今月の話題
超アナログなカメラの為の、最新デジタル用ルーペ
それでも霞む、銭壺山
水準器、UN製がダメでカルマン製を買い足し
周防大島小積の河津桜
上関町上盛山
上下町のひなまつり
総領町の節分草
BG-E2の内部電圧降下と50D低温バッテリー対策
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タイトルにあるように、超アナログなカメラの為に、デジタル時代ならではのルーペを購入しました。
手元に届いたのは、UN Monitoring Pro MC Master。3インチ液晶モニターを持つデジタルカメラ用のルーペです。
UNのこの手のシリーズの中では最上位機種で、アマゾンでの価格は6400円程。最大の特徴は視度調節が付いている事で、老眼気味の私には必須機能。ご覧のように大きくレンズを繰り出すことが出来て、私の目でも裸眼でピントが来ます。右の写真はレンズを繰り出しただけですが、レンズの付け根にある金属リングを下方にねじ込む事で繰り出し状態で固定出来る、作りの良い製品です。
それで、このルーペを用いるカメラですが、4x5大判カメラに用いるアートパノラマ170ホルダー。
それ用のピントフードです。ご覧のような形をしていますが、ピントグラス上に映る情景が日中の景色でも極めて暗くて、普通のルーペではピント確認は出来ても、構図確認は難しくなっていました。
この写真を見れば選択理由が一目瞭然。左側のルーペは大判カメラ用に使っているハクバの5.5倍のルーペですが、丸いために一番隅が見えないだけではなく、その隙間から射し込んだ光がルーペ内にもガラスを経由して回り込んでしまい、情景を見難くしていました。そこでピントグラス全体を覆える様な対策を考えていたのですが、ピントフード内側の縦寸法と、今回購入したルーペの外径縦寸法がピタリ一致する事を発見し、喜び勇んでGETしたのです。ご覧のようにフード内側にピッタリと嵌り、四角い為にピントグラス隅まで見えるだけではなく、外光の侵入を最小限に留めてピントグラス上の構図確認を容易にしています。通常の大判カメラのピントグラスでも最周辺部まで問題無く見えるので、今後のルーペはこれ一つでこなせそうです。
本来の使い方であるデジタル一眼レフ(EOS 50D)の液晶モニターにも使ってみましたが、ピッタリ&クリアで、ライブビューでのピント合わせが格段に楽になりました。
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2014年3月23日(日) |
それでも霞む、銭壺山 |
桜にはまだ少し早いので、何処へ行くか迷いましたが、先週に引き続き銭壺山に行きました。先週は遠景が霞んだ朝になったので、今回は空港気象情報で最寄りの岩国基地の視程予報などもチェックして、視程が10km以上あることを確認してから出発しました。
1時過ぎに現地に到着。東の空から月が昇り、やや霞んでいるものの比較的遠景が見えています。
しかし日の出一時間前に起きてみれば、景色は白く霞み、先週同様に絵にならない朝です。写真は日の出の時刻を3分過ぎた、6時13分の景色。気温は1度で、それなりに寒いです。
やがて霞の向こうから太陽が姿を現しました。
取り敢えず、あれこれ工夫して撮影してみますが、コントラストが無くて絵になりませんね。トヨフィールドも持って行きましたが、先週同様に出番はありませんでした。
今日は珍しく船が多く、これでクリアで赤く焼けた情景なら、年賀状向きの写真になったのにな〜
テンションの下がった銭壺山ですが、今日のもう一つの楽しみは朝食。寒い空気の中で熱々の雑炊をアルポットで作って食べました。
湯気が不思議と出ていませんが、出来たて、熱々の鮭雑炊!
