月曜の朝8時から続いた地獄のような研修も、金曜日の午後3時に終わりました。その後で有志で夕食に出掛けようという話が持ち上がりました。月曜日から金曜の3時までは(ウェルカムパーティのあった火曜日の晩を除いて)ホテルの外に出ることが全く無かったので、アフリカらしい所に行こう!と言うことになりました。とは言えこの一連の会話は南アフリカなまりの英語の分からない私にとってはよく聞き取れません。「ま、どこでもいいや、アフリカを感じられるなら...」と思いつつ、私は誘われるままに仲間について行きました。
行き先はプレトリアから南にクルマで1時間(高速道路を130kmぐらいで走りますので100km以上はなれた場所です)ほどの所。場所の名前は忘れましたが「アイヌ村」のアフリカ版とでも言いましょうか、アフリカ原住民族のひとつ(何族かは聞けませんでした)が運営する観光施設で、全体を3部構成にしたエンターティンメントが用意されていました。
まず最初はその部族の生活風景の見学です。メガネをかけた酋長が出てきて、カタコト英語(この方が南アフリカなまりの流ちょうな(?)英語よりは聞きやすいです)とその部族の言葉であれこれ説明しながら、さまざまな建物、居住空間、そして日々の営み(脱穀など)を見せてくれました。その時の写真の方は既に日没後のノーストロボ撮影(1枚目を除く)なので、かなり青く発色されています。
第二部はその部族の踊りの披露です。大きなホールの様な所に連れて行かれ、そこで部族のさまざまな踊りを見せてくれました。踊りは男性、女性、子供などそれぞれ多彩で、いずれも非常に激しい動きを伴ったものでした。生憎私は会場に遅れて入ったので座った場所が正面ではなく脇の方になっていまい、撮影アングルとしてはあまり恵まれない場所でした。また場内はとても暗く、F2.8で1〜1.5秒のシャッタースピードが必要でした。ここは普通にストロボ撮影すると背景真っ暗な写真になりますので、手持ちブレブレ覚悟でスローシンクロ撮影することにしました。照明は松明と裸電球なので、上記の写真とは打って変わりとても暖かい色の写真になっています。
第三部は食事です。生憎フィルムを使い切ってしまいこの場面の写真はありません。アフリカ伝統(というかその部族伝統)の食事をバイキング形式で食べさせてくれました。肉料理だけでも、牛、豚、鶏、ラムに加えて、ダチョウ、インパラ、クロコダイル(ワニ)と多彩でした。これらすべてを食べてみましたが、感想は
ダチョウ;少し筋っぽい牛肉という感じで、食感は鯨肉と牛肉の中間の様なもの。
インパラ;独特の臭いがある。食感は牛肉の固いものと言う感じ。
クロコダイル;これは美味。鶏肉と豚肉の中間の比較的さっぱりした味。
現在欧州では狂牛病の蔓延で牛肉が敬遠され、代わりにクロコダイルとかダチョウの肉が流行っているようです。それらも南アフリカから輸入されているとか。とりわけクロコダイルは見かけによらず美味ですのでお試しあれ...(って、日本ではどこで食べられるのでしょうね?珍味を扱う居酒屋などに有りそうですが)。
さて、この3時間ほどの経験は満足度の高いものでした。アフリカ原住民族の施設にしてはトイレ(綺麗な水洗)、通路(要所は舗装済み)、照明(森の中の通路でも夜間照明完備)などの付属設備が近代的で整っていたのが驚きでも有り、ちょっと興ざめな部分でもありますが、いかにも「アフリカ」という印象を少なからず感じることが出来ました。これで235ランド(約3800円ほど)なので、日本人にとってはお安い観光施設でしょう。
この施設を去る直前に、駐車場で南の空を見上げて、南十字星を教えてもらいました。日本では決して見ることの出来ない南十字星、形はカラス座(つぶやき63をご覧下さい)などと殆ど変わりませんが、とにかく見ることが出来たので感激でした。南アフリカからオリオン座などもよく見えますが、日本で見るオリオン座とは上下逆さまであることを付け加えておきましょう(笑)。つまりオリオン大星雲は三ツ星の右上にあります。更に太陽や月は東の空から登り、時計と逆まわりに北の空に向かい、西の空に沈みます。これも日本と逆まわりですね。 |