出張先で、その日の仕事を終えて夕食を食べ終わった頃に携帯電話が鳴りました。電話の主は女房で、
「フォトテクから電話があったよ。日曜日まで帰らないと伝えたら、月曜日にまた電話するって。取材がしたいって言っていたよ。」
なんだろう?と思いつつ、おおよその察しはつきました。最近のフォトテクニック誌の必撮コーナーには、各部門に一枚だけ作者のコメントが掲載されるようになったからです。そのコメントの取材だろうと思いました.....という事は、念願の必撮大掲載か!?
Photo Technic 2002年3/4月号に応募した写真は3枚。風景・ネイチャー部門に2枚で、いずれも紅葉の写真です。そしてノンセクション部門に1枚で、これはミラノの夜霧の写真です。私はどちらの部門だろうか?と考えつづけました。希望としては風景・ネイチャー部門の方が嬉しくて、北中康文さんが審査員になってから「もうすぐ必撮」にすら全く氏名掲載されなくなってしまったからです。それ以来なんとか北中さんの眼に留まる写真を撮りたいと思いつづけているのです。一方のノンセクション部門は、その部門名の通り、いまひとつ求められているものがはっきりしない部門です。この部門には私自身もつかみ所の無い写真を応募して(笑)、これまで2度も「もうすぐ必撮」に名前掲載されました。なんとなく審査員の大西みつぐさんとは相性が良い様な....しかし掲載に至るには写真に最後の詰めが甘いようです(笑)。
相性の良さからすればノンセクション部門かな?と思いつつ、私は風景・ネイチャーの可能性の方が高い気がしていました。その理由は後程語りましょう。
月曜日は早めに会社を切り上げ、自宅でフォトテクからの電話を待ちました。そして夜8時30分に電話がなり、私が応対しました。
「はい、●●です」
「こちら写真雑誌のフォトテクニックのものですが、●●○○さんですか?」
「はい、私が○○です。」
「あの、応募頂いた写真を掲載させて頂くことになりまして、それを撮影した時の事を少しお伺いしたいと思いましてお電話させて頂きました。作品はですね、ミラノの夜の霧と街灯という写真で、とても幻想的な写真になっていますね。これはどのように撮影されたのですか?」
「あれはミラノに出張に行った時の写真でして、時差の為に朝3時ごろに目が覚めまして、ホテルの表を見たら濃い霧が発生していたんです。それでカメラを持って撮影に出かけました。ミラノの住宅街の道路は水銀灯の街灯で照らされているんですが、交差点だけナトリウムランプなんです。多分、ここが交差点だから徐行しろ、という意味なんでしょう。その交差点付近で撮影しました。水銀灯は白いですが、写真では緑になることを知っていましたので、緑色とナトリウムランプのオレンジ色のバランスを考えて、携帯三脚を持っていたのでそれを地面において撮影しました。」
「住宅街、との事ですが、木が多いですよね。」
「そうですね。ミラノの住宅街の道路は街路樹が植えられていまして、住宅はその木々の裏側にあるカタチになっていました。それで住宅がなるべく目立たないように....写真左側に大きな木が写っていると思うのですが、この木で住宅を隠して撮影しました。」
「それで、この様な写真になっているのですね?」
「ええ。」
「海外出張にはよく行かれるのですか?」
「え〜っと、一年に一回ぐらいですね」
「そうですか。では今日伺ったことをもとにコメントを掲載させて頂きます。ありがとうございました。」
「こちらこそ、ありがとうございます。」
この電話によって、ノンセクション部門への掲載が確定しました。どの部門にしても私のコメント付きで掲載されるのは超嬉しいものです(^o^)。
話題が脇道に逸れますが、コメント付きの掲載はこれで二度目で、前回は初心者の為のステップアップアドバイスのコーナーに掲載された蝶の写真の時でした(Welcome
Galleryにある写真です)。その時は封書でコメント提出依頼が来て、郵送で返信しました。今回は電話でしたが効率から考えると一長一短だと思います。仕事などの関係で電話だとなかなか本人にコンタクトできないと思うのですが、どうなんでしょう?電話は一回目も二回目も8時30分にかかってきましたが、私の普段の帰宅時間は10時過ぎだからなぁ.....などと言う心配は無用かな(笑)。3度目のコメント付き掲載があるかどうか.....多分無いでしょう(^_^;)
電話を切って、ノンセクションへの掲載が決まった事を知り、私の脳裏に浮かんだ言葉が
「捨てる神あれば、拾う神あり」
です。今回掲載されることになった写真は、実は以前、風景・ネイチャー部門に応募して「もうすぐ必撮」にもならなかった落選写真なのです(^_^;)。だから今回の掲載も、一回落選になったミラノの写真ではなく、初応募の紅葉の写真かと思っていました。その落選した方の写真を別部門に応募したら、コメント付きの大掲載ですから、まさに地獄から天国。審査員が変わると評価も変わりますね。
拾って頂いた 大西みつぐ神に感謝 (-人-)ナムナム....
捨てて頂いた 北中康文神に....一度ぐらい拾ってください!!(-人-#)
ムムム...
今回掲載となった写真を撮影した状況はつぶやきvol.34に記載しています。
EOS 100, SIGMA 28-70mm F2.8-4 (40mm), F5.6,
AE(30秒), RVP
後日談: この写真はとても大きく、2ページにまたがり掲載されました。そして翌号では、編集部の選ぶ2002年3/4月号のベスト5の第三位に入りました。望外の大変光栄な結果になりましたが、それだけに初回応募時の「もうすぐ必撮」にも入らない落選は何だったんだろう?と思ってしまいます。まさに地獄から天国...捨てる神あれば、拾う神あり!
(2002.4.24)
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