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2014年3月19日(水) |
水準器、UN製がダメでカルマン製を買い足し |
ホットシューに取り付ける水準器は既に二つ購入しています。2011年12月10日のダイアリーでカルマン・スプリットレベルの購入報告をし、2013年2月23日のダイアリーでUN・レベラー俵型の報告をしました。UN製の謳い文句は「切削によって作られた高精度品」。現物を手にすると確かに旋盤で削り出された製品である事が分かり、精度が高そうに思えました。しかし実際は肝腎の気泡管が曲がって彫られており、精度はダメダメで使い物にならず、撮影現場では一つしか無いカルマン・スプリットレベルを二台のカメラに交互に付けて使っていました。
しかし、それでは効率が悪いし、構図調整後に水準器を外すのを忘れて長時間露光に入ってしまうと、それが終わるまでもう一台の水平出しが出来なくなるので、もう一つ買い足すことにしました。アマゾンのレビューを見れば、ハクバ2ウェイレベラーの精度が良いみたいで、値段も2500円台と比較的お手頃ですが、ニコン系のホットシューには丁度良いものの、EOS系は緩いという報告があり、少し躊躇しました。
既に一つ持っているカルマン製は精度、装着感ともに問題は無いので、今更無理に冒険しなくても、と思い、カルマン製を買い足すことに。唯一の問題は値段で3900円程もします。
既に持っているUN・レベラー俵型(左)と、カルマン・スプリットレベル(右)。UN製の気泡がカルマン製に比べて左に寄っている事が分かると思います。正しいのはもちろんカルマン製。今回買った物と比較したら二つのカルマン製は全く同じ表示をして、精度が出ているようでした。流石はドイツ製。外観の面精度なんかはUN製の方が高そうなんですけどね〜
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2014年3月16日(日) |
周防大島小積の河津桜 |
日曜日朝の広島周辺はどこも良く晴れるとの予報で、何処に行こうか迷いましたが、今まで良い景色に恵まれたことない銭壺山に行きました。
しかし、朝になってみれば、遠景は霞み、低空には厚い雲が居座っていて、かつて無い程に悪い情景でした。このままでは帰れないので、次は周防大島町小積に河津桜の撮影に向かいました。先週上関では桜祭りで混雑していて撮影出来なかったリベンジも兼ねています。
初めて訪れる場所なのでネットで調べたら、桜の幟が立っていて目印になるとの事でしたが、既にシーズンを終えたのか幟は無く、少し迷いました。県道から車一台がやっと通れる道を100mほど登ると桜が見えてきました。
全体はこんな感じ。ほぼ満開に見えますが、既にピークを過ぎていて、過半数の花は花弁が落ちて足りない状態でした。
それでも久しぶりのマクロ撮影を2時間ほど楽しみました。
これはデジタルでなければ撮らない写真ですね。液晶モニターで出来上がりを見ながら、ボケ味の良くなるピント位置で撮影。印象画の様に、形のない中に形を埋め込んでみました。
最近は日の出の風景ばかり撮影していますが、マクロもやっぱり楽しいです(笑)。
花畑には募金箱が置いてあり、少しばかりの志を入れて帰ろうかと思っていたら、帰り際に農家の方が出て来て、販売用の伊予柑と蜜柑を置かれました。単なる募金よりも丹精込めた収穫物を買った方が農家の方も喜ぶかな、と考えて、蜜柑を一袋200円で購入しました。日よけの新聞紙が掛かっていて手に取るまで分からなかったのですが、、
大きな蜜柑がネットの中に13個も入っていて、手に取った瞬間に思わず「で、デカッ!」とつぶやいてしまいました。
女房と二人暮らしの我が家には大量すぎる蜜柑で、このダイアリーを書きながら、鋭意おいしく大量消費中です(笑)。甘くて美味しいですよ!
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2014年3月9日(日) |
上関町上盛山 |
上関町に河津桜が咲く頃の恒例行事になりましたが、上盛山まで日の出撮影に行ってきました。
クルマの中で仮眠を採ってから、展望台に昇ったのは5時過ぎ。気温は0度、風は展望台の麓では殆どありませんでしたが、展望台は空中に飛び出した形になっているので、山肌を駆け上がる風が直撃して結構強い風が吹いていました。寒いです。
到着時には満天の星空で、条件が良いかもと思っていましたが、薄明が始まり、デジタル長時間露出で浮かび上がった画像を見れば、低空に霞みが鎮座していて日の出の邪魔をしそうです。
