今月の話題
Mac Pro への移行作業
Mac Pro 復活
不幸な誕生日
Mac Pro 不機嫌に
ビッグマック登場
Power Macintosh 9600/300ZIPリサイクル処分
部屋の蛍光灯を交換
POP PULSE SuperPro USB DAC 707
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Mac Pro が復活しましたので、古いマックからの移行作業を続けています。大量のアプリケーションの再インストールや、 500GBを超えるファイルの移動、プレファレンスファイルの移行(古い設定をそのまま残すため)、メールログの移行、ブラウザ類のブックマークの移行などなど、、、
移行作業が一段落したところで、xeon 8コア、3.0GHzというモンスターマシンの性能をチェックすべく、アクティビティモニターからCPU使用率をフローティングパレットで表示させて、いろいろな動作時のCPUの稼働率を表示させてみました。その結果はほとんどの状況でCPUの稼働率は10%にも満たず、私の使用環境では宝の持ち腐れ(笑)。8コアCPUがフル稼働する状況をやっと見つけたのが下の写真。
これは6x12で撮影したフィルムをスキャニングした11000x6000ピクセル、16bit/ch TIFFの巨大画像で、これにフォトショップで「明るさの中間値」処理を施した状態です。右側にある緑色の縦型バーグラフがCPU使用率で、8つのコアがほとんど90%以上で働いています。フォトショップCS3はこの処理を10秒程度で終了しました。で、同じことを古いマック(Power Macintosh G4 MDD dual 1.25GHz)でやってみましたが、二つしかないCPU使用率グラフは100%に張り付いたまま、横バーグラフがほとんど動かず、終了まで数分は待たされそうな雰囲気でした。やはりスペックの違いは明確です。
今回、新品マックではなく、二年前(2007年4月発表)のマックを買った唯一の理由は、ニコンがフィルムスキャナでMac OS-X 10.5 Leopardの対応をせずに製造中止にしたことです。10万円以上の大枚をはたいて買ったSUPER COOLSCAN 5000EDが使えなくなると、銀塩写真を趣味とする私にとってとても痛い、、、。ということでニコンが最後にサポートしたOS-X 10.4 Tigerで動くマックの上級マシンを探したのでした。
で、早速こちらも動作チェック。単体アプリケーションのNikon Scan4で起動すれば問題なく動作しました。しかし何故かプラグインはintel + PhotoShop CS3上では動作せず(フォトショップ起動時にプラグインが読めないというエラーメッセージが出ます)、フォトショップからの起動は出来ませんでした。全く同じOS(10.4.11)、同じフォトショップでもPower Macintosh G4では動いているので、intelベースであることが問題の様です。
さて、肝心のスキャニング速度ですが、、、Power Macintosh G4 Dual 1.25GHzの時にはCPU使用率が二つともに100%になり、Digital ICEを使うとニコンの発表値よりもかなり遅いスキャニングスピードに落ちてしまいましたが、8コアx3GHzではCPU使用率が10〜15%ぐらいをうろうろする程度で、比較的早くスキャニングが終わるようになりました。またCPUに余裕がある分、バックグラウンドで作業しても速度が落ちません。これはこれで良いのですが、密かにCPU性能が10倍近く改善する分、スキャニング時間も劇的に短くなるかなと期待したのですが、流石にそうはなりませんでした。ニコンの発表値はペンティウム4 3GHzマシンですので、このCPUスペックに最適化されているようです。つまり7コア分は余計、、(^^;
話題は変わって、マックを買い足すにあたって考えていたことがありました。それはCPUの表示クロック速度。私は使える限り機械を永く使いたい性格の人間なので、進化の早いパソコンでも頻繁な買い替えはしません。それで、今まで個人で買ったパソコンを並べてみると、CPUのアーキテクチャーを無視すればクロック周波数が買い替えごとに概ね10倍になっています。それゆえ次に買うパソコンは合計25GHzぐらいのスペックが妥当なのかなと思っていたのでした(笑)。
初代 : Macintosh LC-475, 68LC040 25MHz 【1994年購入】
二代目: Power Macintosh 9600/300 ZIP, Power PC604e 300MHz 【1998年購入】
三代目: Power Macintosh G4 MDD Dual 1.25GHz, Power PC G4 換算2.5GHz 【2004年購入】
四代目: Mac Pro 2x Intel Quad-Core xeon 3.0GHz, xeon 5300 換算24GHz 【2009年購入】
このペースで行くと、次の私の買い替えは2014年で、その時のマシンの合計クロック周波数は250GHz前後のはずです。クロック周波数の上昇が最近止まった気がするので、コアの数が増えていって5年後には80コアぐらいになっているのでしょうか???
