(前編からの続きです)
新しいマウントによる21世紀のコニカの一眼レフはどのように有るべきか...
♪♪ この辺りに 「しばしの沈黙」 があります。♪♪ ((c)
IMOやん)
コニカの一眼レフの姿をあれこれ思い巡らせましたが、それらはみな大手他社がしそうな事でした。それらをはねのけて多くのカメラマンが新たにコニカのシステムを組むでしょうか?可能性はゼロではありませんが低いでしょう。そこでもっと良い方法を思いつきました。コニカは一眼レフには参入せず、代わりに...
コニカはタムロンと提携して、
様々な一眼レフカメラボディで使えるヘキサノンレンズ群を発売する!
ヘキサノンの描写を楽しみたい様な「通」のカメラマンは、すべからく一眼レフシステムを既に構築しているはずです。そんな彼ら(私を含めて)に新たなシステム構築を求めても無理があるし、仮に構築したとしても既存のシステムと同時には使えない(使いにくい)ので、どうしても使用頻度が落ちてしまいます。ヘキサノンはコレクターや写真機マニアの為のレンズではなく、作品を作り上げるカメラマンの為のレンズであって欲しいと思います。だったら無理して専用の一眼レフを作るのではなく、レンズだけ作って全てのカメラマンに提供した方が賢いと思いませんか!?
そこで、タムロンの登場です。タムロンはAFカメラ用のレンズを準備する一方で、アダプトール2というMF派の救いの神のようなマウントシステムを持っています。ヘキサノンを全てのカメラマンに提供するという目的に対してタムロン程ふさわしいシステムは無いでしょう。コニカはタムロンと技術提携して、AF、MF両方のマウントシステムとその設計技術の使用権を購入します(あるいはマウント機構部の設計生産はタムロンに委託しても構わないかも知れません)。そしてコニカを発売元として各社一眼レフ用のARTヘキサノンシリーズを発売するのです。
ちょっと話が脱線しますが、新しいレンズの名前について。ヘキサーRFシリーズ用のレンズ名はMヘキサノンです。言わずと知れたMマウントから来たネーミングです。一方で一眼レフ用のレンズは伝統的にARです。Aは自動絞りを示すAuto、Rは一眼レフを示すReflexです。その新世代レンズですから何かサフィックスが必要ですね。最後のTは特に意味は無いのですがタムロンのTでも構いません。で、三つ併せてART(芸術)。新世紀ヘキサノンARに相応しい名前だと思います。商標のチェックは必要ですが...
さて話を戻して、ARTヘキサノンシリーズはどの様なコンセプトで有るべきでしょうか。タムロンを活用するのですから、当然AF、MF両方のカメラに共通レンズ設計で対応すべきでしょう。勿論最新のAEにはすべて対応する必要があります。ニコンやミノルタのD対応は必須です。で、ここが核心なのですが、MFは当然として、AFカメラ用のレンズはAFであるべきでしょうか?私はここで大声でNO!と言いたい。AFを放棄することでフォーカシング系を無理に軽くする必要も無くなり、より描写に重点を置いたレンズ設計が可能になります。これに似たことがコンタックスAXのカタログの冒頭に書いてあります(にも拘わらずコンタックスはAFレンズ
を発売した!AFのツァイスの描写など信用せんぞ!)。MFだけなら重量的に重い金属鏡筒や比重の高い硝子材料も遠慮無く使えるようになるし、極上のフォーカスフィーリングも実現しやすくなります。ヘキサノンはカールツァイスを超える描写最優先、そして所有物としての満足度最優先のレンズであるべきです。この競争の激しい世界で生き残るには頂点で絶対的な分りやすい特徴を備えることが必要条件です。その為にAFを放棄する...これが私からの提案です。
みなさん、わくわくしませんか?あなたのカメラにヘキサノンが付く!5年後にはこんな撮影データがフォトコンを席巻するかも知れません。
Contax RTS IV, ART HEXANON 60mm F1.2,
F2.4 AE, RDP IV
Nikon F6 Digital, ART HEXANON 180mm F2.0,
F2.5, AE
MINOLTA α9N, ART HEXANON MACRO 120mm F2,
F2, AE, RVP II
PENTAX LX, ART HEXANON 25mm F1.8, F8, AE,
E100VX
OLYMPUS OM-4Ti, ART HEXANON 90mm F1.4, F2.4,
1/250 sec., RDP IV
LEICA R9, ART HEXANON 40mm F1.4, F5.6, AE,
RAPII
KONICA FTA, ART HEXANON 250mm F2.5, 1/250sec.
