(前編からの続きです。前編を読まれていない人は先にそちらをお読みください)
クイックリターンミラーを使いながら、秒間10コマのモータードライブ(パワーブースターPBーE2にニッケル水素パック使用時、ワンショットAF)。立派ですねぇ...と他人行儀に言っておきましょう。私には何の興味もありません。それよりも意外なのはボディ単体では秒間3.5コマにしかならないこと。EOS3は4.3コマですので、下級機に負けています。そして不思議なのは、ボディ単体では低性能なEOS-1VにEOS3と同じブースターを付けると、EOS3では最高7コマだったモードラが10コマに化けることです。どこにしかけがあるのでしょう。単に本来ブースターが持っている性能をEOS3では電気的に制限しているとしか思えませんね。近い内にEOS-3Vが出て、EOS-1V同様に秒間10コマのモードラが採用されるのは確実でしょう。
撮影データの記録システムは、内蔵メモリーに3600枚分の撮影データを記録するというものです。このデータはカメラ単体では読み出せず(不便ですねぇ)、別売のパソコン接続キットでパソコンに取り込んで編集する形になっています。ここでキヤノン特有のお間抜けな設定が....接続キットはUSBのみに、ソフトはWindows
98をプリインストールしたパソコンのみに対応しています。まず私自身がマックユーザーだから言わせれ貰いますが、USBの最大のユーザーグループは疑いも無くマッキントッシュユーザーです。iMac以降に発売されたすべてのマックにUSBが標準装備である事に加え、アップルはデスクトップパソコンの1999年度販売実績で、メーカー別でトップ(シェア33%)だったのですから。にも係わらずマックを無視した設定というのは如何なる見識によるものでしょうね。特にグラフィック系の仕事をしている人にはマックユーザーの方が多いのに...
キヤノンは1980年代には(今も??)マッキントッシュの数少ない正規販売業者でした。にもかかわらずキヤノンのプリンターはNEC/DOSマシンにしか標準で対応せず、マック接続キットは1万円以上もする別売でした。結果的にキヤノンのプリンターはマックの世界では悲惨な販売シェアに落ち込んでいます。
さて、マックの話を脇にどけたとしても、Windows
98プリインストールマシンでしか動かないソフトというのはいったい....これはEOS-1Vを買うような人は、ホンのつい最近までパソコンなど触ったことも無いような遅れた人達(お年寄り??)だけだと考えているのでしょうか?日本でパソコン人口が爆発的に増えたのはWindows
95発売の時以来だと思うのですが..あなたのパソコンはWindows 98プリインストール機ですか??そしてUSBポートはついていますか??
マッキントッシュ対応ソフトは近日中に発売されるとは思いますが、Windows
95とかWindows 3.1時代のパソコンに対応するソフト&接続ケーブルは発売されないでしょう。見捨てられたあなた、抗議の声をキヤノンに投げかけましょう。
最後にもう一言、テキストデータを読み出すソフトが何で2万円もするんだ!一桁間違えてますね。値付けを。
さて、実物も見ない状態での第一印象ですが、AF、モードラといった動体性能だけを上げてきたカメラという印象で、マクロとか風景とかを主体に撮影する私には、進化に魅力を感じられません。それでもネイチャー派の人にEOSを使う人が多いのは、露出補正のしやすさ故でしょう。個人的にはEOS-1Vの登場で値ごなれするであろうEOS-1Nの方に興味がうつります。1N最大の欠陥である、装着しにくい上に、装着するとグリップを握れなくなるケーブルレリーズ端子は、サービスセンターでEOS3/EOS-1Vと同じワンタッチ端子に交換してもらえます。工賃は6000円位だと聞いています。ネイチャー派のひとはEOS-1Vを買うよりもEOS-1N端子改造の方がお勧めです。ネイチャー写真にとって必要な同等性能を半額で手に入れられるからです。もしあなたがスポーツ写真派なら、文句無くEOSー1V
HS + ニッケル水素パックがお勧めですが。
EOS-0の様なモデルの登場も期待したいですね。AF性能はそこそこで良いから(Kiss
III 並の7点測距で十二分です)、徹底的に見易い高倍率100%視野ファインダー&ファインダースクリーンと、ファインダー交換機能、更に使いやすい露出補正&AEロック(設定が勝手に解除されないもの)、縦位置シャッター付バッテリーパック、スマートメディアによる露出データ記録機能があれば完璧でしょう。
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