あるいはパソコンの速度面での進化が落ち着いて、一つのパソコンを永く安心して使える世の中になるのかも知れません。地球環境保護、エコが叫ばれている中、その方が良い世の中になると思います。マイクロソフトもアップルも無闇なOSの更新と、古いOSのサポート中止、それに伴う機材の強制的な買い替えを止めて欲しいですね。
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2009年6月23日(火) |
Mac Pro 復活 |
起動不能に陥っていた Mac Pro 2x 3GHz Quad Core が復活しました。
購入元でこの機種用のOSをインストールしたハードディスクを送ってもらって、紆余曲折の上で起動に成功、現在は正常に動いています。
ハードディスクを装着して起動しても、最初はOSを認識してもらえず、クエスチョンマークの点滅するフォルダアイコンが現れて落胆しましたが、もう一つの裏技、オプションキーを押しながら再起動して、HDDをサルベージしてOSを探し出すモードに突入。程なくOSを認識して起動に成功しました。
新品時の価格が50万円(オプションを加えると60万円)を超える機種なので、万一マザーボード交換になったらどうしようかと思っていましたが、そうならなくてホッとしています。二度とこの様な事態に陥らないように、現有のマックから500GBのハードディスクを取り出してMac Proに移植。初期化した上でこちらにもOSをインストールして、起動可能なハードディスク二台体勢にしました。
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2009年6月21日(日) |
不幸な誕生日 |
実は昨日は誕生日。しかし折角買ったマックが動かなくなったのはダイアリーに記した通り。こちらは購入元とも連絡を取りながら、解決策を模索しています。
しかし、昨日はもう一つの不幸がありました。古い雑誌を三冊買ったのですが、内二冊が間違えた号になっていました。別に古書店が間違えた訳ではなくて、、古書店が雑誌の表記を○○年○月号とせずに、雑誌に記載されている発売日で掲載した為でした。
さて、皆さんは以下の雑誌が何年何月号だと思いますか?(私が買った実際の雑誌です)。
雑誌A、2002年3月15日発売
雑誌A(上記と同一)、2005年6月20日発売
雑誌B、2002年4月7日発売
正解は上から順に、2002年4月号(翌月号)、2005年8月号(翌々月号)、2002年4月号(当月号)でした。雑誌は実際の発売日の月に対して概ね翌月号になると思っていたので、後の二冊が思惑違いの雑誌でした(しかも同じ雑誌で異るとは、、)。雑誌に表示されている発売日は必ずしも実際の発売日では無いのと、とても小さな表示なので現物を持っている人(=買う必要のない人)しか分らない情報です。念の為に事前に発売日と○月号の関係をネットで調べましたが、情報は殆ど皆無でした。
古書店のリストを見ていると、雑誌の表紙に大きく記載されている○○年○月号ではなく、発売日しか表示していない店が複数ありますが、どういう考えなのでしょうね、、。皆さんも罠に嵌まらないようお気をつけ下さい。
今日の広島は朝から本格的な雨で、撮影には行きませんでした。午後になって娘からプレゼントが届き、ちょっとだけ幸せに(^^)
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2009年6月20日(土) |
Mac Pro 不機嫌に |
ホームセンターで板を買ってきて、Mac Proを今日設置しました。さっそく起動してみれば、問題無し。
続いて、アカウント他を全て私仕様にする為に、HDDを初期化してからOSのインストールを実行。初期化からOSインストールに移る所でインストール内容を間違えたのに気付き、インストーラーを停止して再起動したら、インストールディスクを認識しなくなりました。HDDは空なのでHDDからも起動出来ず、インストールディスクからも起動出来ず、起動音の後でフォルダーアイコンが画面中央に出てきてクエスチョンマークが点滅を始めます。
