Hydrangeas Gallery 2004

2004年の紫陽花は、山口県防府市にある阿弥陀寺と、昨年に引き続き広島県世羅郡世羅町にある康徳寺で撮影しました。生憎天気は晴れで、雨や曇りといった紫陽花に相応しい淑やかな光には恵まれにくかったのですが、早朝の日が当たっていない場所を選んで撮影しています。
毎年いろいろと試行錯誤していますが、2004年も紫陽花の淑やかさを出すために、ソフト表現をメインに据えました。ソフトといっても表現幅は広く、ソフトレンズの描写から秘伝のKEN流二重露出、はては光線とボケの選び方による1回露出によるソフト表現まで、私なりの世界を追い求めています。

1. 光との戯れ
淡い光の中の空気感の様なものを意図した写真たちです。KENの象徴的な「光とボケ」の世界です。
1 朝日が木漏れ日となって降り注ぐ場所の紫陽花を下から撮影しました。通常露出だとコントラストが高くなるのですが、二重露出で爽やかに仕上げています。   2 1の写真とほぼ同じ場所での撮影です。若い紫陽花の初々しさを光に溶け込むような絵柄で引き立ててみました。
3 マクロアポランター125mmの浅い被写界深度で、白地に赤い花弁を持つ萼紫陽花を上品に仕立ててみました。 4 今年一番のお気に入り。日影の地面近くに咲いていた小さな萼紫陽花ですが、細部に至るまで大切に表現しました。ウェブ上で原版の美しさを何処まで表現出来たか疑問では有るのですが・・ 5 紫の萼紫陽花は典雅な色合いを持っていると思います。このカットは二重露出で光と色の融合を狙いました。
6 萼紫陽花を下から狙って、背景に空を持ってきて爽やかに仕上げています。一つの花びらを斜めから狙って、前後のボケから浮かび上がらせています。   7 低い位置に咲く萼紫陽花をカメラを地面すれすれにセットして真下から狙いました。背景に変化を与え、二重露出で更に爽やかさを加えています。


2. 色の彩り
紫陽花の色は、いにしえの日本の典雅な彩りを持っていると思います。
こちらはその「色」をより強く意識した写真たちです。
8 典雅な色合い、最初は白地に紫。彩度を高めるKenko MC Soft 85mmを用いて。 9 朝露に濡れる藍にも似た青。こちらは素直なVoigtlander MACRO APO-LANTHAR 125mm。 10 そして濃いピンク。鮮やかなTamron 90mm Macroで。
11 白地に赤い花弁を持つ淑やかな萼紫陽花。背景の葉の緑を青っぽく再現するのがこのレンズ&フィルムの特徴。 12 小さな紫の萼紫陽花。彩度を高めるKenko MC Soft 85mmもRVP100となら青に傾かずに済みます。 13 この萼紫陽花の花弁は、典雅な色の極みだと思います。Kenko MC Soft 85mmにかかれば色が前面に押し出てきます。


3. 群れの情景
こちらは比較的素直な視線で撮影した写真たちです。
14 日の出と共に森に朝日が射し込んで。この数分前には朝霧があったのですが、構図を作っている間に消えました。夜明けの写真はタイミングが命です。 15 紫陽花を真下から見上げて。写真としては失敗作で、空の露出をPLかハーフNDで調整すべきでした。来年への課題..自己反省。 16 小さな花が見事に広がって、紫陽花らしからぬ情景。これも風情。
17 一目で「可愛い!」と思った花。ソフト、二重露出色々と撮りましたが、ここは素直に可愛らしさを捉えたカットを採用。 18 朝露が朝日に眩しいほどに輝いていました。ウェブでは花びらの朝露と、雫の中の情景が再現されないのが残念。原版では見えています。