時間と共に朝焼けもなく、どんよりとした空気感に包まれて、今日は駄目かなぁ、、と少しテンションが下がりました。それでも機材はトヨフィールド45Aにアートパノラマの617ホルダー、EOS-3、そしてEOS 50Dの三台体勢で臨みました。
日の出の時刻を5分ほど過ぎてから、霞の向こうから太陽が顔を出し始めました。
日の出です。霞のせいで空があまり焼けません。
やがて太陽高度が高くなり、海面の光の筋が上関大橋を貫きます。あと二日ぐらい早く来ることが出来たら、もっと良い構図になった筈です。再来年に期待(筆影山でも同じ事を書きましたね(笑))
最後に上関大橋をアップで撮って、本日の展望台での撮影は終了。トヨフィールド、EOS-3でも撮影しました。
今日は気温が0度止まりで氷点下にはならなかったので、EOS 50Dのバッテリーは大丈夫かな、と思ったのですが、充電したてのリチウムイオンバッテリーは撮影開始後早々にバッテリー切れ症状でシャットダウン。その後はバッテリーグリップを装着してエネループで撮影しました。現在のカメラバッグ内のレイアウトだとバッテリーグリップを付けた50Dのスペースが確保出来ず、いつも別に持ち歩いています。次の冬が来るまでにバッグ内レイアウトを見直さなけらばならないなぁ。
ちなみに上盛山では50Dを起動出来なかったバッテリーは、帰宅後常温で電圧を測ったら7.90Vもあって、50Dに再装填したら満タン表示。温度依存強すぎ(怒)。
久しぶりにアルポットで鮭雑炊を作って朝食にしました。いや、美味しいです(笑)。その後は山頂以外で上関大橋を撮影出来そうな場所が無いか、ミニ探検。先ずは上盛山に登る途中の御汗観音入口から見た情景。橋は良く見えますが、橋の手前に海面が無いので、日の出で余り良い情景にはなりそうにないですね。
同じ場所から見た上関城山歴史公園。河津桜が綺麗に咲いています。実はこの後で桜を撮影する予定でしたが、今日は桜祭りとかで既に駐車場は満杯、かなり離れた場所の臨時駐車場に駐めなければならないので、パスしました。
山の中腹にあった神社からの眺め。今ひとつかな。
上関港の防波堤の先端からの眺め。橋の後ろに島があって、やっぱり今ひとつ。結局上盛山に敵う場所を見つける事は出来ませんでした。
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2014年3月5日(水) |
上下町のひなまつり |
総領町から上下町までは16km。日曜日の節分草撮影のあとで、広島県府中市上下町で開催されていた「ひなまつり」に行ってきました。私は初めての訪問になります。
2014年の開催期間は2月22日から3月23日までの一ヶ月間。3月1〜2日が「でこ市」、まつり最終週末の3月22〜23日が「手創り市」として特に町を挙げてイベントが行われる日で、訪問した3月2日はもの凄い人出でした。交通の便があまり良いとは言えない山間部の町なので高をくくっていましたが、沢山ある駐車場はどこも満杯、ひな人形の展示が行われている街並みは東京の繁華街並の人の密度でした。
白壁や古い木造建物が残る店の内部に、新旧さまざまなひな人形が展示されていて、見物客はそれらを自由に見ることが出来ました。
人形の製作年代や由来はメモしなかったので詳細は分かりませんが、概ね昭和初期から現代までの人形が体勢を占めていたと思います。これは恐らく昭和20年代ぐらいの物で、お顔つきが現代の物とは違いますし、お内裏様とおひな様が座る高座が屋根付きになって装飾が豊かです。
これも古そうな人形ですね。お顔つきが現代雛とは異なる品を感じます。
その中でも私が一番目を引いたのが、その人形セットの中の女性雛の姿。現代風なら官女の場所に居ましたが、平安三賢女のひとりかも。衣装とお顔にも気品が漂います。
一方で私的に一番の美人雛と思ったのが、この現代雛の三人官女のひとり。この写真だけは他の記録写真とは異なって、ポートレート風に(笑)。
沢山あるひな人形の中で、飛び抜けて古いものがこの格子戸の向こう側に展示されていたもの。右側の白い紙には「享保(171-1745)吉宗のころ 贅沢雛 袖が長くなっています。」と書いてあります。
その内裏雛(男雛)。歴史を感じさせるお顔と衣装です。
そして内裏雛(女雛)。切れ長の小さな目で、素朴さと気品が漂います。
手間暇掛けて作られたであろう、見事な調度品。
雛人形を一つ一つ見て歩いて、1時間半ほど楽しめました。折角上下町まで来たのでお昼にご当地名物でも食べて帰ろうかと思ったのですが、誤算で叶いませんでした。1時を過ぎても人出が多すぎて、座って食事が出来る場所は食堂も出店もどこも満員で長蛇の列。開場を離れて上下駅前の蕎麦店に行っても超満員。とてもお腹が空いていたので諦めてクルマで近くのコンビニに行きました。お蕎麦や牛肉が美味しそうだったのですが、ちょっと残念。また来年、、(?)
