ピンホールレンズを購入した翌日、EF50mmレンズとピンホールレンズ、三脚にケーブルレリーズを持ってテスト撮影に出かけました。その日の天気は晴れ。で、近くの神社に行き、まず建物を撮影してみました。フィルムはフジカラー・トレビ。ISO100は私にとっては高感度フィルムです(笑)。50mm標準レンズをつけてF8にして露出を計ると、+0.5補正(これがEOSの適正露出)で1/60秒と出ました。で、頭の中で計算して...え、15秒...(^^; なんと晴天日中でも15秒という長時間露出になってしまいました。ホントかなぁ〜?と思いながら、一応段階露出も...テスト撮影ですから...すると、10秒、15秒、20秒というのんびりとした撮影になりました。次は木陰の方にカメラを向けて露出を計ると、1/15秒....おおぉ!、60秒かぁ。段階露出をすると...45秒、60秒、90秒...なんとのんびりした撮影なのでしょう。
夕刻になって三滝寺の方に行くと綺麗な景色...で、露出を計ると1/8秒...キャイ〜ン!120秒!。段階露出はぁ、90秒、120秒、180秒っと...、三カットで構図決めなど合わせて10分近くもかかってしまいました。180秒の露出は時計を見ながらバルブ露出。まるでカップラーメンを待っている気分でした(笑)
薄暗い滝は...1秒(^^;;;;;;....1000秒って、15分以上??...パス!
さて、ポジの現像が出来上がってきて....
露出の結果は...ポジでも十分に使える物でした。但し1分を超えるような撮影では相反則不規の影響で、やはり+1ぐらいの補正をした方が良いみたいです(といことは2分以上の撮影になりますが)。また、フジのリバーサルフィルムは、長時間露光の時にR(赤)系フィルターを使うようにとの指示があります。それを裏づけるように、3分ぐらい露出したカットは、すこし青みがかっていました。それらの問題はありますが、F8測定1000倍露光という方法で、十分にポジでも使える露出が得られます。
描写の結果は、少しシャープにすぎるか?(笑)
スリーブを見たときには少し驚きました。ピンホールとは思えないほど細部が描写されていて、普通のレンズで撮影したコマとあまり見分けがつかないのです。しかしルーペで見るとやはりピンホール。全体にソフトにボケた、それでいてボケの度合いが全画面一定(パンフォーカス)という特徴的な描写が得られました。
但し、この描写を活かす被写体は探すのが難しそうです。下手な被写体を撮ると、単なるピンボケ写真にしか見えません(笑)
周辺光量低下などの性能は、さすがメーカー製、全く感じられません。ピンホールレンズには原理的に歪曲収差がありませんので、描写は実に素直です。
説明書のもう一つの注意点に、逆光で撮影するな!(ピンホール部分の光の回折で、強烈なフレアが出る)というのがありました。しかし、美しい景色は逆光が多い...ということで、逆光の景色も撮影しておきました。結果は、説明書どおり見事にフレアが出ていました(笑)。しかし中には見事に撮れているカットもありました。そのカットは手でレンズ部分に直接太陽光が当たらないようにハレ切りしたのです(これを1〜3分間続ける苦労を想像してね(笑))。そうすれば逆光も何とかなりました。このレンズにはフードがありませんが、フードを付ければ太陽光が脇から当たるような半逆光の撮影に役立ちそうです。
さて、ちょっと使ってみてのピンホールレンズの感想。
おもしろい!
のんびりしている!(根気がいる)
被写体を選ぶ!
電子シャッターカメラの場合、電池消耗が心配!
合い言葉は、F8で1000倍!
プラス補正を忘れずに!
|