9月18日夜遅く、会社から帰宅すると
女房 「フォトテクから電話があったよ。インタビューしたいから
電話して下さいだって」
KEN 「え〜っ、なんで〜〜???」
フォトテクニック2003年11/12月号に応募した写真が本人顔写真&コメント入りの大掲載になるとの事で、インタビューの為にフォトテク編集部から電話がありました....前回(2002年3/4月号)必撮大掲載の時には「やったぁ!」の大喜びでしたが、今回は「なんで〜〜???」と首を傾げてしまいました。何故なら...今回の応募は年間連続応募賞の確保だけが目的だったからです(笑)。2003年は1/2月号から9/10月号まで連続応募を達成しており、11/12月号に80円の郵送料で何か作品を送付すれば1000円相当の年間連続応募賞をもれなく頂けるので、これほど割の良い応募は無いわけです(爆)。
しかしつぶやきvol.200に書いたように、この時点で既にフォトテクへの応募を中断することを決めていたのでエネルギーは減退気味。それに応募したい作品を撮ることが出来ていなかったし、応募締め切りも迫っていたので「過去に応募した落選作品の中から作品を選ぶ」という手抜きで作品選定をしました。以前応募した作品であればポジは既にスリーブから切り出してマウントしてあるし、マウントには撮影データも記載してあるので手間が省けるのです(^o^;
応募するコーナーは必撮テーマ部門「秋の色」と決め、秋の色らしい作品を二枚選定しました。一枚はどちらかと言えば本命で、以前クリエイティブ部門に応募して落選した彼岸花の写真です。彼岸花を青い防獣ネット越しに撮影して、不可思議な秋の色を表現した作品です。もう一枚は押さえというか、秋の色としてはストレート過ぎると思った紅葉作品です。こちらは風景&ネイチャー部門に応募して落選したものです。ミラノの夜霧の写真が必撮ノンセクション部門に大掲載になった2002年3/4月号の時に、北中さんが審査員をしている風景&ネイチャー部門に応募して落選した、あの時の紅葉写真です(→詳細)。まあ、運が良くても必撮の隅っこに小さく掲載される程度の作品と自覚しており、落選しても本来の狙いは年間連続応募賞なので目標達成です(^o^)/。そんな軽い気持ちで応募した作品が大掲載...(^_^;;;;
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本命(?)
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押さえ(?)
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必撮に大掲載になると聞いて、どちらの写真かな?と考えたのですが、写真としての新鮮さからすれば彼岸花の写真だろうと思っていました。しかし...フォトテクニック編集部からの電話は...
はい、○○です。
あ、こんばんは。私、フォトテクニック編集部の△△です。○○さんが必撮テーマ部門に応募された作品の先生の評価が非常に高くてですね、一番大きく掲載させて頂く事になりました。
あ、どうもありがとうございます。
それで、コメントを掲載するために撮影された時の状況などをお伺いしたいのですが...あ、写真は紅葉の写真です。宮島町で撮影された...お判りになりますか?
はい。(えっ、紅葉の写真なの...と心でつぶやく)
あの写真はどの様な狙いで撮影されたのですか?
ええ、撮影場所は紅葉で有名な安芸の宮島です。しかしこの撮影に出かけたときには紅葉の状態があまりよくなくて、綺麗に色づいた葉が殆ど無かったんです。それで色々と探し歩いている内にこの緑の葉を見つけまして、仕方ないので緑の葉を主役に据えて、背景の痛んだ紅葉をボケで色だけにして作品にしました。
実はあの写真は二重露出をしています。というのも、普通に撮影すると絞り開放でも背景に存在感がありすぎて煩雑だったので、2回目の露光でピントを目茶苦茶ずらした画像を重ねて、背景の煩雑さを消しています。結果はとてもスムーズなグラデーションになって、満足できるものでした。
今回のような撮影結果を予想されましたか?それともこの撮影方法をたまたま試してみたら、良い結果になったのでしょうか?
いえ、私はこの二重露出をよく使いますので、撮影時に出来上がりのイメージは持っていました。
あ、そうですか。ところでコメントを掲載する際には○○さんの顔写真も掲載したいのですが、宜しいですか?
はい。
写真は以前頂いている物で宜しいですか。それとも新しい写真を?
以前の写真で結構です。
はい。どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
失礼します。
電話を切って、再度思わず
「なんでかなぁ〜〜〜???」
「秋の色というテーマで、紅葉の写真では当たり前過ぎると思うけどなぁ....」
本来ならば大喜びすべき入選なのですが、私自身は納得の行かない、嬉しいような嬉しくないような結果です。今回の掲載作品よりも「格違いに上」だと自分では思っている「湯来の枝垂れ桜」の写真はもうすぐ必撮どまりでした。そんな気持ちを反映して、自分の掲示板に次のような書き込みをしました。
9月18日の掲示板の書き込み
※先ほどフォトテクニックから電話がありました。また顔写真入りで掲載になるようです。
応募を中断すると決めて、年間応募賞狙いの最後の手抜き応募で大掲載になるとは..
