HOP(広島お気軽写真クラブ)の9月の撮影会の帰り道に、キタムラ某店に立ち寄りました。HOPの撮影会帰りにはキタムラに寄るのが「習わし」で、そこで誰かがきっと中古を購入するのが「ジンクス」です(笑)。普段はHOPで一番カメラ持ちのYがジンクス達成に貢献するのですが、今回はYが欠席だった為、ジンクス達成はなんと私自身がすることになりました。
滅多に訪れないキタムラ某店の中古ショーウィンドウに、ミノルタSRTー101と50mmF1.7の組み合わせで3980円というのを見つけました。触ってみると、ファインダー内が少し汚れている物の、取り敢えずちゃんと動きます。しかしミノルタMD系には全く興味のない私は、HOP関係の某女史にでも教えようかと思いつつ、購入はもちろんパス。そのSRTー101の前に、古そうな金属性のレンジファインダー式カメラがありました。アルミ打ち出しのレンズキャップにはPETRIと描いてありました。ペトリは中学時代の同級生がV6を持っていて何度も触らせてもらった想い出があるので、懐かしい気分になりました。このPETRIの値段は2980円也。この値段ならどうせカビだらけのジャンクだろうと思って、触らしてもらいました。と、ところが、ファインダーを覗くととても綺麗!ファインダー中央部にある距離計像もクリアに見えて、二重像にもズレがありません。取り敢えず遠方を狙って距離計の無限遠チェック....異状なし! 最短撮影距離での距離計チェック...異常があるようには思えず! 次いでレンズを覗くと、これも綺麗! シャッターをバルブにして、裏からレンズを覗くために裏蓋を開けると、カメラ内部も綺麗! おまけにモルトが交換してある! フィルムスプロケット(フィルム送り用のギア)は、見た目はアルミ無垢の削り出し! で、問題のレンズですが、幾つかの細かい埃はあるものの、カビ、目だった傷もなく綺麗な物でした。絞りを作動させると、9枚もある絞り羽が綺麗な円形を保ったまま絞り込まれます(おおお! っと心の中で声をあげるKEN。円形絞りには弱いのだ(笑))。最後にシャッターを作動させますが、全ての速度でちゃんと作動!!! これはすごいなぁ.....外観には極小の経年腐食がありますが、全体的にはとても綺麗なカメラです。
かねてから、安いレンジファインダーカメラがあれば欲しいなぁと思っていた私の事ですから、当然、即購入しました.....と、思われた方は甘いッ!つぶやきNo.1で書いたように金銭感覚が逆マヒしているKENは、EOS3相場が5000円というとんでもない金銭感覚を持っています。古い、高級でもないカメラに3000円は高い!やっぱり800円だよな!
しかし、応対してくれていた店員は知的そうな若い女性だし(^。^)、ジャンクカメラではないし、程度は上物。さすがにジャンク価格では申し訳ないかな?と感じて、女性に弱いKENは小さな声で「2000円になりませんか?2000円なら買います....」と店員に囁きました。店員はさっそく店長の所に行き、交渉2秒、OKのサインが出て、私のところに戻ってきました。かくして私は2100円を女性店員に支払い、キタムラポイントカードに20点が加算され、ずっしりとした重みのあるPETRIを手にしたのです。(キタムラの中古は必ず値切りましょうね!)
帰宅して色々と触ってみると、更に新しい発見がありました。フィルムカウンターが巻き上げレバー上部にあるのですが、これが裏蓋を開けても戻らない!で、色々試すと、手動で戻す構造の様です。フィルムを入れる前(!)にカウンターをSに戻さないと、枚数が判らなくなるしくみでした(これは楽しい!)
ストラップ用の三角環をつける台座はありましたが、肝心の三角環とストラップがありません。それで手持ちの三角環と古い革製のオリンパスのストラップを付けると、如何にも昔のカメラ!という風情になりました。セルフタイマーを操作すると....シャッターが切れなくなりました(汗)。セルフタイマーの復元力が弱まって動かないようでした。しかし手で力ずくでレバーを元のところに戻せば、シャッターが切れるようになりました(ホッ)。
このPETRIの事をメーカー名以外は何も知らなかったので、頼みの綱のHOP関係者にメールを発信しました。カメラの見える範囲の詳細を以下のように添付して...
ボディプレートに書いてある文字は
PETRI 2.8
Color Corrected Super
Kuribayashi Camera Industry.inc Japan
レンズに書いてある文字は
A.C. Petri Orikkor 1:2.8 f=4.5cm No.199318
Kuribayashi
金属性のレンジファインダーカメラです。絞りは2.8-22、シャッターはB,
1, 2, 5, 10, 25, 50, 100, 250, 500。絞り羽9枚。
(訂正:後で数え直したら、絞りは10枚羽でした。)
さすがはHOP関係者。この人たちにかかれば、カメラのことで判らないことなど何もありません。さっそく以下のような情報を頂きました。
KENさんがGet されたカメラは発売当時
比較的安価だった 「ペトリ35」 じゃないかと思います。
ボディの前面、向かって左側下に
「Petri 2.8 COLOR CORRECTED SUPER」
の文字が在れば、たぶん間違いないと思います。
当時 「グリーン・オ・マチック」 の名で親しまれてしたとか。
更に、たまたまYAHOOオークションに全く同じカメラが出品されていたので、その画像アドレスを送付したら、以下の情報が帰ってきました。(ちなみにYAHOOに出品されていた物は、カビだらけ完全不動ジャンクで、それでも4000円以上の価格で落札された模様です)。
この画像のブツは間違いなく 「グリーン・オ・マチック」、ペトリ35ですね。
ペトリ35は1955年にデビューして、翌年
’56年には F3.5から
F2.8、シャッターの最高速が1/300秒に引き上げられたモデルが登場となりました
。KENさんがGETされたペトリ35は1958年に採光式ブライトフレームを採用した一番有名なモデルです。愛称の「グリーン・オ・マチック」という名は、距離計と採光式ブライトフレームを覆う窓にグリーンのガラスを採用したことからついたものです。
正式な名前ではありませんが、’55年〜のそれまでのモデルと区別するために長年ファンの間では親しまれてきた愛称です。
私はこの情報にとても嬉しくなりました。なんとなんと、発売年が私の誕生年と一緒!私と同い年!!!これでこのPETRIに対する愛着は深いふか〜い物になりました。
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