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昨年撮影した、柳井の町並み資料館に展示されていた三人官女に今年も会ってきました。「何で?」と思われる方も多いと思うので、本題に入る前に昨年までの経緯を、、、
2月から3月に掛けて様々な街で「ひな祭り」が開催されて、観光客は由緒ある雛人形を見学することが出来ます。KENも竹原、上下町、柳井などを訪問して雛人形、その中でも美人揃いの三人官女を撮り歩いています。その写真の一部を抜粋したのがこの写真ですが、どの三人官女も美人ながら、あくまで「お人形顔」でリアリティはあまりありません。
しかし、昨年柳井の町並み資料館に展示されていたこの三人官女をファインダーで覗いてビックリ。そこにはリアルな人間の様な表情があり、すっかり虜になってしまいました。この写真を含めて、昨年柳井で撮影した三人官女の一部を記事No.366として上梓しました。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/60s, ISO 800, C-PL
昨年のお気に入りのカットです。この官女は目鼻立ちがデフォルメされず現実の人間のプロポーションを持っているのと、髪がある程度自然に垂れて肩に掛かっているのが、リアリティを生んでいると思います。
雛人形は宮中の結婚式を模しているので、女性の髪型は宮中で十二単を着用する時の正装になる大垂髪(おすべらかし)という、横に大きく張り出して肩に掛からない様に結った髪型の後ろに、長く垂れた髪を配する様になっています。だから他の三人官女の髪型の方が正しいのですが、重力に反した髪型は見慣れない私にはちょっと不自然。またこの様な髪型が流行したのは江戸末期なので、この官女の自然に垂れた髪型は、それ以前のものとも言えそうです。
そんな蘊蓄は兎も角として、お気に入りのこの写真、ピントが右目に来ています。このアングルなら左目に無いとね、、、という事で、今年も訪問したのでした。撮影日は2026年3月4日。前日に上関で皆既月食を撮影した後で、広島に帰る途中で立ち寄りました。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/100s, ISO 800
という事で、今年も会ってきました。右側の長柄の銚子を持つ官女。
昨年の写真を見ると分かりますが、この官女の鼻の上と頬には傷があります。折角の独身女性のポートレートなので、画像処理で消しています。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/100s, ISO 800
こちらは提子を持つ左側の官女。
この官女は首元が割れてしまっていました。こちらも折角の独身女性のポートレートなので、画像処理で消しています。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD, F/2.5, 1/160s, ISO 400
左の官女をほぼ正面からアップで。少し微笑まれて、柔らかなお顔をされています。この人形セットの左隣にも雛人形が展示されていたので、こちらの官女を撮影するアングルに自由度が無くて、この程度で撮影終了となりました。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + SIGMA Close-up AML72-01, F/1.4, 1/250s, ISO 200
右側の官女を真正面から。少し若いのか、明るいお顔をされています。幸いなことにこの人形セットの右側は通路になっていて、この官女の横顔も撮ることが出来ました。今日の主役はこの官女です。
OS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/100s, ISO 800
右横から、長柄の銚子にもピントが来る様にしたアングル。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD, F/2.5, 1/160s, ISO 400
更に横に移動して、官女の横顔を。昨年見ることが出来なかったアングルですが、この官女の横顔はとてもチャーミングだと思います。
EOS 6D, Voigtraender MACRO APO Lanthar 125mm F/2.5SL, f/2.5, 1/60s, ISO 400
真横から。カメラの傾きを僅かに変えて、俯いたような角度で撮ると慎ましやかな女性の雰囲気が高まります。僅かなアングルで表情を変えるのは、まるで能面の様です。日本の伝統的人形造形のマジックでしょうか。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + SIGMA Close-up AML72-01, F/1.4, 1/250s, ISO 200, トリミング
更に後ろに回って。何か心配そうに話をしているかのよう。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + Canon Close-up 500D, F/1.4, 1/250s, ISO 400, トリミング
今度はすっと背筋を伸ばしたようなアングルにしてみました。同じ横顔でほんの僅かにカメラの水平を変えただけですが、キリッと凛々しくなりました。
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ + Canon Close-up 500D, F/1.4, 1/250s, ISO 400, トリミング
同じ写真をトリミングしてみました。はぁぁ、、ため息が出るほどチャーミングです。これ、現代の作品ではなく、戦後間もない頃の雛人形ですよ!
EOS 6D, Carl Zeiss Planar 85mm F/1.4 MMJ, F/1.4, 1/250s, ISO 200
参考までに、この雛人形の全体像(五人囃子から上だけですが、、)
雛人形に添えられていた説明文。どこかの名工の作かと思いましたが、昭和28年に一般家庭で購入された人形だそうです。資料館の人にお伺いしたら、人形の着衣の作りからすれば、それほど高額な人形ではなさそうとのことでした。しかし、この人形作者がお顔や髪型の流行や作法にとらわれず、自分の美学を人形に取り入れたことが、リアルな官女を生んだと思います。
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD, F/2.5, 1/125s, ISO 400
御殿様(男雛)。優しいお顔!
EOS 6D, Tamron SP180mm F/2.5 LD, F/2.5, 1/125s, ISO 400
お姫様(女雛)。官女と似たようなお顔ですね。
2026年3月15日
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