DVDドライブが2基あるので、各々で試したり、片方を外して再起動してみたりと、色々やったけど全てダメ。予備のHDDを付けたり、SMCリセットボタンを押してもダメ。PRAMクリア、シングルユーザーモード起動(OSが無いので出来ず)、Option起動などお決まりの儀式もダメで、、
長年マックを使っているけど、インストールディスクを認識しなくなったのは初めての経験。通常は起動可能ディスクを常に二つ以上用意してこの様な事態に備えるのですが、新しい機種のカスタマイズ第一歩の所で躓いたので、仕方ないですねぇ、、。現在は打つ手がありません。
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2009年6月19日(金) |
ビッグマック登場 |
先日、長年連れ添ったPower Macintosh 9600/300 ZIPをリサイクル処分しましたので、パソコンラックに大きな空間が出来ました。ふと見ると、ネット上にMac Proの中古があったので、つい買ってしまいました(^^;。
マックの中古は故障などのリスクを考慮すると、価格に割安感が全く無いので新品購入の方が良いのですが、Nikon Super CoolScan 5000EDがMac OS-X 10.5 Leopardへの対応をしないままに製造中止になったので、OS-X 10.4 Tigerでも動く機種という事で、Mac Proの初代バージョンの、Two 3.0GHz Quad-Core Intel Xeon processors搭載機になりました。Tigerが動くマックの中では最高性能の機種です。
大きな誤算は、、、、大き過ぎた(^^;。
パソコンラックはタワー型の躯体を足元に置くように設計されていますが、設置部の奥行は約40cm。一方のMac Proの奥行きは約48cm。ラックは開放型なので別に奥行きが長くてもはみ出せば置けるのですが、Mac Proは二本の足で空中に立つデザインの為に、前側の足がラックに載らず置く事が出来ませんでした。明日、ホームセンターに行って適当な板を買ってこなければ設置出来ません。写真は真っ直ぐに置く事が出来ず、仕方なく斜めに置いてみた図。手前に現在のメイン機種であるPower Macintosh G4 MDD Dual 1.25GHzがありますが、比較するとMac Proの馬鹿でかさが分るかと思います。
という事で、未だ起動チェックも出来ず、ただの箱(笑)。しかし美しい箱です、、(^^)
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2009年6月13日(土) |
ご連絡 |
明日は紫陽花撮影に行こうと準備を進めていましたが、突然のご不幸があり全て中止。
明日は更新出来ないと思いますが、ご容赦下さい。
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2009年6月7日(日) |
Power Macintosh 9600/300ZIPリサイクル処分 |
長年連れ添ったパソコンであり、KENがインターネット上で本格活動する支えとなったPower Macintosh 9600/300 ZIPをリサイクル処分しました(リサイクルの方法はLC-475の時と同じ)。お別れの前に最後の記念撮影をしましたので、皆さんにも最後の勇姿をお見せしましょう。
購入は1998年11月23日。この頃既にPower Macintosh G3が発売されていたので、Power PC604eを搭載した9600/300は型落ち品になっていて、G3/266と変わらない値段で買う事が出来ました。新しいG3ではなく9600/300にしたのは、その当時の性能ベンチマークではほぼ同等であったのと、拡張性において9600/300の方が格段に上だったからです。
Power PC604時代のデスクトップマックは4000番台から最上位の9000番台まで各種ありましたが、現代的基準のハイエンドは8600あたりで、9600は例外的な機種であったと思います。と言うのも、現代の目で見てもスゴイ物量投入量で、電源容量700W、DIMMメモリースロット数12、PCIスロット数6、ドライブベイ数6、サイズ439×246×440mm、重量15.9kg(拡張機器含まず)という堂々たる数字が並びます。特にメモリースロット数12というのはマック史上未だに破られていない数ですね(Quadra 900/950は16であると教えてもらいました)凄いですね。現役時代の価格も私が買えるようなものではありませんでしたが、型落ちで1/3位になりました。
