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ほぼ毎年のように通っているイズモコバイモの写真です。島根県邑智郡川本町谷戸(たんど)に咲く小さな花で、絶滅危惧種に指定されています。自生地の詳細はこちら(記事No.11)をご覧下さい。満開の時期は3月中旬で、昨年は桜が異様に早く咲いた為に訪問出来なかったのですが、今年は逆に満開を迎えていると思った段部の枝垂れ桜が二分咲きで撮影出来ず、急遽イズモコバイモ自生地を訪問して撮影しました。満開のピークを過ぎていましたが撮影を楽しめました。撮影日は2024年3月27日です。
最近は大口径レンズ+クローズアップレンズの撮影にチャレンジしていて、後半にカールツァイス・プラナー85mm F1.4 MMJにケンコーのACクローズアップレンズNo.3を装着した物で撮影した写真を掲載しています。
マクロアポランター編
先ずはKEN定番のマクロアポランター125mm F2.5SLによる作品です。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/640s, ISO 100
陽の光を浴びて斜面に咲く一輪。今年は花数が少なくて、群生した雰囲気が出ませんでした。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/250s, ISO 100, 二重露出
これは種類が違うのか、ツリガネソウの様に細長い花を持ったイズモコバイモ。密やかに語らう様な印象で。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/250s, ISO 100, 二重露出
小さな花のシベを覗き込むと、その花の内面を見ているような感じがしますね。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/100s, ISO 100, 二重露出
ボケに囲まれて、静かな思いに耽っている雰囲気。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/160s, ISO 100, 二重露出
光の中で、元気に咲いていた一輪。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/800s, ISO 100
小さな小さな存在だけど、凛とした存在感!
プラナー85mm F1.4 + ACクローズアップレンズNo.3編
最近本格的に挑戦を始めた、大口径レンズとクローズアップレンズによる撮影で、今回は Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ と Kenko AC Close-up No.3 による作品です。この組み合わせの場合、撮影距離は34cm-42cm、撮影倍率0.26-0.39倍という極めて狭い範囲でしか撮影出来ず、屋外での撮影は困難を極めます。しかし焦点距離330mmのクローズアップレンズを付けたプラナー85mm F1.4は、67mm F1.1という化け物スペックのマクロレンズになるので、その画像は通常のマクロレンズでは得られない世界になります。勿論欠点も沢山あり、使いこなしは難しいです。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/125s, ISO 100
描写の比較のために、マクロアポランター開放でのミヤマカタバミの写真。マクロレンズとしてはF2.5という明るい開放値を持つマクロアポランターですが、ボケ具合はこの程度になります。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + AC Close-up No.3, F/2.0, 1/125s, ISO 100
同じ被写体を同じ倍率で撮影した、プラナー85/1.4とACクローズアップレンズNo.3の写真。俄然被写界深度が浅くなり、ボケが大きく幻想的になりました。ピントの芯を出す為にF2で撮影していますが、クローズアップレンズを含めた合成F値はF1.5になり、マクロアポランターとは1.5段の違いがあります。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + AC Close-up No.3, F/2.0, 1/125s, ISO 100
儚い雰囲気のミヤマカタバミの小さな花。被写界深度が極めて浅いので、花の何処にピントを合わせるのか、神経をすり減らしながらの手持ち撮影です!
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + AC Close-up No.3, F/2.0, 1/3200s, ISO 50
夢の中で見ているかのような、現像的で朧気なイズモコバイモ。花びらの一点しかピントが合っていません。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + AC Close-up No.3, F/2.0, 1/1000s, ISO 50
光に囲まれた、幻想的な空間に咲くイズモコバイモ。子細に見るとボケが破たんしていますが、ボケの大きさがそれを覆い隠しています。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + AC Close-up No.3, F/2.0, 1/125s, ISO 100
背景が大きく惚けて、花一輪が浮かび上がっています。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + AC Close-up No.3, F/2.0, 1/500s, ISO 100
二重露出を使わずとも、この幻想的な描写。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + AC Close-up No.3, F/2.0, 1/1000s, ISO 50
最後は暗い背景で、シックに締めてみました。ソフトレンズの様に滲んだボケ、これもクローズアップレンズによる描写破たんの一部ですが、この写真ではいい感じです。
2024年6月9日
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