前回つぶやきで製作した、EOS650
SQUARE。テスト撮影の結果で幾つかの要改善点が出ましたので、早速作業しました。テスト撮影での不具合は
1 マスクに僅かなバリがある。
24mmx24mmの開口部のマスクは完全な直線でなければならないので、カッターで切断して出来る辺ではなくフロッピー製造時に出来た辺を用いましたが、その切断面はきれいな仕上げではなく、肉眼では気付かないようなバリがありました。
2 マスクとファインダースクリーンに付けた目印の間にズレがある。
マスク側の方がやや左にずれていました。またスクリーンの目印の方も位置が正確とは言えず、テープも少し曲がっていました。
以上を修正するためにマスクを一旦外して、1000番の耐水ペーパーで丁寧に磨き上げました。今度は全ての辺が完全な平滑になるようにルーペで表面仕上げをチェックしながらの研磨です。。
その後は精密な寸法測定です。前回は手作業でスイスイやりましたので、装着位置に1mm近い誤差が出たようです(マスク間隔だけは24mmに合わせましたが)。今回は目標誤差0.1mmでマスクを装着しました。しかしこれを普通の定規と手作業で実現するのは結構難しかったです。最初にフィルムレール部に目印となるスコッチテープを貼り、その目印を頼りにマスクを装着しましたが、スコッチテープを貼るのにも一度貼っては寸法チェックと貼り直しを繰り返しました。マスクの方はもっと困難で、貼り直しを何度も繰り返しました。その結果、なんとか0.1mm程度の誤差で貼りつける事が出来ました。
ファインダースクリーンへの撮影範囲を示すテープの貼り付けも同様です。実はEOS600系のスクリーンの大きさは36mmx24mmよりも大きく、しかも左右対称では有りませんので、左右の端を基準にした寸法測定は出来ませんでした。そこでスクリーン中央部のAFセンサーの印を中心に幅22mmの位置に貼り付けることとしました。AFセンサーの印は極めてみにくく、高倍率ルーペで拡大しながらの作業となりました。こちらも何度かの試行錯誤の上で、0.2〜3mmの誤差で貼り付ける事が出来たと思います。
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高倍率ルーペで寸法測定を繰り返しながら、テープを貼り付け終えたスクリーン。ファインダー内で正方形に見えるように、貼り付け間隔は22mmにしてあります。 |
一応、テープとマスクの貼り付け位置のチェックをしました。前回つぶやきに書いたように、カメラを正面から見るとスクリーンに貼り付けたテープが見えます。そこでシャッターを切ると背後のマスクが見えます。マスクの後ろに赤い布を置いて、シャッターを開いた状態と、閉じてミラーの下りている状態をデジカメで撮影して、二枚を合成します。その結果殆どズレのないことが確認出来ました。スクリーン側の目印は見た目で正方形になるように、視野率は100%にはせず90%強にしています。従ってテープの目印の方がわずかに狭くなりますが、その様子もチェックできました。
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改善が終わったEOS650 SQUAREの写真。これはシヤッターを開いた写真と閉じた写真を位置合わせして合成しています。シャッターの後ろに開口部が分かりやすいように赤い布を貼り付けています。ご覧のように、スクリーンに貼った金色のテープと、背後の赤い開口部の間には殆ど誤差がありません。但しファインダー内で正方形に見えるようにテープの間隔は24mmよりも狭くなっています。
「24x24」のレタリングは完成イメージ図で、フォトショップ上で書きました。実際のカメラにはまだありません。いずれ適切な道具を探して、品良く仕上げる予定です。 |
これで、実用上不満のない正方形フォーマット35mm一眼レフの完成です!
※正方形ポジからのプリント
テスト撮影のポジをカメラショップに持って行き、一枚プリントしてもらいました。プリントは通常のフロンティアによるものです。出来上がりは通常の24mmx36mmのポジと同じプリントの仕方で、24mmx36mmを基準にすると周りが少しカットされたプリントです。これが左右をフィルム上で6mmずつマスクされたポジで行いましたので、画面左右に黒い部分が写っている写真になりました。これだけなら問題ないのですが、左右方向はマスクが有る為に24mmx24mmの全域がプリントされています。しかし上下方向は多少カットされているので、もはや正方形ではなく横長の写真になってしまいました。これでは価値半減ですね。
正方形フォーマットカメラで撮影したポジは、ノートリミング、余黒均等仕上げで依頼した方が良いみたいです。そうすれば完全に正方形の画面のプリントが得られます。
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フロンティアでプリントした正方形フォーマットの写真(上)と、スキャニングした同一写真(下;周りのトリミングは最小限)。プリントの方はマスク部まで写ってしまい、その結果幅方向はプリント率100%ですが、上下方向はかなりトリミングされ、少し横長の写真になってしまいました。正方形の写真を得る為には、ノートリミング・余黒均等仕上げにする必要があるようです。
上の写真の黒い部分の幅が左右で違うのは、マスクの取り付け位置がずれていた為です。これを今回修正しました。上の写真の白い部分は、フラットベッドスキャナの裏蓋部分です。今回はプリント全体をお見せするために、少し広い範囲で取り込んでいます。右の余白が大きいのは、上下の写真がほぼ同じ位置に並ぶようにする為の調整です。 |
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