参考までに、この機種のデータシートが未だにアップルのサイトにありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい(pdfファイルがダウンロードされます)。
左が正面の姿で、最大4つのメディアドライブを搭載出来ます。右がサイドのパネルを開けたところです。これ以前のマックはメモリー増設などの内部へのアクセスがとても難しかったのですが、この世代のマックからワンタッチになりました。
サイドパネルを外して床に寝かせて(左の写真)、中央に見える半透明グリーンのレバーを操作すると、電源部/ドライブべイが一気に開いて、メモリースロット、PCIスロット、内蔵電池等が丸見えになります(右の写真)。
これが内部。DIMMメモリースロットが12機、PCIスロットが6機並んでいます。当時は拡張部品も高価でしたので、結局これらの拡張スペースを使いきる事はありませんでした。ちなみに現在使っているPower Macintosh G4 MDD 1.25GHz Dualの方は拡張スペースを使いきってしまいました。
最近二年ぐらいは全く起動する事も無くなりましたが、1998年に購入してから10年以上我が家に鎮座してきた主の様なパソコンと別れるのは、何か寂しいですね。性能面は兎も角、躯体は綺麗で年齢を感じさせませんし、どこも悪いところはありません。1999年になってからインターネットに接続し、クララ・シューマンのホームページと、このImpressions by KENを開設し、このマック上で様々な作業をしてきました。皆さんが今日読んだり見たりする事の出来るコンテンツの半分ぐらいはこのマックで作られた物です。
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2009年6月6日(土) |
部屋の蛍光灯を交換 |
パソコン作業をする部屋の蛍光灯を交換しました。
これまでは洋風ペンダントに、高演色性AA、昼白色、5200Kの丸形蛍光灯(40W+32W)をはめていました。これが普通に売ってる蛍光灯の中では一番自然な色合いに見えました。
先日その蛍光灯の内の一本が切れたのを契機として、写真用の蛍光灯に交換しようかと思い立ち、インターネット・ショップで20W直管蛍光灯4本を使うシーリングライトと、色評価用として売られている蛍光灯4本を同時に購入し、本日取り付けました。
蛍光灯の方は三菱の色評価用蛍光ランプ FL20S・N-EDL・NU 褐色防止タイプで、美術館などで使われる事を意図した、色温度5000K、演色AAA、平均演色評価数Ra99、紫外線カット褐色防止タイプです。同じ目的の蛍光灯にはパナソニックのFL20S・N-EDL・NU 美術・博物館用蛍光灯(紫外線吸収膜付)もありますが、値段が倍も違うので三菱製にしました。どちらも基本は20Wか40wの直管しか無いので、シーリングライトも20W直管を使う物にしましたが、種類が殆ど無くて、購入したのはODELIC SH858という乳白色のプラスチックセード付きののものです。しかし、思いのほかこのセードによる光量低下が大きく、厳密な事を言えば色温度も僅かに偏るようなので、正確な写真作業の為には蛍光灯が剥出しになるタイプの方が良いかも知れません(コイズミ製にあります)。
シーリングライトは丸形蛍光灯ばかりで、直管タイプは例外的な存在の様です。広島では大型電器店に行っても店頭にはありませんし、ネットで調べても2〜3社しか出てきません。いずれもインバータータイプは無し、、丸形蛍光灯だと最早インバーターではない機器を探すのも難しいのですが(笑)。当然ながら色評価用の蛍光灯も店頭にはありませんので、インターネット・ショップに頼ることになります。
今まで使っていた蛍光灯も通常売られているような昼光色(青白い光)のものに比べるととても暖かい色の光でしたが、今回の交換によって照明の色温度が一段と下がり、少し黄色がかって見えるようになりました。でもこれが正しい環境なのです。最近の世の中の照明はみな青白いですよね(笑)。