手抜き応募:過去に応募&落選済みの写真(既にマウントに応募票が貼ってある)を二枚
選んで送付。その二枚の内で、個人的により平凡だと思う方が採用されました。
世の中、おもしろい...(´▽`)
気合を入れて撮影して、個人的に満足している写真はかすりもせずに落選してきたのに(T^T)
この感覚は女房も同様のようで、掲載誌が送られてきて、見開きページに大きく掲載された紅葉の写真を見て
「あ、この写真なの。以前見たことがあるわね」(時々私のポジを見ています)
「しかし、こんな写真なら我が家にはゴロゴロしているじゃない」
「あの桜の写真は載らなかったの?」
私には返す言葉がありませんでした(^_^;
そして月日が過ぎて12月4日。仕事から帰宅すると女房が
「あなた、二位だって」
「え、なぁにぃ?、二位って、何の二位??」
「フォトテクの二位...え〜っと、2003年度 編集部が選ぶ...読者の写真ベスト5..」
「年間ベスト5の二位!? え〜〜、なんで〜〜????」
部屋に入ると、テーブルの上にフォトテクニック編集部から送られてきたファックスがありました。どうも内容を女房に口頭で説明するのが難しかったようで、ファックスで子細な説明を送付したようです。そこには、11/12月号に掲載された写真が「2003年度編集部が選ぶ読者の写真ベスト5」の第二位に決定したこと。受賞者のコメントを2004年1/2月号に掲載するので、電話でインタビューをしたいから都合の良い時に電話をするようにとの依頼が書いてありました。
「おかしいなぁ、二位なんて。なんでかな??」
しかし私はまた首を傾げてしまいました...だって二位!この年間ベスト5の上位に入るには2回以上月間ベスト5に入らないと通常ムリだからです。しかし私は2003年度はこれまで一度もベスト5入りしていません。二位になれるポイントは少なくとも20点以上だと思われますが、1回の月間ベスト5入りで20点以上もポイントを貰えることは極めて稀なのです。紅葉の写真がそんな高得点を貰えるような写真かなぁ?と思って「なんでかな??」と首を傾げたのです。
注釈:フォトテクニック誌の編集部が選ぶ読者の写真ベスト5の概要
各号の掲載写真の中から、5名の編集者が各々5枚を選び、1位に5点、2位に4点、3位に3点、4位に2点、5位に1点を与えて、その合計点で月間ベスト5を選ぶ。
年間ベスト5賞は、各号のポイントを合計して決定される。
翌日の12月5日、フォトテクニック編集部に電話しインタビューを受けました。一度電話すると折り返しかけ直してくれるので、私が電話を受けるところからインタビューは始まります。
はい、○○です。
こんにちは。フォトテクニックの△△です。お世話になります
昨日ファックスでお知らせしたとおりなのですが、11/12月号に応募された写真が、編集部の選ぶ年間ベスト5の第二位になりまして、
はぁ、ありがとうございます。ちょっとビックリしています。
おめでとうございます。そこで12月20日に発売される1/2号に掲載したいので少しお話をお伺いしたいのですが。
はい。
では、繰り返しになるかも知れませんが、最初に年間ベスト5の第二位と知ったときの感想を聞かせていただけますか?
はい。全く予想していなかったので、とてもビックリしています。実はですね、11/12月号という事で年間連続応募賞を狙うために、取り敢えず1〜2枚という事で応募した内の1枚なのです。だから掲載されるとは全く予想していなかったので、前回お電話を頂いた時もとてもビックリしました。
え、掲載を予想されていなかったんですか?
ええ。そして(月間)ベスト5に入るとも思っていなかったので、その後も全く期待せずにいました。先日帰宅して女房から「あなた二位だって」と言われて、「え、何の二位だ?」と言ったぐらいです。
そうなんですか。という事は○○さんにとってあの写真は絶対の自信作という訳でも無いのですか?
ええ。これはオフレコかも知れませんが、実はあの写真は風景・ネイチャー部門の落選作品なのです。以前応募して「もうすぐ必撮」にもならなかった写真でして、11/12月号の応募〆切まで時間が無いときに、以前の落選作品であれば既に応募票が貼ってありますから、その中から選んだ物なのです(笑)
はぁ〜、そういう風に応募されているんですね。
ハハ(^o^;。まあ(テーマ部門のテーマが)「秋の色」だったので、秋の色に相応しい写真を選びましたけど。
それが大きく掲載されて、しかも年間の第二位にまでなって、とてもビックリしていると同時に、大変恐縮しています。
そうなんですか(笑)ところで、年間連続応募は達成されたのですか?
