広島県三次市の北に位置する双三群君田村(2005年4月に三次市に合併されて、現在は「広島県三次市君田町」に変わっています)。ここは中国地方有数のヒマワリの名所です。今まで大集団のヒマワリの撮影をしたことが無い私は、君田村にヒマワリ撮影に出掛けました。最初は7月22日に出掛けたのですが、時期がまだ早すぎて、ヒマワリ畑は99%が蕾のまま。花は殆ど咲いていませんでした。その情景を見て私は「あと2〜3週間かな?」と思ったのですが、しかしそれから4日後の中国新聞には「君田村でヒマワリが満開」の記事が一面に掲載されました。ヒマワリは一斉に咲き出すようです。それで翌週の7月29日にヒマワリ撮影再挑戦となりました。
君田村への道順ですが、三次市内から県道39号をクルマで北上すれば10分ほどで到着します。標識も完備しているので、迷うことは無いでしょう。三次から国道54号を北上して布野から右折するルートもありますが、広島方面(南側)から行くのであればかなり遠回りで、かつ道路工事中の場所もあり、お勧めしません。
なお君田村付近のYahoo地図はこちらです。
ヒマワリ畑は君田村全域に点在していますが、写真撮影に向いているのは藤兼地区(君田村の最南端)だけでしょう。それ以外の場所の畑は、面積が広くなく、花の密度もまばらで、そして何より駐車場が無いために撮影に向きません。
花の密度、面積、駐車場の三拍子が揃った藤兼地区のヒマワリ畑は、三次から県道39号線を北上し、峠を越えて「君田村」の看板を見るとすぐに左手下方に見えてきます。峠の坂道を下り切ったところの小さな交差点を左に曲がり(シーズン中はヒマワリの標識があります)、川を渡ると駐車場の標識があります。
7月29日は家を出たのが朝4時過ぎ。藤兼地区のヒマワリ畑の駐車場に着いたのが5時半少し前。既に明るくなっていましたが、朝霧の残る早朝です。私が一番乗りかと思いきや、この時間で既にカメラの放列がヒマワリ畑に向かって出来ていました。その放列に向かって歩いて行くと、見事なまでの広大なヒマワリ畑が私を迎えてくれました。新聞記事によれば50万本のヒマワリです。それが文字どおり満開でした。
常連と思われるカメラマンは、皆さん脚立ととても背の高い三脚を用意していました。そう、ヒマワリはとても背が高いのです。2m以上はあるでしょうか?幸い藤兼地区の畑は、道路から1mぐらい下がった場所にありますので、立ち姿勢のポジションでも、ヒマワリ畑を見渡すことは出来ます。しかしそこから50cm高い位置から覗けば、全く違う表情をヒマワリ畑は見せてくれます...脚立を持っていない私は、現場では確認できなかったのですが、その後でパンフレットに使われている写真や、中国新聞に掲載された写真を見ると「な〜るほど」と思えるアングルから撮られていました。ですから、ヒマワリ撮影に出掛ける際には、一番背の高い三脚と、踏み台になる物を持って行きましょう!強者カメラマンは、2mはあろうかという脚立と、ジッツォの5型5段三脚(現行型番509、雲台を含めると全高3m近くになる物)を使われていました。
ヒマワリ撮影はもちろん、ハイアングルから見渡す構図だけではありません。花に近づいてマクロ的に撮る方法もあります。その場合はあぜ道や畑の中に入る必要があります。大きな花は背丈が2m前後もありますので、どうしても見上げるようなアングルになってしまいますが、畑の縁の方には背の低い花もあり、それが標的になります。しかしこの様な撮影をしようとすると、湿気を沢山含んだ土の上に生える、朝露をまとった雑草の中に足を踏み入れる事になり、足もと(スラックス)は泥で汚れてしまいます。言い忘れましたが駐車場の地面も土で、朝は朝露による湿気を沢山含んでいますので、靴はいずれにせよ泥だらけになります。その結果、靴、スラックスのみならず、帰りのクルマの中も泥で汚れざるを得ませんので、その覚悟(か対策)をして撮影に臨んでください。畑のあぜ道に置いたカメラバッグの底も泥だらけになったことを書き加えておきましょう。
レンズですが、足もとが泥で汚れるのを避けて道路の上から撮影するなら望遠レンズが欠かせません。道路から畑の最前端の花までは5〜10mぐらいの距離がありますので、広角レンズは手前側の土と雑草が写り込み役に立ちません。広大なヒマワリ畑の姿を収める場合でも70〜100mmぐらいで十分です。一方、主役の花を大きく捉え、圧縮効果で背景を美しく整理するような撮り方なら、200mm以上、出来れば300〜400mmが欲しいところです。私はシグマの180mmマクロを持参したのですが、この様な撮影を道路上からするには少し足りませんでした。
逆にこの様な望遠レンズを持っていないとすると(あるいは別の絵造りをするとなると)、どうしても畑の中に下りて、泥に汚れる覚悟がいります。私は膝から下を泥だらけにしながら、14mmから180mmまでの色々な焦点距離で撮影を楽しみました。
ヒマワリ畑には「種子代のご協力お願いします」とかかれた募金箱が置かれています。入場料も徴収されずに撮影させてもらえるのですから、カメラマンは来年のためにもキチンと感謝の印を箱に入れましょうね。
なお、君田村では8月上旬に「あったか村、川とひまわりまつり」を催しています。今年(2001年)は8月4日、5日です。
君田村での食事ですが、藤兼地区からクルマで5分ほど北上したところに、道の駅「ふぉレスト君田」があります。モーニングサービス(600円)のある小さな喫茶店の開店は朝9時です。その隣には焼き立てのパン屋さんと、「おはよう市」という野菜の朝市があります。「おはよう市」は8時開店で、殆どの野菜が100円という格安値で販売されています。採れたての新鮮な野菜をついでに仕入れて帰りましょう!
帰り道、もし時間が余っているなら、往路としてお勧めしなかった「布野方面に抜ける道」を選ぶと、作木村まで20km足らずです。そこには名瀑「常清滝」があり必見ですぞ。
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ヒマワリの花は、一週間違うとこれだけ咲き具合が変わります。左は7月22日、右が7月29日です。この写真は君田村役場の南西、県道39号線沿いにある畑です。一番下にある藤兼地区の写真と比べると、広さ、花の密度が大きく劣ることが分かります。ここには駐車場もありません。藤兼地区を除く他の畑も同様です。 |
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藤兼地区です。左の写真は、種子代の募金箱です。皆さん、協力しましょうね。
真ん中の写真は、朝5時半に既に並んだカメラの放列。常連さんは脚立+背の高い三脚...
右の写真は駐車場です。ご覧の通りの土で、朝は湿っています。靴は泥だらけになりますが、駐車料も入場料も無料ですから感謝することはあっても、文句は言えませんね。 |
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見事なまでの、ヒマワリの花。密度も広さも桁違い!
この写真は上下をトリミングしていますが、トリミング後の写真でもご覧のように最前列の花までの距離は結構ある事がわかります。だから広角レンズを活かした撮影は、畑に下りなければ困難です。花の丈が2m前後ありますから、上からの俯瞰撮影はかなり背の高い脚立と3m級の三脚を持っていないと無理でしょう。そして撮影後はみな泥で汚れます。
この写真は道路からデジカメで撮影しています。 |
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