(前回分「私の三脚の条件」の続きです)
脚と雲台を別々に買う検討を始めると、もう二つの候補が出てきました。一つはスリック・プロフェッショナル2です。これは標準の雲台を含めると4.7kgもありますが、脚だけなら3.2kgです。軽量雲台と組み合わせれば使えそうです。もう一つはマンフロット455DUOです。これは基本的に055Cと同じ三脚ですが、エレベーターパイプを水平に挿してローアングル撮影が可能という特技があります。脚のみの重さは2.7kgです。
私はマンフロット055Cを含めた四種類の脚を店頭で触ってみました。
まずスリック・プロ700DX。
雲台の高さを含めると190cmまで伸びる三脚で、脚もエレベーターパイプも十分な長さがあります。しかし一つ大きな欠陥を発見しました。エレベーターパイプの固定は根元のリングを締めつけるのですが、これだけでは高さ方向も回転方向もエレベーターパイプを固定できないのです。その為に更に横からねじ込む止めネジが付いていました。これでは操作性が悪くなります。もう一つ、ローアングルを可能にするためには別売の短いエレベーターパイプ(3000円)を購入しなければなりません。店頭価格は雲台込みで24000円程度です。脚のみで注文すると16000円程度のようです。
スリック・プロフェッショナル2
第一印象が、頑丈で高品質な三脚、ということ。操作はしやすく、ガタはなく、エレベーターの作りも極めて高精度、頑丈です。標準の雲台を取り外して脚だけで持ってみると、思ったほどには重くありません。とても気に入りました。この三脚もローアングルを可能にするためには別売の短いエレベーターパイプ(4000円)に交換しなければなりません。店頭価格は雲台込みで34000円程度です。脚のみで注文しても値引率の違いから余り安くならず、30000円程度はするようです。
マンフロット455DUO
重さの割には華奢な感じの三脚で、感覚的には500g軽いスリック・プロ700DXと性能的に差が無いように感じました。エレベーターパイプはローアングル用の短いものも付属しています。一番の目玉の、エレベーターパイプを水平にさせる機能ですが、その状態で回転も出来、横方向に伸縮できるので、おもしろいアングルが狙えそうです。しかしそれを使うのは結構面倒そうです。何よりも、エレベーターパイプを水平にさした状態だと、カメラは常に下に向いてしまい、見上げるようなアングルに設定できないことが気になりました。価格は店頭価格は脚のみで23000円程度です。
マンフロット055C
455と脚の部分は同じ作りなので、重量の割には少し華奢な三脚です。違いはエレベーター部分。こちらはエレベーターを水平にさせる特技はありませんが、エレベーターが二重パイプになっていて、普段は短く、いざとなると倍の長さになって十分な高さまで伸びてくれます。二重のエレベーターを使ったときの強度は期待していなかったのですが、結構しっかりしています。しかも普段からローアングル可能な工夫がされている事は非常に気に入りました。定価は28000円で店頭価格は脚のみで23000円程度ですが、脚(28000円)、雲台141RC(12000円)、ストラップ(4100円)、一脚(7000円)がセットになって店頭価格29800円というお買得品もあります。雲台にクイックシューが付いていなければこれで良いのですが.....
四本の三脚を触って、気持ちは二者択一、スリック・プロフェッショナル2か、マンフロット055Cかに決まりました。あとはコストパフォーマンスの勝負です。必ずしも値段の安い方が勝つわけではありません。そこで、いつものカメラショップに出向き、以下の組み合わせの見積りを依頼しました。
A マンフロット055CB(脚、黒)
マンフロット141(雲台、クイックシュー無しタイプ)
マンフロット・ストラップ
B マンフロット055Cセット
→055CB(脚)、141RC(クイックシュー付雲台)、ストラップ、一脚
マンフロット141(雲台、クイックシュー無しタイプ)
C スリック・プロフェッショナル2(雲台付)
プロフェッショナル2用雲台受け(ローアングル用ショートエレベーター)
見積り結果は
B=A+4000円
C=B+2000円
となりました。BはAに比べて雲台一つと一脚が加わっています。カメラショップの店員の「141RC雲台、2000円で買い取りますよ〜」という言葉につられてAの選択肢は消えました。雲台を2000円で引き取ってもらえば、2000円で一脚が付きます。それよりも全く使わずに雲台を委託販売に出せば、定価が12000円ですから、5000円ぐらいで売れるはず。ということはBはAよりも安く、しかも一脚が付いてきます。
さて選択肢はBかCか...
最終選択はBのマンフロット055Cセットに141雲台を加えたものにしました。機動性を重視した結果です。値段との対比ではプロフェッショナル2が段トツの性能、品質感を持っていますが...4.7kgは少し重いし、軽くするための雲台は別途14000円ぐらいの出費になるので、値段差も開いてしまいます。もしマンフロットで力不足になる状況が出来たら(ヨンニッパクラスのレンズを使うとか)、思い切ってもっと重い三脚(スリック・ザ・プロフェッショナル)を買うことにしましょう。
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