広島市界隈の紅葉の名所といえば、安芸の宮島が一番お手頃。昨年に引き続き、今年も宮島に紅葉撮影に出掛けました。
昨年は11月19日(日曜日)、初めての宮島紅葉狩りに家族と出掛けて色々と苦労しました。朝11時ぐらいに宮島口(JR山陽本線の宮島への連絡船乗換駅)にクルマで行ったのですが、既に付近の駐車場は全て満車で、仕方なく数キロ離れた駐車場にクルマを置いて、最寄りの駅から電車で宮島口まで行くハメになりました。また紅葉谷公園(もみじだにこうえん)に行けば綺麗なもみじの木々に関心するも、ラッシュアワーの駅のような人の多さに閉口してしまいました。
昨年の苦い経験を踏まえ、今年の撮影は人出を避ける為に平日の早朝から行くことにしました。それで10月下旬頃から、紅葉の進行状況をインターネットとJRの駅の掲示板でチェックし、いよいよ見頃になった頃、仕事の進行にもムチを入れて有給休暇を取りました。撮影日は11月16日(金曜日)。起床時間は午前4時。霧の海の撮影では3時に起きているので、いつもの撮影日より1時間も睡眠時間が長く、あまり眠くありませんした(とはいえ睡眠時間4時間)。途中コンビニで朝食を取り、更に西広島バイパスのサービスエリアで時間調整しながら宮島口に着いたのが午前5時50分。一番船の出航時刻は6時25分です。この時間なら駐車場は余裕の筈でしたが、誤算が...なんと一軒も営業していません(^^; どの駐車場を見ても営業開始は7時半から8時ぐらい。一番船の時間は刻々と迫ります。仕方なく「後でお金を払えば問題ないだろう」と割り切って、特にロープなどで閉鎖されていなかった桟橋の北側の駐車場に車を停めて連絡船に乗りました。
一番船の乗客は約50名ほど。その殆どが宮島に勤めている人で、みな顔見知りの様な感じでした。その中でカメラバッグと三脚を持っている乗客は私と、老人ひとりの合計二人だけ。やがて、日の出の赤い空をバックにシルエットで浮かび上がった宮島に向かって船は出航しました。
船は10分ちょっとで宮島に到着します。船を降りてターミナルに行き、トイレを借りてから表に出てみると誰もいません。宮島には何度も来ていますが、誰もいないターミナル前広場は初めて見ました。次の船は7時過ぎまで無く、その時間まで観光客は来ません。思わず「しめた!」とつぶやき、私は紅葉谷公園へと急ぎ足で歩きました。しかし観光客がいないと思ったのは誤算でした。厳島神社の方に行くと、宮島に宿泊している観光客が朝から宮島見物をしていたのです。特に修学旅行生の多さは印象的でした。アメリカの同時テロの影響で海外修学旅行がキャンセルになり、そのお蔭で広島への修学旅行が増えているとニュースで聞きましたが、その実体を目の当たりにした気がしました。
紅葉谷に入ると、幸い修学旅行生はまだ来ていませんでした。近くの旅館から見学に来た、浴衣姿の人は何人かいましたが、ホンの数名なので、ちょっと待てば人の全くいない紅葉谷公園の風景が目の前に広がります。カメラマンといえば、私と、私と一緒の船で来た老人一人だけ。その状況判断からマクロ撮影/紅葉をアップ気味に捉える撮影を後回しにして、人がいたら撮れない風景をまず撮ることにしました。それで、急ぎ足で歩いては良い情景を探し、手早く撮影、そして公園の奥に移動という事を繰り返しました。公園の一番奥まで行ったら、今度は引き返しです。逆から見る公園はまた新しい情景を見せてくれます。それでまた手早く撮影。しかし1/4ぐらい引き返したところで、恐らくは次の船で着いたと思われる観光客やカメラマンに出会ってしまいました。こうなると撮影効率はかなり落ちます。良い情景を見つけカメラをセットしても、そこから人がいなくなるのを待たねばなりません。ある時など私が橋のたもとでカメラをセットしたら、そこにおじいさんが来て、橋の上で紅葉を見ながら一服を始めてしまいました。私は険悪な視線を浴びせかけるも、おじいさんは全く動じず(笑)、5分近く待たされたりもしました。そして半分ぐらい公園を引き返したところで、とうとう修学旅行生の大群が来てしまい、風景撮影は終了です。
紅葉をアップ気味に捉える撮影に切り替えると、次なる苦労が待っていました。もみじの葉の状態と光と風です。今年のもみじの葉はかなり傷んでいて、アップでサマになる物が殆どありません。公園全体を探しても、私の目に止まったのは数枚...というひどさ。光と風について..その日は雲の多い日で、太陽が出たり隠れたりしていました。おまけに紅葉の葉は微風で常に揺れています。絞り開放でも早朝のシャッタースピードは1/25秒から1/60秒。無造作にシャッターを切れば間違いなくブレてしまいます。それで葉の揺れが納まるのと、太陽の光が背景を照らし出すのを待っていると、ひとコマ撮影するのに5分以上かかります。下手をすると10分以上じっとしていなければなりません。マクロ撮影にも絶えられる綺麗な葉をやっと見つけて、アングルと露出を変えながら撮影していると、葉っぱ一枚で30分以上の時間を費やしてしまいました。
11時頃になって、お腹がすいたので公園のほぼ中央部にある茶店に行きました。すると、どこかで見たことのある顔の大群が....写真仲間が沢山、平日の金曜日だというのに宮島に集結しワイワイやっていました。私は取り敢えず腹ごしらえをし、その後仲間達に合流しました。
午後は仲間達と会話しながらの楽しい撮影になりました。しかし平日というのに人出はどんどん増えてきて、午後2時過ぎには昨年の日曜日と大差無いほどに混雑しました。人出の増加と共に撮影意欲の方は減退してきて、4時過ぎには宮島を後にしました。
さて、駐車場の営業開始前に駐車したクルマですが、ワイパーブレードの所に「駐車料をお支払いください」という主旨の紙が挟まっていました(やっぱりね(^_^))。それで駐車場を出るときにお金を払い、特に問題はありませんでした。(下記注釈参照)
今回の宮島紅葉撮影の経験をまとめると
・撮影は早朝が吉。特に一番船で行けば紅葉谷公園の景色が撮れる。
・宮島口駐車場は早朝は営業していない。しかし、桟橋北側の大きな駐車場なら
後でお金を払えば問題ない。(下記注釈参照)
・平日と侮ること無かれ。日中の人出はやっぱり凄い。
となります。よし、来年も早朝から攻めるぞ!
駐車場についての注釈(2008年6月追記)
桟橋北側の駐車場はクルマの鍵を預けて詰め込むタイプの駐車場との事で、営業開始(7:30〜)前に駐車すると迷惑が掛かるそうです。2001年時点とは違って桟橋南側に24時間営業の駐車場があるらしいので、早朝のフェリーに乗船の場合はそちらを探してみて下さい。(24時間営業の駐車場情報はネット上の記事を参照して書いていますが、私本人は未確認です。)
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