ありがとう、湯来の枝垂れ桜
KENのつぶやき vol. 305 (2009.3.28)
広島市佐伯区湯来町・湯の山温泉にある枝垂れ桜は,私が毎年最上級の本気で撮影してきた被写体です。桜と周りの撮影ポイントの状況はつぶやき130にも掲載しています。
2009年春にも当然夜明け前から撮影に行く予定にしていましたので、3月28日の午後に開花状況と撮影ポイントの下見に訪問しました。まだ二分咲きぐらいだろうと思って桜の下に行くと、異例とも言える早さで桜はほぼ満開になっていて、優美な姿で私を迎えてくれました。しかし北側の畑の奥にある恒例の撮影ポイントに行こうとしたら、ショッキングな情景が目に飛び込んできました。レンギョウやモクレンなど綺麗な花が植えられて、優美な桜の姿に彩りをそえていた畑が姿を消して、宅地造成でしょうか。重機が入って工事していました。これでは撮影になりません。
この桜とその周りの土地は個人の所有物であり、持ち主の方の事情を昨年小耳にはさんでいたので、「今後は撮影しにくくなるかな?」と思ってはいたのですが(それ故の下見なのです)、一気にここまで変化するとは思いも寄りませんでした。
今はただ、過去8年間に渡って私を楽しませてくれて、フォトコンテストの入選も何度か恵んでくれた枝垂れ桜とその持ち主の方に感謝しつつ、湯来での撮影に事実上の終止符を打とうと思います。今後も撮影に来るかも知れませんが、かつての様な本気撮影は無理でしょう。
過去の作品と、それを撮影したポイントから見た2009年3月28日の情景を並べて、かつての美しい撮影地を忍びたいと思います。(桜の手前に残るモクレンの木の位置で、同一の撮影ポイントである事が分ると思います)。
桜の背後にある家を左右の立ち木で上手く隠せる、お気に入りの撮影ポイントでした。ここで撮影した別の写真がフォトテクニック誌の必撮ネイチャー部門で大掲載になりました。
畑の一番北西側の撮影ポイントで、私は「スイートスポット」と呼んでいました。美味しい情景に恵まれるポイントは2〜3名分しかありませんでしたが、満開の日曜の朝にはカメラが左右には隙間無く、前後は三列も並ぶほどの混雑ぶりでした。手前の黄色いレンギョウの花は、この桜と共に重要な俳優でしたが、そのレンギョウももうありません。
ここには畑の中に入って撮影出来る小さな広場がありました。ここからだとレンギョウやモクレンを大きく前景として扱って画面構成出来ました。現在は重機が入って造成しています。来年ここには建物が建っているのでしょう。
枝垂れ桜は今年も綺麗に咲いています。来年以降も周りがどの様な環境であっても綺麗に咲き続けけるでしょう。本当に美しい桜です。
今まで、ありがとう!
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