私にとって被写体に乏しく、撮影頻度の落ちる(2002年)1月中旬になってから、手持ちのシグマのレンズの中から以下の5本を修理に出しました。内4本はEOS7での絞り作動不良、一本はEOS-1/1N/1V/D30での絞り作動不良への対応です。
EOS7対応ROM交換
・SIGMA AF 14mm F3.5
・SIGMA AF 28mm F1.8 II
・SIGMA AF 28-70mm F2.8-4 UC
・SIGMA AF APO170-500mm F5-6.3 ASPHERICAL
RF
EOS-1/1N/1D/D30対応ROM交換
・SIGMA AF APO MACRO180mm F3.5 EX
EOS7を持っていないのにROM交換に出した理由ですが、ROMのある内に交換しておかないと修理が出来なくなると思ったからです。EOS7を買う気はありませんが、EOS7に対応していないという事はEOS7以後に発売されたEOSにも対応していないという事になり(2002年2月現在なら例えばD30とか1Dとか)、それらを後日手に入れた時に困るからです。
一方、180mmマクロがEOS1シリーズで不具合を起こすのは純然たるシグマの設計ミスの様です。
私の70-200mm F2.8 EXの絞りが電圧にかなりセンシティブな様で、EOS3で時々絞り不作動を起こします。防止策はかなり頻繁に端子を接点復活剤で掃除することです。他のレンズではこの様な神経質な事は不要ですので、これも設計ミス、あるいは不具合の様な気がしますが、今回の対象にはなっていません。
ROM交換は実は二度目で、EOS3を入手した際に28-70mm
F2.8-4と170-500mm F5-6.3をROM交換に出しています。またその後中古で買った28mm
F1.8 IIもROM交換に出しました。その際には概ね1ケ月程度の期間と一本当たり送料1050円(税込み)を請求されました。
そして今回またEOS7対応などの為に一挙に5本ものROM交換となったのです。送料がまともに請求されれば、それだけで5250円もの出費になります(これを書いている時点でまだ修理完了せず)。
後日談;結果は送料2000円+税金でした。5本のレンズの修理依頼票を一枚の伝票に書ききれず二枚に書き分けたのですが、そうしたら伝票当たり1000円+税の請求が来ました。一気に5本もレンズを出す人も少ないでしょうが、もし大量にある場合には無理して一枚の伝票に納めるか、ホチキスで留めるなりしてあくまで一枚の伝票にすると、無用な出費が抑えられると思います。修理には約3週間を要しました。
ROM交換も二度目となると少々嫌気も起きてきます。これが三度目になったらROM交換せずにレンズを処分したくなるかも知れません。これではキャノンの思うつぼですが、シグマ愛用家として二度とその様な事が起きないように、どんなEOSが来ても動作するような少々オーバースペックなROMにしておいて欲しい物です。
これら絞り作動不良の情報はシグマのホームページに掲載されていますが、それ以外には特に情報源が無いようですので、私の様に定期的にチェックしている「好き者」はともかく、一般の方は実際にEOS7及びより新型の機種で使って作動不良になるまで気づかないのでは無いかと思います。シグマレンズとEOSを愛用されている方は、新型EOSが発売されたら、暫くしてからシグマのホームページをチェックする癖を付けた方が良いでしょう。ROM交換修理費そのものは無料ですが、宅配便などでサービスセンターに送付する場合の送料は自己負担です。カメラショップから修理に出しても、送料は請求されます。
EOS7での絞り作動不良と修理の告知は2000年10月20日付でシグマのホームページに掲載されましたが、当初掲載されていたレンズと、最近(2002年1月末時点)で掲載されているレンズが異なっています。幾つかのレンズが旧タイプ扱いにされ、かつ旧タイプについては掲載が全面的に削除されました。そして「旧製品に関しては、下記までお問い合わせください。」という注釈が加えられています。恐らく、現在EOS7などの最新鋭機を持っていて本当に困っている人以外の修理を抑制する為に削除したのでは無いかと思います。修理は日研テクノで行われ、シグマが負担する修理費はかなり高額ですので。この不景気で抑制出来る出費は抑えたいと思うのはどの企業でも同じでしょう。
ご参考までに、初期の告知に掲載されたレンズリストをこちらに再掲載しておきます。紫色の文字のレンズはその後の告知では削除されています。この初期の告知リストにすら無いかなり古目のレンズはROM交換そのものが出来ないと思った方が良いでしょう。
