このつぶやきを読む前に、つぶやき
vol.59を読んでください。より話が面白くなります。
お彼岸の一週間前の週末に、コスモスと彼岸花の撮影に出掛けました。去年の教訓を活かして、撮影の時期を2週間早くし、また朝から出掛けました。今回は女房の同伴なしの一人での撮影です。目的地は広島県庄原市にある国営備北丘陵公園です。丘陵公園の開園は9時30分ですが、私は朝5時丁度に家を出ました。開演までの数時間、周辺の野原で柔らかな朝日の下での撮影をしようと思ったからです。
日の出前の薄明の空に新月が輝く中を、三次方面を目指して車を飛ばしました。途中、三次市内で日の出を迎え、駅でトイレを借りたあと庄原の方に車を向けると、江の川を渡った所から濃い霧に包まれました。そう、三次盆地は朝霧の名所、しかも前日まで雨が降っていたので、霧が発生しやすい状態だったのです。朝日に朝霧、写真にとっては好材料です。ラッキー!!p(^o^)q
庄原付近を色々と移動しながら霧の中の景色を暫く撮影していると、やがて霧も晴れ、とある田んぼの縁に綺麗な彼岸花の群落を見つけました。私は車を止めて、カメラバッグと三脚を担いであぜ道の中へ...まだ咲いたばかりの彼岸花の群落で、蕾は周囲にたくさんある物の、傷んだ花の無い非常に撮影しやすい状態です。おまけに朝の濃い霧のお蔭で宝石のような朝露をたくさんつけていました。花を目の前にした私はいつもの様に、花と同じ高さまで身を屈め、絵になりそうな花と背景を探しました。するとありました。一つだけちょっと背が高く、形が美しく、周りに美しいボケになりそうな花達を従えた一輪の彼岸花。その花の手前1mぐらいのところに、マンフロット055CBを最もローアングルの状態にして設置しました。周りの花を傷めないように気をつけて、脚を一杯に広げた三脚を地面に置きます。その時の三脚を持つ右手と地面の距離は5cmほど...その手の先には....大きなとぐろを巻いたヘビ!!...
「うわぁっ!」
...と驚きのあまり心の中で叫んでしまいました。
しかし良く見るとそのヘビには厚味がありません。去年の様にクルマに踏み潰されてカラカラになった死骸かと思いましたが、そこは人ひとりがやっと通れる田んぼのあぜ道、地面は草で覆われ、踏み潰す様な物は通りません。どうやら脱皮したあとの抜け殻の様でした。それでも全長1mぐらいはあろうかというヘビの抜け殻は、一瞬ビックリ仰天するのに十分な迫力がありました(^_^;
三脚の真下には大きなヘビの抜け殻...しかしそこはベストアングル...少し気持ち悪かったですが、私はカメラを低く設置して、身を屈めて数枚撮影しました。その後もベストアングルを求めてあぜ道から1mぐらい下がった田んぼの縁まで下りたりしましたが、ヘビの事が気になり、私は伸ばした三脚の脚で(もしヘビがいたら追い払えるように)行く手を突きながら進みました。
しばらくすると背後から声をかけられました。農作業に出てきた農家のお婆さんです。もちろん田んぼの中を堂々と歩かれています。
「おはようごぜぇます」
「おはようございます」
「何をしとるんけ?」
「写真を撮っています」
「ええのが撮れましたかいのぉ」
「ええ、まあまあですね。朝露が綺麗ですよ..」
「おお、そうじゃね〜。朝はよう霧がでとったけぇね」
「そうですね」
と和やかな会話をしましたが、ヘビがいたらどうするのだろう?と思うような田んぼの真ん中を堂々と歩くお婆さん。私はそちらの方が気になって仕方ないのですが、お婆さんの方はきっとヘビに逢うことなど日常茶飯事で気にならないのでしょうね。
やがて朝食をコンビニでとり、備北丘陵公園に行きました。そして午後3時ぐらいまでの6時間を花広場でのコスモス撮影に費やし、帰り際に公園内の「ひばの里」というエリアにある田んぼに行きました。彼岸花が咲いているはずだからです。するとありました。何と黄色い彼岸花!私は嬉しくなって数枚撮影し、更に赤い彼岸花の群落でまた何枚か撮影しました。アングルを求めて田んぼの中まで下りました...例によってヘビには注意しながら...しかし、危惧には及ばず、バッタとカエルぐらいしかいませんでした。フィルムがまだ少し残っていたので、少し離れた場所の彼岸花も撮影しました。そこはあぜ道ではなく、広い土の道。その土手の辺りに群落はありました。秋空と農家という背景と取り入る為に、カメラに広角レンズとアングルファインダーをつけて手持ちローアングルで撮影しました。そして、ふと顔をあげてみると、左手の1mぐらい先に、全長1.5mぐらいありそうな、大きなヘビが...二匹も!
オイオイ(^_^;
去年の彼岸花撮影の時に見たヘビの数は生きた物が二匹、カラカラになった物が一匹。今年の彼岸花撮影でも結果的に同じ数のヘビを見てしまいました。そんな感慨にふけりながら(笑)、レンズを広角から70-200mmズームに付け換えてヘビの撮影をしておきました。一匹は見つけたすぐあとに田んぼの中に消え、もう一匹は土手の彼岸花の中を悠々と進んでいきました。
帰宅後、夕食時にこの話をすると、女房は開口一番
「ほら、私のせいじゃないじゃない!」
「私がいなくたってヘビに逢うじゃない!」
と勝ち誇ったように言い放ちました。去年の出来事を私は女房のせいだと、ホームページを初めとしてあちこちで言いふらしましたので(笑)、女房はそれを根に持っていたようです。
かくして昨年女房に向けられた疑惑は、今年濡れ衣であったことが証明されたのです。彼岸花の咲く辺りにはヘビが多いという事でしょうか。良かったね〜〜>我が奥様。
でも私は、去年ヘビに出逢ったのは女房のせいだと思うけどね(^o^)
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<左の写真>
最後に見掛けたヘビ。二匹いたけど、一匹はすぐに田んぼに下りてしまった。これは残りの一匹で、デカイです。
EOS 3, Sigma AF70-200mm F2.8 EX (200mm), F4,
AE (+0.0EV, 1/200 sec.)
<右の写真>
備北丘陵公園のひばの里に咲いていた黄色い彼岸花。しかし毎年ここに黄色い花が咲くのではありません。去年までは赤い花だけでした。デジカメで撮影。 |
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