掛頭山の霧のギャラリー2005
(夜明け前)

昨年(2004年)の盆休みの頃に掛頭山で雄大な霧を撮影できたので、今年も8月8日、9日と二日に渡り出掛けてみましたが、残念ながら霧が殆ど出ておらず、山頂からは遠い下界に霧が見える程度でした。また条件の良い日の出にも恵まれませんでした。
少ない霧は広大な風景の雄大さを生まない一方で、町の街灯を透かして見せてくれます。その光が霧に反映して、肉眼でも鮮やかな光の斑点を確認出来ました。そこで撮影方針変更。夜明け前の光のファンタジーを絵にしてみました。だから今年のギャラリーには日の出がありません。
 
1 掛頭山での2005年最初のカット。まだ真っ暗な朝に掛頭山山頂にあるTV塔をシルエットに、天の川付近を写してみました。 2 薄明が始まる前のオリオン座です。15分の露出でナトリウムと水銀の街灯かりが霧と雲に浮かび上がり、幻想風景の出来上がりです。
フォトテクニック2006年1/2月号・必撮風景&ネイチャー部門大掲載
読者が選ぶ2006年1/2月号ベスト1
3 薄明が始まったオリオン座です。肉眼では確認出来ない鮮やかな色合いが再現されています。
4 霧の少ない日は街灯が透けて見えて、光のファンタジーが生まれます。 5 2の直後に撮影した写真ですが、薄明が始まり、全体的に明るくなっています。露出時間は10分で、依然として長時間露出だけが生み出す幻想風景になっていると思います。 6 少し赤みを帯びた空を背景に、露出を街灯の反映に合わせると全体が暗く落ちて、ドラマティックな光の競演になりました。
7 薄明が進み、風景全体が分るような明るさになると、今度はメルヘンチックな光の世界になりました。 8 夜明け前の雰囲気を醸し出すE100VSの濃いブルーの世界。実は明るくなった情景をLEE 80A(LBB12相当)で夜明け前に仕立てた物ですが、E100VS本来の夜明け前の発色に近いです。 9 8と同様にLEE 80Aフィルターによるブルーの世界です。8では静を、9では動を狙ってみました。
10 E100VS本来の夜明けの世界です。夜明けの赤と、夜明け前の光のブルーが共存しています。ノーフィルター撮影。 11 画面は明るいですが、まだ薄明の時間帯の写真です。山陰にある工場かなにかのナトリウム灯が広大な風景にドラマを与えています。 12 更に明るくなって、ナトリウム灯の存在感が薄れる代わりに霧の質感が出てきました。
13 朝焼けをバックに、望遠で切り取った雄大な霧風景。 14 周囲がすっかり明るくなり始めた頃の、雄大でモノトーンな世界。まだ僅かにE100VSのブルーが残っています。 15 エピローグは夜が明けて、太陽が雲間から顔を出す前の、白と黒だけの静かな墨絵のような霧風景です。