お彼岸を一週間過ぎた週末に、女房と二人で彼岸花を求めてドライブに行きました。彼岸花はその名前の通りにお彼岸(秋分の日)にほぼ満開になりますが、花期は短く、一週間も過ぎると真っ白けに変色して枯れてしまいます。広島市内の彼岸花は既に盛りを過ぎて見るも無残な姿になっていたので、綺麗な花を求めて北の標高の高い方を目指して車を走らせました。
県道沿いには沢山の彼岸花がありましたので、車を走らせながら観察しました。日当たりの良いところの花は既に変色して枯れかけていましたが、日影になりがちな場所に咲く彼岸花の色は比較的良好で、開花時期は日当たりの良さに比例して早いようです。しかし、日影に咲く色合いの良さそうな彼岸花も、車を停めて見るとけっこう花弁が痛みだしていて、鑑賞&写真撮影には辛い物がありました。
状態の良い彼岸花を求めて更に車を走らせる内に、深い山あいの間の谷の集落に辿り着きました。ここは朝夕に日影になる時間が長いためか、花の色合いが全体的に良好でした。女房と私は車を停めて、花を求めて谷あいの細い道を歩き出しました。彼岸花というのは不思議な物で、5〜10本のかたまりごとに開花時期が違うようで、枯れたかたまりがあるかと思えば、その隣にはいままさに盛りを迎えようとしているような綺麗な花のかたまりが有ったりします。そんな観察をしながら歩いていると、突然、道の脇で動く物が....ガサガサガサ...ヘビです。まむしの様なヘビでした。実は女房はヘビが大の苦手..地球上の中で一番嫌いなのが近所の意地悪親父で、二番目に嫌いなのがこのヘビなのです。(ちなみに三番目はワニ)。そんなヘビに出逢った女房は絶句...
さて、ヘビに出逢った場所で女房と二人での彼岸花の花見や写真撮影など無理!ということで、場所を替えました。また車を走らせて、山に分け入って行く細い車道の脇(ここも日向になる時間が短い場所でした)に、比較的綺麗な彼岸花の群落を見つけ、そこで写真撮影をしました。
彼岸花というのは難しい被写体です。大きな群落でもあれば、広角レンズで群落全体を捉えて絵に出来ますが、私たちが探し当てたのは精々20〜30本ぐらいの小さな群落ですから、マクロ系での撮影が基本になります。ところが彼岸花は非常に立体的な造形をしていて、どこが花の中心なのか判りにくい形をしているので、被写界深度の浅いマクロではピント合せが非常に難しい。私の考える基本は、花を真横よりも少し上から狙い、花の中心に有る花弁の幾つかにピントを合わせ、その被写界深度の中に外に大きく広がったシベも何本か捉える、という撮り方です。真上、あるいは真下から狙うのも面白いですが、これは背景となる地面とか、空とかの状態が良くないと絵にしにくいです。露出であまりプラス補正をすると、赤の深みが失われてしまいます。
そんな私なりの基本を押さえてしばし撮影して、また場所を替えようと思い、車に向かうと道の真ん中に蚊取り線香のような形....なんと車にひかれてカラカラになった小さなヘビの死骸でした。そこでもまた絶句の女房...私は彼女をなだめて車まで連れて行き、さっさとその場所を離れました。
最後に立ち寄った場所は、来る途中で見つけたコスモスの群落。大きな畑の中に、一画だけ全てコスモスの区画があったのです。そこに車を止めて撮影しようと思いましたが、残念ながら花の状態が傷んでいて、絵には出来ませんでした。女房と私は撮影をやめて、しばしのどかな田園風景の中に咲くコスモスの群落を眺めて散歩しました。とても綺麗な景色です.....ふと気づくと私のすぐ後を歩いていたはずの女房が、かなり後ろの方で立ち止まって固まっていました。どうしたのだろうと声をかけると「ワ・ワ・ワァ..」と、声にならない声をあげて駆けてきました。なんと道端で大きなヘビがかま首あげて女房と睨めっこをしていたのです。私も同じ道を歩いていたのですが私は気づきませんでした。女房はその先の丸いカマ型の造形を見つけて「ま・さ・か」と思って注視してしまったのです。その結果が大きなヘビとの睨めっこ....(笑)
私はよく野原に撮影に行きますが、滅多にヘビには出逢いません。それが3時間ほどの間に3回もヘビに出逢うとは、余程我が女房はヘビに縁が有るようです。キライキライと思っていると、却ってその嫌いな物に出逢うのでしょうか。そう言えば最近、女房と車で出かけようとすると、例の意地悪親父によく出会う気がする...(笑)
女房が睨めっこをしてしまったヘビ
EOS 3, SIGMA180mm F3.5 EX Macro, F3.5, +1.0EV(1/400sec.),
RVP
つぶやき vol.101 につづく
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