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2009年6月3日(水) |
POP PULSE SuperPro USB DAC 707 |
今月もオーディオの話題でスタートです。
パソコンのオーディオ出力(一般的なヘッドフォン出力)の音質が極めて酷く聴くに耐えないので、パソコン部屋にCDプレーヤー(TRIODE TRV-CD4SE)とヘッドフォンシステム(STAX SR-404 Signature, SRM-006tA)を導入しています。そのシステムにパソコンのデジタル出力を入力したらどうなるのか?と思って、USB-DACを購入しました。
念の為に書いておけば、DACとはDigital to Analog Converterの略で、CDなどのデジタル信号を通常の音声信号に変換する機器です。通常はCDプレーヤー等のデジタル機器に内臓されていますが、一部の高級機を除いて外部デジタル入力端子が備わっていないので、それ以外のデジタル機器の信号を扱うとなると単体のDACが必要になります。USB-DACとはパソコンの信号をUSB経由で取り出すUSBレシーバーを内蔵したDACの事で、文字通りパソコンに繋ぐと自動的に外部出力デバイスとして認識されて、音声信号が出力されます。
購入した機器は、香港のメーカーが製造して、日本の業者がネット上で販売しているPOP PULSE SuperPro USB DAC 707という商品。香港のメーカーサイトをチェックすれば、直販の場合で価格は110米ドル(送料別で21米ドル)ですが、何故か日本の業者からの入手価格は1万円を下回りました。この製品を選んだ理由は先ず価格の安さ。パソコンからの音声信号では高音質をさほど望めそうにないので、一般的な単体DAC(概ね10万円以上から)のコストは掛けられません。オークション上には自作品も含めて安価で妖しい商品を幾つか見つける事が出来ますが、この商品は一応メーカー製で海外での個人のレビューがさほど悪くなかった点と、パソコンからのUSB入力のみならず、一般的なDACとして使えるオプティカル、コアキシアルのデジタル入力が備わっている点が気に入りました。更に専用アダプターを使うとヘッドフォンアンプにもなる点もプラスポイントです。
これが本体。タバコの函ぐらいの大きさの小さな機器で、両サイドに所狭しと入出力端子が並んでいます。下段左が入力端子側で、左から同軸デジタル入力端子、光デジタル入力端子、CTL&DSDと記された意味不明の端子(イーサーネットに繋いでPCから何かをコントロールするのか?)、そしてUSB端子です。右側は出力側で、左端からマイク端子(使い方不明)、アナログRCA端子、LEDランプを経て、電源入力端子です。
これが付属品の全てです。数字の順に、1. 本体、2. ヘッドフォンアダプター(RCA出力端子に挿して使う)、3. 12Vバッテリー駆動用電源ケーブル、4. ACアダプター、5. ACアダプター用電源ケーブル、6. 同軸デジタルケーブル(単なる映像ケーブル)、7. USBケーブル、8. 光デジタルケーブル。
説明書の様な物は何も無く、これらの部品はビニール袋に入れられた上で白い箱の中に無造作に詰められて届きました(精密機器であるにも関わらず緩衝材無し)。米国の別の業者のサイトには「価格を下げるために、説明書も保証も丁寧な包装も無い!。あなたがコンピューターに詳しくないのなら買ってはいけません!」と書いてありました。誠に妖しくスリリングな機器です。
さて、説明書が無いのでトライ&エラーでの動作確認ですが、デジタル入力は自動認識でRCA端子からアナログ信号が出力されます。複数のデジタル信号を入力した場合はUSBが優先されました。光と同軸の優先度は、それを同時に試せる機器を持っていないので分りません。
