これらの事柄の中から、私が実際に体験したことを書いてみましょう。
2の「霧が盆地に流れ込む(吹き出す)」事ですが、つぶやきvol.105で書いた、初めて霧の海撮影に行った場所で霧に包まれたのがこの現象だと思われます。実は霧に包まれたときに、三次市方向に向けたカメラの背後から強い風と霧が吹いていました。霧は背後にある標高500m近い山の尾根を越えて吹いてきました。これは尾根の背後にある神野瀬川流域で発生した霧が三次方向に吹き出した物だと思います。
3の「(霧の)上方は最高海抜600m以上にまで及ぶこともある」について、私は三次市最高高度地点でそれを霧の吹き出しと共に目の当たりにしました。霧を撮影していたら、手前に見える谷に濁流の様な霧の流れが発生しました。そしてそれにやや遅れて、今度は上面高度が海抜700mはあろうかという霧の塊が私の場所を襲ってきたのです。(右上の写真)
4の霧の発生範囲ですが、晴れた日に広島から三次に向かうと、向原の手前で霧に包まれます。三次から直線距離で30km程の所です。また霧の晴れる前にクルマで走り回った作木村、布野村、君田村、庄原市などもみな霧に包まれていました。
5の「霧は活発に運動することが多い」について、つぶやきvol.105に書いたとおり、朝、最高度に発達した霧は「大きな生き物の様に大きくうごめいて」いました。これは右上の写真からもお分かりになると思います。
6の霧の消失時間ですが、つぶやきvol.104で書いた様に地表でのコスモス撮影のときには日の出後約2時間後の8時過ぎに霧が消えました。しかしつぶやきvol.108で書いた様に、いつもの撮影場所〜そこは可愛川の脇で霧の発生場所でもありますが〜は日の出3時間半を過ぎても霧に包まれていました。
そしてそこは7にあるように、霧が最後まで残る「霧の発生場所の中層」でもありました。(右中の写真)
9について、こんな事もありました。その日は前日まで雨で、明け方には天気が回復するとの事なので霧の海撮影に出掛けました。しかし三次に向かう途上では雨が降り、撮影ポイントについても時々雨が舞う始末。もちろん広島から三次まで霧は殆ど発生していませんでした。しかし山の上から見る三次盆地はしっかりと霧の海に包まれていたのです(右下の写真)。つまり地表付近には霧が発生していなくても、上空には霧の海が発生することがあるのです。 |