前回つぶやきからの続きです。
4 画質:これは良いです。但しあくまでデジタルとしてね!
とりあえずISO50/最大解像度/JPEGファインで撮影していますが、良い画質である事を実感できます。米国のデジカメ徹底レビューサイトでも、G2/G3の評価は4メガピクセル機の中ではトップで、5メガピクセル機のテストでも時々リファレンスとして引っ張り出されています(当然解像度では負けますが、色の再現、ノイズの少なさなどではトップクラスにある様です)。私の使用実感でも、まず感じるのが色の再現の自然さ(わざとらしい強調が無い)で、階調もデジタルとしては豊かです。次いでレンズの解像度がCCDの解像度に見合っていて、細部まで良く描写しています。手持ちで撮影する1/20秒ぐらいまでなら、暗部のノイズが気になることは全くありません。
米国のサイトには、ISO50では素晴らしくローノイズだけど、ISO100以上は他社デジカメに劣ると書いてありました。そこで各ISOの違いの傾向を見るためにテスト撮影してみました。ついでにRAWとJPEG違いも....
撮影画像全景(オリジナルは最大解像度)
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モード別部分画像・原寸大
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モード別部分画像・二倍拡大
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これを見ると、RAWはさすがに圧縮ノイズがありません(上記写真はJPEG高画質保存したので、多少の圧縮ノイズが見えていますが、オリジナルには全くありません。非圧縮のBMPファイルにしたら、800kBになったのでJPEGにしました)。JPEGの場合はスーパーファインでもノイズがあり、ファインとの差は大きくありません。それでいてファイルサイズは半分で済みますので、JPEGファインで良いかな?と思ってしまいます。ISOの違いは粒状性の違いの様です。まるでフィルムと同じですね。これを見ると光ある限りISO50で使いたいと思います。
ファイルサイズはRAWとJPEGスーパーファインで違わないので、どうせならRAWで撮影したいところですが、RAWの場合はパソコンに転送後に一枚一枚現像しなければならず、手間がかかります。ここ一番、という画像以外では使用を躊躇してしまいます。但しRAWであれば現像後もオリジナルは残り、現像時にパラメーターを様々に変更できるので、画質が気に入らなければ再度オリジナルから現像できます。また現像後は各色16ビットのTIFFファイルにも保存できますので、画質は最大限に保持されます。
作品製作に用いることの出来るような35mmフルサイズ・デジタル一眼レフを買ったら、恐らくRAW主体の撮影になるでしょうし、真のハイエンドクラスはJPEGとRAWの同時保存が出来るはずです。
米国のサイトにはISO50は表示よりも感度が高いようだ、とありましたが、G2のスポット測光露出値とセコニックの単体露出計のスポット測光露出値は一致していました。これはむしろEOSと比べると感度が高く、他のメーカー並ということかもしれません。
5 レンズ:コンパクトデジカメとしてはGOOD! マクロ性能はNG
レンズは35mm換算で34−102mm F2−2.5です。実際に使うと、風景などではもう少し広角側が欲しくなります。開放値が比較的明るいので、ボケを期待しますが、絶対的な焦点距離が7−21mmなので、大してボケません。
解像度やトーンバランスは400万画素のCCDに相応しい物になっていると思います。デジタル画像を見る範囲では細部まで実に良く描写しています。しかし逆光には弱いです。室内撮影などでは特に不満もありませんが、風景撮影ではレンズのフレアなのか、順光撮影でもコントラストが何となく不足し、満足できませんでした。レタッチすれば済むのかもしれませんが...なんとなく卑怯な感じがします(笑)。
ズーム調節は電動で、しかも連続ではなく11ステップ程度で制御されているようです。従って厳密な構図調節には使えません。
マクロ性能にはガッカリします。その第一は寄り切れないこと。ワイド側で6cm、テレ側で20cmというレンズ前面からの撮影距離は長すぎ、小物の撮影に困ります。また通常撮影時が70cm〜無限遠、マクロ撮影時が20cm(テレ側)〜70cmとなっていて重なりがありません。実際にも重なりは殆ど無く、近接撮影している時には撮影距離とマクロモードのON/OFFの関係に神経を使います。
6 撮影モード:一見EOS並。実は...
撮影モードはフルモードです。マニュアル、絞り優先AE、シャッター優先AE、プログラムAE、全自動、様々なピクチャーモード、複数写真をつないで合成するスティッチ、セピアを含むモノクロモード、そして動画です。私はこのスペックと、中級EOSと同じデザインのモードダイアルを見て当然EOSと同感覚の撮影が出来るものと思ったのですが......