AE, REALA X
EXAKTA VAREX VX, ART HEXANON 40mm F1.4, F2.8,
1/500sec. EPN
ARTヘキサノンシリーズのレンズバリエーションはどの様な物になるでしょうね。描写最優先ですから、基本は単焦点でしょう。その焦点距離は純正メーカーとの差別化とヘキサノンの存在感を高めるために、他社の焦点距離から少しずらした物がおもしろそうです。またヘキサノンのブランドイメージを壊さないためにも最初は大口径から発売した方が良いでしょう。結果的に初期のレンズバリエーションは上記データにあるような物が良いのではないかと考えます。しかし我々の財布の中味はそれほど潤沢ではありませんので、描写はそのままに価格と重量を抑えた中口径レンズ(上記データから1〜2段開放値が暗いレンズ)も欲しいところです。ヘキサノンブランドの性格からして、超望遠、超広角はあまり要らないのではないかという気がします。20mmからせいぜい350mmぐらいまでの焦点距離があればOKでしょう。
描写に拘わるコニカならではの革新的な機構が組み込まれるとおもしろいですね。半透明グラデーション円形絞り併用による可変ボケ調節とか...フレアコントロールとか。
本当にヘキサノンがこんなレンズを発売したらビッグニュースだろうなぁ...
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さて、仮にヘキサノンが35mm一眼レフ用レンズの世界に進出を果したとして、次ぎなる手はどう有るべきでしょう。そう中判、大判用レンズへの進出です。タムロンと提携するのですから、真っ先にブロニカ=ヘキサノンレンズは発売しなければなりません。むかしブロニカ=ニッコールといのが有りましたが、それ以来のデュアルブランドレンズの誕生です。これによりブロニカの販売は倍増するでしょう!?(現在あまり売れていないようですし)。
それ以外の中判カメラ、ペンタックスとかマミヤとかがコニカにマウントのライセンスを供給するかどうか分りませんね。提携先のタムロン(ブロニカ)はこれらメーカーの直接的なライバルですから。もしマウントライセンスを供給してくれたら、ペンタックスやマミヤの中判カメラ用のヘキサノンも発売しましょう。
大判用レンズ、あるは中判限定でもビューカメラ用のレンズとなると自由な世界です。ホースマンとかリンホフとかを持っている人はメーカーに拘わらず好きなレンズを使うことが出来ます。そこにヘキサノンが参入したら相当に面白いと思います。素人目には絞り込んで「カリッ」とした描写を目指した物が多い中大判カメラ用のレンズに、ソフトなタッチを併せ持つようなレンズの登場。かつての35mm用マクロレンズもみな絞って「カリカリ」路線でした。それがタムロンやOMズイコー90mmの登場で一気にソフト路線に変わってしまったように、ヘキサノンの参入で中大判レンズの流行も変わるかも知れませんね。
かくしてヘキサノンのカメラ界席巻のシナリオが出来上がりました。こんな生き方、とてもニッチでおもしろいと思うけど、コニカさん考えてみませんか?
(2006年7月追記):最後まで読んで頂きありがとうございます。この文章は2001年当時の個人の勝手な想いを書いたものですが、その後コニカはミノルタを吸収した挙げ句にカメラ事業から撤退してしまいました。タムロンもアダプトールを止めてしまいました。しかしここに書いて有るコンセプトは、コシナがツァイス、フォクトレンダーなどの伝統的なブランドと技術を引き継ぎながら地道に展開しているとも言えますね。 |