はい、3年連続達成です(笑)
それはおめでとうございます(笑)
では次の質問に移りたいのですが、○○さんが写真を撮られる時に心掛けていること、あるいはこれだけは絶対にしないと決めている事などがありますか?
そうですね。画面を綺麗な物だけで構成する事でしょうか。
それは、どういう事でしょう。
画面の中の隅々に至るまで、余分な物、美しくない物は入れないようにするという事です。
どのようなきっかけから、その様に心掛けるようになられたのですか?
写真を再開した頃に、プロの写真を見てそれを手本に真似して写真撮影したのですが、当然ですがプロの写真には追いつかないのですね。それで、プロと自分の写真の何処が違うのだろうと観察すると、プロの写真は隅々まで美しいんです。一方の私の写真は中央の被写体は良いとしても、画面隅に余計な物が写っていたり、背景が美しくなかったりしていたのです。それで画面内に美しくない物は入れないように心掛けるようになりました。良い写真と良くない写真の差は四隅にあり、と思い、その後はまず画面の四隅から画面構成を作るようになりました。
○○さんがその様に心掛けるようになられたのは、写真を初めてどれぐらい経ってからですか?
私の写真歴は、カメラを触るようになってからだと33年になります。しかし本格的に写真撮影するようになってまだ5年ぐらいですね。それでその様に心掛けるようになったのは、写真を本格的に初めて2年目ぐらいでしょうか?
では、○○さんが2004年にチャレンジしてみたい事、こんな写真を撮ってみたい、というような目標はありますか?
そうですね....2004年だから、という事ではないのですが、夢の中の風景、といった感じの写真を撮ってみたいです。
え?それはどんな写真ですか?
え〜っと、風景写真と言えば、パンフォーカスで、細部まで緻密に描写されて、何処から見ても美しいという写真を皆さんが撮られています。しかし私が撮りたい写真は、風景を題材として、夢の中で見た情景のような、ファンタジックな写真、と言えば判っていただけますでしょうか?
ええ、何となく。ところで、なぜその様な写真を撮ろうと思われたのですか?
実はあるプロの方から、あなたの写真は逃げていると言われまして....雨の写真だったのですが、その写真を見てプロの方が「あなたは雨から逃げている」そして「他の写真にあるあなたらしさがこの写真には無い」と言うような意味のコメントを頂いたのです。ならば、自分のスタイルをより高めようという事で、私なりのファンタジックな写真をもっと追求しようかと思いました。
そうなんですか。
最後の質問になりますが、フォトテクニックへの最初の応募が何年何月号だったか覚えていらっしゃいますか?
ちょっとお待ちいただけますか?(ネットで自分のサイトの掲載写真を調べる)
多分、1999年1/2月号だと思います。ステップアップアドバイスです。
これが初応募ですか?
ええ、初応募、初掲載です。
次号では前回掲載された写真と、出来れば顔写真を掲載したいのですが、よろしいですか?
はい、結構です。
はい、お伺いしたいことは以上です。どうもありがとうございました。
ありがとうございました。失礼します。
インタビュー内容はある程度察しがついていましたが、私は回答を取り繕うことなく正直に答えてしまいました。これを書いている時点ではフォトテクニック誌にどの様に掲載されるのか、私の紅葉の写真が何ポイント獲得したのか判っていません。さて、どうなることやら....落選写真の再応募という事が掲載されるかな(笑)
殆ど青天の霹靂とも言える出来事でしたが、まあ素直に喜ぶことにしましょう。80円かけて1000円相当の年間連続応募賞をGETする予定が、20000円相当(掲載号1020円相当、掲載料3000円分の図書券、年間2位副賞15000円分の商品券、年間連続応募賞1000円相当商品)に化けたのですから(笑)
それにしても、過去二回の大掲載の二枚とも月間ベスト5にも入る程の評価を頂きましたが、両方共に北中さんの風景&ネイチャー部門に応募して「もうすぐ必撮」にもならずに落選した写真です。どうなってんでしょうねぇ...
フォトテクニック誌2003年11/12月号の必撮テーマ部門「秋の色」に掲載
EOS3, Sigma AF APO180mm F3.5 Macro, F3.5, AE(+0.3EV, 1/40sec.), 二重露出,
RVP
注:フォトテクニック応募写真は段階露出した別のコマで、露出補正無しで二重露出しています。
スキャニングに相応しい露出と、見たままで適性の露出は違うからです。
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