レンズ&構図検討用の糸ファインダー
KENのつぶやき vol. 390 (2014.5.10)
大判カメラの場合、カメラを組み立ててレンズを装着してセッティングしてからでないと写る範囲を確認する事が出来ません。またレンズを付け替えると蛇腹長を変える為に手間が掛かります。加えて私が使っているアートパノラマ170ホルダー用のピントグラスは、日中の情景でも画面周辺部が暗くて殆ど何も見えず、先日の撮影で画面両側に余計な物が写り込んでしまいました。
そこで、カメラをセッティングしなくてもレンズ焦点距離と構図を検討出来る原始的なファインダーを製作しました。アイデアそのものは10年ほど前に読者の方から掲示板で教えて頂いた物です。
材料は透明なプラスチック板(B5サイズの下敷き)と、タコ糸の様な丈夫な糸(家にあった焼き豚用の糸)。
そして2014年2月7日のダイアリーで紹介したバイク用のピンストライプです。
いきなり完成品です。作り方はプラスチック板の上にフィルムサイズと同じ大きさの枠をピンストライプで加えます。私の場合は中判パノラマ撮影がメインなので、617(172mmx56mm)と612(112mmx56mm)の枠を作りました。大判、中判パノラマの場合は原寸で問題ありませんが、もし35mmや645用を作るのなら3倍ぐらいの大きさの方が使いやすいと思います。
そして画面枠の中心に穴を空けて糸を通し、その糸に1cmごとに目盛りを付けるだけです。もし画面枠をX倍スケールで作ったのならばXcm単位(あるいは焦点距離5mm単位の目盛りにするならX/2cm単位)の目盛りにします。
使い方です。糸の長さがレンズ焦点距離になる所を右手で持ち、その根元を目の下にくっつけて、左手を伸ばして透明板越しに情景を見ます。枠内に写る情景がそのままその焦点距離のレンズで写せる範囲になります。糸を持つ位置を変えればレンズ焦点距離を変えた事になりますので、レンズ選択、構図検討には極めて便利な機材です。
作った翌日、早速使ってみました。デジカメに偏光フィルターを使っていますが、プラスチック板を通した光は偏光が変化しているようで、617の画面部分だけ浮き上がったようで面白いですね。
製作は簡単で、30分程で出来上がりました。大判カメラユーザーの方はお一つ如何ですか。
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