを付けると、重くなりすぎることでしょうか(1.5kg)。
気づいてみたらジャンクカメラで、不満の無い撮影生活をおくるKEN&Clara親子は、幸せ者かもしれません(笑)。
これらジャンクEOSの修理記はジャンク大帝というホームページに掲載されています。
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