2003年になって早々にショッキングなニュースが飛び込んできました。T口さんがキタ○ラT町店を辞めたのです。理由は細かく申し上げませんが、T口さんとキタ○ラの間には何ら問題は無く、外的要因によってT口さんが新しい道を選ばれたとの事でした。
T口さんは、私が常日頃利用しているカメラのキタ○ラ・T町店の店員さんです。私がT口さんと知り合ったのは1999年の2月初旬。その時にサラリーマン店員らしからぬユニークな個性に惹き付けられて、思わずCanon
Speedlite 380EXを新品で買ってしまいました(KENが新品を購入するなんて珍しい事です!。 それ以上に初めて訪れたKENに私が新品購入を納得してしまう条件を提示する店員はもっと珍しいです!!)。それ以来の丸四年間、T口さんとは毎週のようにカメラ談義をし、必要な機材、フィルムの90%を彼から買って来ました。このホームページの開設が1999年11月ですから、彼との付き合いはこのホームページの歴史よりも長く、その間に彼から購入した機材やフィルムの数と金額は数え切れません。その幾つかのストーリーはつぶやきに度々登場しています。
T口さんとT町店の事は、知り合って直ぐにメールで仲間内に知らせましたので、クチコミがクチコミを呼び、広島在住のカメラマン仲間の間で知れ渡るようになりました。彼は2チャンネルの話題にも登場しましたので、大型店舗の店長以上に有名な店員だったかも知れません。
T口さんには一度会ったら忘れられないユニークなキャラクターが備わっていました。その第一は、つぶやき61にも書いた「ドラえもんと小錦を足して二で割った」様なアピアランスです。彼の風貌は万人の脳細胞に強烈な記憶を植えつつも和やかな気持ちにしてくれます。家族連れで来店したお客の子供にも大人気でした。但し、私にはドラえもんというよりも、「KENにカメラ機材を安く買わせてくれる大仏様」の様に思えましたけどね(笑)。
第二のキャラクターは、客と店員というよりも、カメラ仲間同士という接客態度でしょう。もちろん「普通のお客様」にはきちんとした接客をしていましたが、私や親友MやYやSの様な「普通ではない」お客に対しては、カメラ仲間的な接し方をしてくれました。そして一緒に機材選びをし、私たちに機材を売ることにゲーム感覚の楽しみが有ったようです。そんな逸話をひとつ。生憎T口さんがKENのことを他の人にどう語っていたのかを知りませんが、Mについては知り合って暫くした頃に私にこんな事を語ってくれました。
「Mさんに機材を売ることはスリリングで楽しいっすよ。まあ常識的な商品を常識的な値段では買ってませんからね、ちょっとレアな際物で勝負を仕掛けなきゃ売れないし、価格もかなり厳しいしね。それにたまに注文を受けると、普通の人が買うような何処にでも有るような商品では無いですから、今度はどんな注文だろうとドキドキしますよ。前回は○○○○○でしょう。広島のキタ○ラの店員で○○○○○を客注で売った人なんて殆どいませんよ」
そんなMにロシア製一眼レフのゼニットを売った事をT口さんはとても誇りにしていました(笑) (後で価格を聞いたら、ちょっと有り得ないぐらいの破格でした(^^; )
また友人Yにカメラ機材を売ることもT口さんの楽しみでした。Yは殆ど全てのブランドのカメラを持っているので、T口さんから買った物といえばシグマSA−5フルセットとか....、他の人からは注文を受けられない物が飛び込んでくるので「次は何だろう?」と予想するのも、私とT口さんの楽しい話題の一つでした。
MやYの名誉の為に付け加えれば、T口さんはKENに対しても機材を売る際のスリルを感じていたと思います。私自身には語ってくれなかったので詳しく知る由もありませんが、いつしか私とT口さんの間には阿吽の呼吸の様な物が出来上がっていました。例えば新しい中古が入荷しても、私の求める価格と程度に合致していなければ進んで見せてくれることは有りませんでしたし、仮にある商品が店頭にあっても、私が同一商品を欲しいといえば、私の求める価格と程度の物件を別に探す様な事もあった気がします。私からの注文、それはT口さんにとって、数多あるブツの中から格安極上の物を日本中から探し出すというゲームだったのかも知れません。
この様に、少なくとも私や私の友人達と接するときのT口さんは、(適度な商売をしつつも)商売抜きの部分を持った情熱的な、あるいは楽しんでいる様な仕事振りがありました。だから多くの人は彼に惹き付けられるのだと思います。
そんなT口さんにとって、私や私の友人は長期在庫の格好の処分先だったかも知れません。期限逼迫、期限が切れたフィルムを私に沢山売りましたから。ある時など、KR(コダクローム64)が欲しくて、期限逼迫品のKRを購入しようとしたら、「どうせならPKRを持っていってくれた方がありがたい」と言って、私にPKR(コダクローム64プロ)を買わせました。もちろんKRよりも高い代金を払ってです(--;。そんな場合でもT口さんの頼みとあれば、良い人間関係の為の必要経費だと思って文句を言わずに笑顔でお金を払うKENなのです(^0^)/
(昨年の紅葉写真がPKRなのは、そのせいです(笑))
KENの写真生活を支えてきたT口さんがいなくなって、少し気が抜けてしまっています。かなり難しい注文や、無理を聞いてくれる店員を見つける事は、写真に限らず趣味を楽しくするカナメだと思います。T口さんの去った後はT町店長のA澤さんにこれまで以上に頑張ってもらわなければなりません。幸い、A澤さんは体型こそT口さんとは対極にあるものの、私や私の友人達に対するざっくばらんとした接客態度や、可能な限り私の期待に沿う価格づけなど頼りがいのある人です。しかし、キタ○ラの店長さんは社内ではエリートですから、結構転勤があるのです。A澤さんもT口さんと知り合ってから数えて3人目のT町店の店長さんですから....いつまでもT町店にいるとは限りません。能力が認められればより大型店舗の店長に抜擢されるでしょう(T町店は規模的にキタ○ラ最小ランク、あるいは店長入門ランクとも言えます)。そうなると私はいよいよ困ったことになります(--;
A澤さん、能ある鷹は爪を隠す! 転勤にならぬように、キタ○ラ人事担当には能力を見せずに隠しておいて下さい(笑)。えっ?それでは給料が上がらないって? 大物は細かいことを気にしないの!(^o^)/
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