現在は最新のレンズでも、いずれは旧製品になります。その時にEOS新製品で不具合が発生したとしても修理できないことがあり得ます。シグマのEOSマウント(そしてαマウント)レンズを長期に使うという事は、そのリスクを覚悟しなければなりません。
EOS7での絞り作動不具合対象レンズ
(2000年10月20日発表時点のリスト。紫文字のレンズは2002年1月時点では削除され、代わりに旧製品はシグマまで問い合わせて欲しいとの旨の断り書きが追加されている。)
<現行製品>
24-70mm F3.5-5.6
UC
MINI ZOOM MACRO
28-80mm F3.5-5.6
MINI ZOOM MACRO
28-80mm F3.5-5.6 ASPHERICAL HF
MINI ZOOM MACRO
28-80mm F3.5-5.6 II ASPHERICAL
28-105mm F2.8-4
ASPHERICAL
28-105mm F3.8-5.6
UC-III ASPHERICAL IF
28-135mm F3.8-5.6
ASPHERICAL IF MACRO
28-200mm F3.5-5.6
DL ASPHERICAL HYPERZOOM MACRO
28-300mm F3.5-6.3
DL ASPHERICAL IF HYPERZOOM
70-210mm F4-5.6
UC-II
APO MACRO SUPER
70-300mm F4-5.6
70-300mm F4-5.6
DL MACRO SUPER
100-300mm F4.5-6.7
DL
APO 135-400mm
F4.5-5.6 ASPHERICAL RF
APO 170-500mm
F5-6.3 ASPHERICAL RF
8mm F4 EX CIRCULAR
FISHEYE
15mm F2.8 EX
DIAGONAL FISHEYE
24mm F2.8
28mm F1.8 II
ASPHERICAL
MACRO 50mm
F2.8 EX
MACRO 105mm
F2.8 EX
<旧製品>
14mmF3.5
18mmF3.5
50mmF2.8
MACRO
90mm F2.8 MACRO
APO MACRO 180mm
F2.8
APO MACRO 180mm
F5.6 UC
APO 300mm F2.8
APO TELE MACRO
300mm F4
APO TELE MACRO
400mm F5.6
APO 500mmF4.5
APO 500mmF7.2
APO 800mmF5.6
APO 1000mmF8
18-35mmF3.5-4.5
ASPHERICAL UC
28-70mmF2.8
28-70mm F2.8-4
UC
28-105mm F4-5.6
UC
28-105mm F4-5.6
UC-II
28-200mmF3.8-5.6
70-210mmF3.5-4.5
APO MACRO
70-210mmF2.8
APO
28-200mmF3.8-5.6
ASPHERICAL UC
D30及びEOS-1V、EOS-1N、EOS-1での絞り作動不具合対象レンズ
(作動しない場合があるというもの。2001年4月19日告知)
20mm F1.8 EX
DG ASPHERICAL RF
24mm F1.8 EX
DG ASPHERICAL MACRO
28mm F1.8 EX
DG ASPHERICAL MACRO
APO MACRO 180mm
F3.5 EX IF HSM |
(2006年5月17日追記。殆どのレンズでEOS7対応ROM交換サービスは終了しているようです。詳細はシグマ(株)にお問い合わせ下さい)
(2007年10月7日追記。EOS7対応したレンズならEOS Digitalでも動作するようです。詳細はこちら。)
シグマばかりではなく、トキナーやタムロンのROM交換の事も書かないと不公平ですね。それは次回つぶやきの話題としましょう。
なお、シグマ(及びトキナー)はミノルタマウントでα7における作動不良も出していますので、現在ミノルタマウントのシグマ(及びトキナー)レンズをお使いの方で、いずれα7やそれよりも新しいαを買うつもりのある方は、ROMのある内に交換することをお勧めします。
続く
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