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2014年3月2日(日) |
総領町の節分草 |
お気に入りの節分草群生地が公開されたので、総領町まで撮影に行ってきました。
最初に訪れたのは公開地番号4番の「山根保則宅西」。毎年欠かさず訪問する場所です。
花はこんな感じで咲いていました。今年は例年になく花数が多いようです。朝方までの雨で花は水滴をまとっており、早速撮影開始。
毎年の事ですが、高さが3〜5cmほどしか無い節分草に、人格と大きな存在感を与えるような絵造りを心がけていますので、限りなく低く構え、そして背景に気を配って撮影します。
背後は森ですが、節分草公開地の幟が良い感じの色を恵んでくれました。白い光の柱の様なものは、柵の鉄棒です。人工物はネイチャー写真では忌み嫌うものですが、マクロレンズマジックで、使える物は何でも絵造りに使います。
空の下で踊っているかの様な一輪。全面に空を持ってる為には、節分草よりもかなり低い位置にカメラを構える必要があります。
ここからは公開地番号1番の「田総の里スポーツ公園」です。情景写真を取り忘れたので写真は一昨年のものです。節分草は右に見える林の下の斜面に咲きます。ここは見た目は一番雑然とした公開地で余り見物人が来ませんが、写真眼のある人なら最も印象的な写真を撮ることが出来る場所でもあります。今年は今までで一番花が多く、地主のおばあさんも喜んでいました。
先ずは夢空間で踊る一輪の節分草。杉林の下の雑然とした斜面の一番下に、ほぼ真上に向けるようにカメラを構えて、立ち姿勢からでは決して見えない光とボケを見つけ出します。
注意深くアングルを探すと、木漏れ日を背景に持ってくれるので、毎年この手の写真を撮っています。
空に向かって歌っているかのようなイメージで、、
同じ花、ほぼ同一アングルですが、露出をどアンダーに振って、墨絵のような感じにしてみました。
木漏れ日の丸ボケで、可愛らしく。
今日は殆どが一輪ポートレート的に撮影したので、少しは、、という事で三姉妹もワンカット撮影しました。
本日の締めは、小枝との対話。歌う花と指揮棒の様にも見えます。小枝はふつう絵造りに邪魔な存在ですが、この枝は形が面白く、構図的にもまとまったので積極的に取り込んでみました。
二カ所で3時間半ほど撮影し、節分草を堪能しました。
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2014年3月1日(土) |
BG-E2の内部電圧降下と50D低温バッテリー対策 |
2月2日のダイアリーで、EOS 50Dを氷点下で使うと直ぐにバッテリー切れになってしまうので、対策としてバッテリーグリップBG-E2にUSBヒーターを入れてみたが効果が無かったという話題を書きました。今日はその続編です。
結論から言えば、バッテリーグリップBG-E2に低温に強いエネループを入れてみたところ、良い感じでした。まだ十分な枚数を撮影していませんが、先週末の氷点下2度の筆影山では最後まで満タン表示のまま撮影が出来ました。その対策に至る事前テストの様子を再現して紹介したいと思います。
【先ずは、悪名高きBG-E2の内部電圧降下テスト】
BG-E2がEOS 20Dと共に発売された時に、接触不良と内部電圧降下の為にまともに撮影出来なかったという不具合がありました。これは結局リコールになり問題は収束していますが(私のも対策済み)、それでも0.4Vの電圧降下が残っているというのがネット上の常識。EOS 50D世代までカメラ側は電圧のみでバッテリー残量を判断しているので、電圧降下があるとバッテリーが実際に残っていたとしても、バッテリー切れと判断されてしまいます。で、実際の所はどうなの?とういことで調べてみました。
先ずはテストに使ったバッテリー(BP-511A)の素の電圧をチェック。2セルのリチウムイオン電池の満充電時は8.4Vですが、これは筆影山撮影で使って50Dのバッテリーインジケーターが一つのみになった状態のもの。7.66Vです。
これをBG-E2の左側のスロットに入れて電圧測定すると、7.66V!。何と電圧降下がありません。
次に右側のスロットに入れてみると7.29Vで、0.37Vの電圧降下がありました。これは何度試しても、また別の電池で電圧が違うもので試しても0.33-0.37Vの電圧降下がありました。筆影山でUSBヒーターを使った際には右側スロットにバッテリーを入れたので少々暖めてもバッテリー切れになってしまったのだと思います。残念ながらヒーターは左側スロットにしか入れられないので、その手はやはり使えないですね。