そうでは無い原因は絞りとシャッタースピードの範囲にあります。最小絞りはF8まで。シャッターは15秒から1/1000秒ですが、1秒よりも低速側と、1/500秒よりも高速側には制限があります。この様に実際に使える範囲は狭く、明るい場所で開放絞りとか、暗い場所でスローシャッターとかは使えないことがあるのです。この様な制限というのは程度の差こそあれニコンやオリンパスの同クラスのデジカメにもあります。またこれは急速に改善されている領域で、G3の場合には1/1250秒までは絞りの制限が無く、1/2000秒でもF5.6まで使える様になりました。
この様な制限の無い自由自在なAEは、オリンパスE−20の様なハイエンド一眼レフタイプまで行かないと得られないようです。
シャッタースピードと使える絞りの関係(ストロボ非使用時)
シャッタースピード
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使用可能絞り(ワイド側)
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使用可能絞り(テレ側)
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1/1000秒 |
F8 |
F8 |
1/800秒 |
F4.0 - F8 |
F5.0 - F8 |
1/640秒 |
F2.8 - F8 |
F3.5 - F8 |
1/500秒より低速側 |
F2.0 - F8 |
F2.5 - F8 |
撮影モードとシャッタースピードの関係
シャッター優先AE、マニュアルモード |
15秒〜1/1000秒(1.3秒以上でノイズリダクション) |
それ以外のモード |
1秒〜1/1000秒 |
絞り優先AE
35mm一眼レフの場合、絞り優先AEが一番使用頻度の高いモードだと思います。この理由は第一に絞りがレンズの描写を支配すること、第二にシャッターの範囲が30秒〜1/4000秒(〜1/8000秒)ととても広く(実に17〜18EV)、どのような絞り値を選択しても殆どの状況において適正露出となるシャッター速度が見つかる事です。しかしG2の場合にはシャッター制御範囲が極めて狭く、使い易いモードになっていません。例えば絞り開放で制御されるシャッター速度は1秒から1/500秒までで(たったの9EV)、日中であれば簡単にAE範囲外になります。1/500秒よりも高速シャッターを使うためには絞り込む必要があるのです。
また夜景などでも、1秒以上のシャッターは使えませんので、違うモード(シャッター優先AE)に切り替える必要があります。結果としてG2で絞り優先AEを用いることは少ないです。
シャッター優先AE
35mm一眼レフでもあまり使い易いモードではありません。それは一般的に開放値からF22ぐらいまで(F2.8レンズで、たったの6EV)しか絞りの制御範囲がなく、シャッタースピードを小まめに調整しないと簡単にAE制御外になってしまうからです。しかしG2の場合は最小絞りはF8ですから、制御範囲は更に狭く、たったの3.5〜4EVです。なんとポジフィルムのラティチュードよりも狭いのです。しかしこのモードでないと1秒以上のスローシャッターが使えなかったり、ストロボ撮影時に同調最高速1/250秒を実用的に使える唯一のモードであったりしますので、絞り優先AEよりも使用頻度の高いモードになっています。
プログラムAE
基本は絞りF4を選択する「絞り優先AE」に、暗い状況での絞り開放、明るい状況での絞込みを行う、と近似できるモードです。色々な状況の露出からプログラムマップを解釈すれば、
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暗い状況では絞り開放のままで1秒から1/50秒まで変化します。
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それよりも明るくなると1/50秒固定で開放からF4まで絞り込まれます。
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次にF4固定で1/50秒から1/640秒までシャッターが変化し、
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その先は1/640秒固定でF4からF8まで絞り込まれ、
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最後にF8固定で1/640秒から1/1000秒までシャッターが変化します。
何も考えなければ、このモードが一番使いやすいかもしれません。でもねぇ....、色々と絵作りを考えながら写すのが私のスタイルなので、使いたくないモードです。
マニュアルモード
35mm一眼レフとは異なり、絞りとシャッターの調節範囲が狭いので、さほど有効なモードでは有りません。露出計は動き、測光値との差をグラフで示してくれるので、スポット測光をしながら露出を決め込むのに良いモードです。但し致命的ともいえる欠陥があり、マニュアルモードではストロボ調光されません。EOSならばこのモードでもTTL調光されるので、私はストロボ撮影で極めてよく使うモードなのですが.....
動画モード
320x480ピクセルの場合、一回の撮影は最長30秒です。マイクの性能も芳しくは無く、とりあえずメモが取れるぐらいに思っておけば裏切られないでしょう。G3は最長3分まで撮影可能時間が延長されています。ズームや露出補正などは、撮影開始前にセットしなければならず、撮影開始後の調節は出来ません。
続く
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