ヘッドフォンアダプターはRCA端子をステレオミニジャックに変換しているだけに見える機器ですが、ちゃんと手持のヘッドフォンから音が出ました。但しあまり実用的では無く、私の手持のヘッドフォンだとインピーダンスが低いのか、音量が過大でPC側で音量を最小付近まで絞らないとまともに使えません。MAC OSX10.4でこのDACを使った場合、OS側の音量調節は無視されて、QuickTimeやWindows Media Playerなどのアプリケーション上の音量調整を使わなければならないのですが、起動時のデフォルトが音量最大になっている物もあるので、新しい音楽ファイルを開くたびに音量が過大になるケースがありました。
光デジタル入力は使いにくいです。というのも手持の複数の日本製の光ケーブルはいずれもロック出来ませんでした。恐らく本体側のロックピンの位置が深過ぎる為で、付属していた光ケーブルなら使えます。日本製のCDプレーヤー側は勿論日本製のケーブルを受け付けたので、やはり香港製DAC側の設計不良の様です。高価な純石英ケーブルが使えず、得体の知れない安価なケーブルでしか使えないとは、、、
このDAC最上の音質の為には、バッテリーで駆動するようにと業者のサイトに書いてありましたので、手持のポータブルバッテリー(天体望遠鏡の赤道儀を駆動する為に持っている物)で試して見ましたが、上手く使えませんでした。理由はDAC側の責任ではなくてバッテリーが古くて弱っていた為で、充電を繰り返しても11.8Vぐらいしか電圧が出ません。しかしこの電圧でもこのDACは作動せず、、。一般的に12Vバッテリー駆動と言うと、鉛バッテリーよりも乾電池8本による駆動を考えますが、アルカリ電池は使用途中での電圧降下が大きいので早々に12Vを切って動作しなくなりそうです。ニッケル水素電池は定格1.2Vで実際にも直ぐに1.2Vで安定しますので、電池8本では上手く動かないかも知れません。
このDACは無音時でも出力端子に直流電圧が掛かっているのか、スイッチを切り替えたり、曲を切り替えたりする時に「パチッ」というノイズが発生します。
とまあ、最初に悪い点ばかり並べましたが、肝心の音質は極めてまともでビックリしました。
最初はCDプレーヤーの光デジタル出力から、付属の安価な光ケーブルでUSB-DACに入力し、RCA端子からスタックスのドライバーまでをアクロリンクの6N-A2100で接続。このDACを経由した音と、トライオード TRV-CD4SE内蔵の真空管バッファーのDACの音を、ドライバー側の入力セレクターを切り替えて聴き比べました。音質に多少の違いは勿論ありますが、殆ど差が気にならない、このちっぽけなDAC経由の音でもアコースティックなクラシック音楽を十分に楽しむことが出来ます。比較すればやはり音のまろやかさや拡がりはトライオード内蔵DACの方が上ですが、USB-DACの音も悪くありません。これで10万円以上の価格なら多少ガッカリもしますが、1万円もしない妖しい機器、、、という期待で聴くと、良い意味で期待を裏切ってくれます。
米国の業者のサイトでこのUSB-DACのスペックを見ると、DACチップそのものはシーラスロジックCS-4397という20万円クラスのSA-CDプレーヤーにも使われる有名な物で、これが功を奏しているのかも知れません。
但し、私の試聴システムがスタックスの真空管式ドライバーを用いた、大型コンデンサーヘッドフォンであることも考慮しておくべきかも知れません。このシステムは普通のCDの音を他のシステムとは次元の違う美音に仕立てる術を持っていて、高解像度でありながら分析的ではなく雰囲気で聴かせてくれます。一定以上の音質のソースであれば、とても聴きやすい音楽にしてしまう、、、というのが最近のスタックスの印象です。従って、他の高級システムのように分析的に聴かせて、システムに少しでも粗があればそれを如実に表現する機器であれば別の結論になるかも知れません。
この様な印象を持ったUSB-DACですから、PCからの音もご機嫌に楽しめています。CDから非圧縮でダウンロードした曲とか、音楽サイトで音質に気を配った試聴ファイルであれば、多少はCDとの音質の差を感じる物の、音楽に没頭出来る音質を提供してくれます。但し、当然ながら元々酷い音質のファイルを高音質にするマジックまでは備えていませんので、amazonあたりの音楽試聴ファイルが極めて低音質であることも今回再確認しました。
価格比では総じて満足度の高い買い物でした。
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