続いてエネループ6本での素の電圧チェック。エネループの満充電時は1.4Vなので6本だと8.4Vありますが、これも先週の筆影山の撮影で使った後のもので、7.91Vでした。まだバッテリー切れと判断される電圧までは余裕綽々です。
これをBG-E2に入れて測定すると7.92Vでした。0.1V電圧が上がったのは触っている内にバッテリー温度が少し上がった為だと思います。何れにしても単三電池6本装填時にも電圧降下はありません。よってこのテストの結論は、
BP-511AをBG-E2の右のスロットに入れてはいけないが、それ以外は問題無い
ということです。
【EOS 50Dのバッテリー残量判断電圧は?】
バッテリー切れと判断される電圧は、電圧を連続可変出来る装置を持っていると簡単に確認出来るのですが、無いのでバッテリーを消耗させながらテストしてみました。
満タン表示 | | 概ね7.87V以上 |
セグメント一つ | | 概ね7.30〜7.86V
※7.87VでスイッチON後満タン表示、センサークリーニング作動でセグ一つにダウン。
※7.86VでスイッチON後セグ一つ表示。 |
バッテリーマーク点滅 | | 7.29V以下 ※7.4V付近から撮影中に点滅を始める事あり。 |
シャットダウン | | 6.89V ※7.0V前後から撮影中にシャットダウンする事あり。 ※6.90Vで起動するがAF作動だけでシャットダウン。
※6.89Vで起動しない。 |
EOSは電圧変動を記憶していて、バッテリー電圧が復活してもバッテリーを外さないとリセットされません。具体的には撮影/メモリー保存などで大電流が要求されてバッテリー電圧降下が起き、一瞬でも閾値を下回るとセグメント一つになったりバッテリーマークが点滅したままになります。その状態でバッテリーを取りだして電圧を測っても復活している事が多く、再度バッテリー装填すると元の表示に戻ってしまいます。上記電圧はバッテリーを入れ直しても尚、バッテリー表示が戻らない電圧値です。
言い換えれば注記(※)にあるように、撮影時には電流要求による電圧降下により、静的な電圧値よりも高い値でバッテリーマーク点滅やバッテリー切れの状態に陥ります。その値は厳密には測定出来ませんが、バッテリーを取りだしてからの電圧復帰具合を見ていると、一コマ撮影で0.1V程度、連射やストロボを使うと0.2-0.3V程度あるようです。その分、実効的なバッテリー残量判断電圧を上げて考えなければなりません。
余談ですが、同じバッテリーBP-511Aを使いながら、冬場でも困った経験の少ないEOS 30Dのバッテリー残量判断電圧は50Dよりも低く、バッテリーマーク点滅が7.20V以下、シャットダウン電圧は6.84Vでした。消費電力の少なさ(=撮影時電圧降下の小ささ)も相まって30Dは寒さに強くなっていることが分かりました。
【0度以下で電圧降下の大きいリチウムイオンと、マイナス15度でも頑張るエネループ】
残念ながら私はデータロガーを持っていないので、各電池の低温放電特性はネット上の奇特な方の情報を参照させて貰いましょう。先ずリチウムイオン電池ですが、
リチウムイオン電池専門店 antenna1st.com
このページの二つ目のグラフを見て下さい。25度と比較し0度での落ち込みが顕著で、満充電時に3.6V(2セルで7.2V)しか無く、50Dでは最初っからバッテリーマークが点滅する電圧です。マイナス10度ではもっと酷く3.35V(2セルで6.7V)なので、50Dを起動出来ない事になります。これは氷点下撮影時の経験と良く一致しています。
次にニッケル水素電池の中でも放電圧が高めで、低温にも強いエネループの低温放電特性です。
徒然なその日ぐらし(竜爺さん)
この方は私の使用状況と同じエネループ6本の放電特性を、常温15度と冷凍庫の中のマイナス15度で比較されています。常温15度の方の電圧を見ると、50Dは容量後半までバッテリーマーク点滅せず、ほぼ全容量を使ってからシャットダウンすることが分かります。一方のマイナス15度では流石に1.5〜2時間目(容量の1.5〜2/7=21〜29%)で点滅してしまいますが、シャットダウンは5.5時間目(容量の5.5/7=79%)ぐらいまで粘ることになります。私の使用状況ではマイナス15度まで下がることはまず無いので、結構期待出来そうな低温性能と言えます。
これらの情報をもとに、エネループ6本をBG-E2に入れて氷点下の撮影に臨んだら、結構良い感触を掴んだ、という本日の話題でした。
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